年金を67歳から受け取ったら、繰り下げでいくら増える?

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2024年06月17日 21:40  All About

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年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。今回は、67歳に繰り下げ受給した場合の年金額について、専門家が回答します。
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、67歳に繰り下げ受給した場合の年金額についてです。

Q:67歳に年金受給を繰り下げた場合、もらえる年金はいくらになる?

「65歳から受給開始するはずの年金を67歳から受け取ったら、繰り下げでいくら増えますか? 私の年金は、厚生年金と国民年金あわせて月16万円程度です」(60歳・男性)

A:年金額は16.8%増え、月18万6880円がもらえます

老齢年金は、65歳で受給せずに繰り下げることができます。繰り下げには、老齢基礎年金の繰り下げと老齢厚生年金の繰り下げがあります。

2022年(令和4年)4月に年金制度が改正されて、年金の受け取り開始が最長75歳(※)に引き上げられました。ひと月繰り下げるごとに、+0.7%(最大+84%)となり、増えた年金は一生涯受け取れます。

※最長75歳まで繰り下げることができる人は、2022年(令和4年)4月1日以降に70歳に到達する人(昭和27年4月2日以降に生まれた方)です。

ここでは、月額16万円の年金を受け取れる相談者が、67歳まで2年間(24カ月)受給開始を遅らせると、どれくらい増えるか計算してみます。

1カ月あたり+0.7%(増額率=(65歳到達月から繰り下げ申出月の前月までの月数)×0.007)となりますので、24カ月遅らせると、24カ月×0.007=0.168(16.8%)増えることになります。

よって16万円×(1+0.168)=月額18万6880円を一生涯受け取れます。

老齢基礎年金、老齢厚生年金の両方を受給できる人は、いずれかを繰り下げることができます。ただし老齢厚生年金を繰り下げ受給する場合は注意が必要です。

相談者は厚生年金の加入期間がありますので、もし厚生年金加入期間が20年以上あり、65歳になったときに、生計を維持している65歳未満の配偶者(前年の収入が850万円未満など)がいると、配偶者加給年金額が受け取れます。

しかし、厚生年金加入者が老齢厚生年金の繰り下げをしている間は、配偶者加給年金額は受け取れません。また、配偶者が65歳になった場合も受け取れなくなります。

したがって、繰り下げしている間に配偶者が65歳になってしまうと、配偶者加給年金額を全くもらえないことにもなりかねませんので注意が必要です。老齢基礎年金のみを繰り下げることにすると、配偶者加給年金はもらえますよ。

監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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