「本当にギリギリ」おにぎり店から悲鳴も“米の高騰”いつまで? 猛暑やインバウンドも影響 新米の時期になれば落ち着く可能性も【news23】

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2024年06月14日 11:21  TBS NEWS DIG

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去年の猛暑などの影響を受けて、今、お米の価格が高騰しています。今年も猛暑が予想されるなか、お米の値上がりに、終わりは見えるのでしょうか?

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おにぎり店が悲鳴「もうギリギリ」

東京・品川区にある、おにぎり専門店「戸越屋」。

炊き立てのふっくらとしたごはんに、厳選された具材が評判のお店です。

しかし今、頭を悩ませているのが…

おにぎり「戸越屋」木本英二 店長
「お米は業者さんからも『近々値上がりする』と。非常にうちとしても痛手」

米の値上がりです。

こちらでは2023年と比べ、米の仕入れ価格が2割から3割ほど上昇。

おにぎり「戸越屋」木本英二 店長
「3.5升を一日に14回ぐらい炊くときもある。40升(400合)ぐらい一日に使っている。それが2割〜3割上がるだけでも相当な金額負担」

値上げを避けるため、新たなメニューの開発などの企業努力を重ねてはいますが…

おにぎり「戸越屋」木本店長
「海苔も(値段が)ほぼ倍近く上がっている。うちの主力商品が全部上がっているので、本当にギリギリの勝負になっている、値上げをしないといけないかな…」

米の高騰の影響は食卓にも。

横浜市のスーパー「セルシオ」では…

セルシオ 和田町店 久保田浩二 商品バイヤー
「こちらの2kgのサイズのお米は元々は税抜きで1000円以下で販売していたが、1000円以上の売価をつけざるを得ない」

こちらでは、仕入れ価格の上昇を受け、米の販売価格を1割ほど値上げしました。

セルシオ 和田町店 久保田浩二 食品バイヤー
「5月〜6月の仕入れ値も相当上がってきた。5kgのお米を毎週セールで安くしていたが、そういうアイテム自体も替えざるを得ない」

買い物客からは…

20代
「もうちょっと(価格を)下げて欲しいかな。給料が上がっていないのに、米とか上がるのは困る」

80代
「困るけど仕方がない。食べるものなので減らすわけにはいかない。やっぱり主食ですよね、何にしてもごはんじゃないと」

なぜ今、米の価格が高騰しているのか?

全国の生産者から米の仕入れを行っている精米店「玄米耕房 かめた」で理由を聞いてみると...

玄米耕房・かめた 市野澤利明 代表
「精米した新潟の米、例年に比べると小ぶり、小さい。大体110キロの玄米を精米すると1割減って100キロになるが、今年の米はそれでは済まない。昨年の猛暑によって例年に比べて(米の)品質が低下した」

2023年の猛暑の影響で、一部の産地で収穫量が減少。

さらに“インバウンド需要”などによって、米の消費量が増えているからだといいます。

玄米耕房・かめた 市野澤利明 代表
「コロナ禍から『5類』になって外国の方々も大勢来られるようになった。お米の消費が非常に多くなってきた。今は非常に異常な価格帯。今年は今年なりの(令和)5年産のお米の炊き方で、あまりごしごし研がないでやれば美味しく食べられる」

米の高騰はいつまで続くのか?

精米店の市野澤代表は、今後の見通しについて…

玄米耕房・かめた 市野澤利明 代表
「7月下旬には宮崎・鹿児島の新米も入ってくる。8月、そして9月〜10月には東北・北陸のお米が入ってくる。今はちょっと厳しいですけれども(価格が)落ち着いてくるのではないか」

米の価格高騰 担い手に課題も

小川彩佳キャスター:
大変な状況は、猛暑やインバウンドが影響しているということを考えると今年だけなのかなと感じますが、長期的な対策も必要になってきそうですよね。

藤森祥平キャスター:
農林水産省の担当者は「去年に比べて米の在庫が減っているが、量的にひっ迫している状況ではない」としています。

これから新米が本格的に出回る季節でもありますから、私達も慌てることなく必要な量だけありがたくいただきましょう。

小川キャスター:
今すぐスーパーに行かなければならないという状況ではないということですね。

猛暑の影響で、一部の産地で収穫量が減少しているという話がありましたが、対策もしていて、暑さに強いお米の導入も進んでいるんですよね。

日本総研首席研究員 藻谷浩介さん:
温暖化で北海道のお米が美味しくなったのは有名ですが、九州がダメになったか?というと、九州のお米も品種改良が進み、引き続き全国トップクラスのお米を作り始めています。

これ以外に値上がりの要因が2つあると思います。

1つめは、円安です。
お米は100%自給しているので、円安は関係ないのでは?と思いますが、お米を栽培するのに必要な肥料の原料は全量輸入ですし、農機具を使ったり農薬を作るのに使う油も全量輸入しています。

ですから、円安で輸入代が上がっているので農産物の価格が上がる。円安だから競争力が高くなるとはなっていない。もっと減肥料・減農薬を進めて、輸入の石油に頼る分を減らさなくてはいけない。

あともう1つ、お米は安いんです。
ご飯ジャー1杯で十何円だし、今は多分、20円ぐらい。パンだったら1個100円とかしますよね。つまり安いのが当たり前で、みんなが「高くなる」というけれど、こんなに美味しいのに安すぎて生産者が全く儲かっていない。

ですから、作る人を増やすためにも、ある程度長期的に値上がりするのは避けられないと思います。1本百何十円の水とか、パン1個、パスタに比べて決して「高い」とは言えないのではないでしょうか?

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<プロフィール>
藻谷浩介さん
(株)日本総研主席研究員 著書「デフレの正体」
NYコロンビア大学ビジネススクール卒業

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