釈由美子「私の原点『ゴジラ×メカゴジラ』からご縁がつながりました」監督のラブコールを受け、日本特撮へのオマージュ満載のアメリカ映画に出演『Iké Boys イケボーイズ』【インタビュー】

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2024年06月13日 12:40  エンタメOVO

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釈由美子<ヘアメイク:田中宏昌(アルール)、スタイリスト:安永陽子>(C)エンタメOVO

 日本の特撮やアニメが大好きなオクラホマのオタク高校生、ショーン(クイン・ロード)とヴィクラム(ローナック・ガンディー)はある夜、日本のレアなアニメのDVDを見ていたところ、なぜかスーパーパワーを身に付けてしまう。これを機に、彼らは世界の存亡を揺るがす陰謀に巻き込まれることに…。

 6月14日から全国公開となる『Iké Boys イケボーイズ』は、アメリカ人のエリック・マキーバー監督が、愛する日本特撮へのオマージュ満載で作り上げたファンタジーだ。本作で、主人公たちに関わる女性レイコを演じているのが、『ゴジラ×メカゴジラ』(02)の主演で知られる釈由美子。エリック監督からのラブコールを受けて出演した作品の舞台裏や、特撮映画に対する自身の思いを語ってくれた。




−まずは、出演の経緯を教えてください。

 エリック監督が、私の事務所にいらっしゃって、直接オファーを頂きました。そのとき、「高校生のときに買ったものです」と『ゴジラ×メカゴジラ』のDVDをバッグから取り出し、「いつか、家城茜(釈が演じた『ゴジラ×メカゴジラ』の主人公)さんとお仕事するのが夢でした」とおっしゃって。台本を読んでみたら、レイコという役も家城茜に通じるものがあり、自分の原点である『ゴジラ×メカゴジラ』が当時、高校生だったエリック監督の心を動かし、こうしてご縁がつながったのかと思うと、本当にうれしかったです。

−撮影はいかがでしたか。

 撮影はコロナパンデミックに入る直前の2020年1月で、クランクインが1、2カ月遅れていたら、お蔵入りしていたかも…という時期でした。しかも、当時はアメリカの手続きが厳しく、就労ビザがなかなか下りなくて。そのため、出発日がどんどんずれ込み、あと1日遅れたら撮影が間に合わない、というタイミングで奇跡的に渡米することができました。おかげで、スケジュールはギリギリでしたが、撮影自体はとても楽しかったです。しかも、私の夫役を演じてくださったのが、ビリー・ゼインさん。『タイタニック』(97)を見たときから憧れの方だったので、感激しました。

−監督ともだいぶ親しくなられたそうですね。

 当時、私の息子がまだ3歳だったので、オクラホマでの撮影に主人と一緒に帯同してもらったんです。私が撮影している間、子どもたちは観光したり、夜は一緒に食事をしたり…。それをきっかけに、エリック監督とは家族ぐるみのつきあいになりました。以来、来日するたび、家族で一緒にお食事しています。エリック監督は早稲田大学に留学経験があり、日本語が流ちょうで漢字も完璧なので、LINEでやり取りしていると、アメリカ人とは思えません。その上、私の息子とオタク同士、ゴジラのフィギュアで延々遊んでいる様子が面白くて(笑)。ムービーを撮ろうかと思ったくらいです。




−完成した映画の印象は?

 最近の特撮映画は、ゴジラ映画も含めてCG全盛の時代です。でも逆に、私たちの世代がノスタルジックに感じるアナログの「ザ・特撮」といった作品の方が、子どもたちにとってはむしろ新鮮らしく、うちの息子ものめり込んで楽しんでいるんです。だから、スーツアクターの方が生身でぶつかりあう熱量や温かさなど、アナログ特撮の良さは絶対にあるはずです。その点、この『Iké Boys イケボーイズ』は、そういう日本のアナログ特撮とアメリカのテイストが融合し、今までにないユニークな作品になったと思います。

−釈さんご自身は、特撮作品に対してどんな思いをお持ちでしょうか。

 バラエティー番組のタレントやグラビアアイドルとしてスタートした私にとって、『ゴジラ×メカゴジラ』は、俳優として見ていただけるようになった原点と言える作品です。そのとき、特撮の現場を見学させていただき、特撮に懸けるスーツアクターの方やスタッフの皆さんの情熱を知り、リスペクトするようになりました。完成した映像でリアルに動いてる姿を見ると、その技術の素晴らしさを実感しますし、何より職人技でカッコいいんですよね。以来、特撮映画が大好きになり、自分がかかわっていない作品も見たいと思うようになりました。アナログ特撮は、海外にもアピールできる日本の誇るべき文化だと思いますし、そういうものに携わることができたのは、自分にとってもありがたかったです。

−釈さんが「マンホール女優」という唯一無二の肩書を手に入れたのも、「仮面ライダージオウ」(18〜19)に出演した(第35、36話)際、マンホールのふたを凶器に使う殺人犯を演じたことがきっかけで、特撮作品とは縁が深いですね。

 あのときは、オンエア直後に友人から「トレンド入りしているよ」とLINEをもらって驚きました(笑)。そんなに話題になるとは思ってもいなかったので。撮影の時は、監督から「マンホールのふたを投げる」とお聞きし、「重くないですか?」とお尋ねしたら、「小道具で作ってあるから」というので、ノリノリで楽しんでやっていました。まさか、あんなふうにバズるとは。でも、その様子も含めて面白かったです。息子に見せたら、まだ小さかったので、怪人に変身すると怖がっていましたね。だから、何かあると「ママが怒ると、マンホールのふたを投げるからね」と脅かしています(笑)。

−現在放送中の「爆上戦隊ブンブンジャー」の第6話でマンホールのふたが登場した時も、釈さんは出演していないのに、SNS上で再びお名前がトレンド入りしましたね。

 本当ですか!? ありがたいことです。あれ以来、マンホール関係のお仕事もたくさんいただくようになりましたし、きちんと爪痕を残せてよかったです。

−今後も特撮映画に出演していきたいという気持ちはありますか。

 将来は、かつてのゴジラ映画の水野久美さんのように、総理大臣など場を引き締める風格のある役で出演できたらいいですね。まだどうなるか分かりませんが、エリック監督からは次回作のお話なども伺っていますし、私の原点である『ゴジラ×メカゴジラ』がきっかけで、『Iké Boys イケボーイズ』や、この作品で造形監修を担当された村瀬継蔵さんが総監督を務めた『カミノフデ 〜怪獣たちのいる島〜』(7月26日公開)にもつながりました。これからも、そんなふうにご縁が広がっていったらうれしいです。

(取材・文・写真/井上健一)


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