高木豊がセ・リーグの助っ人たちを4段階で査定 「◎」「×」と評価されたチームは?

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2024年06月18日 10:40  webスポルティーバ

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高木豊の助っ人通信簿 セ・リーグ編

 外国人選手の出来は、チームの浮沈に影響を及ぼす。さて今季、助っ人たちのここまでの働きぶりは識者から見てどうなのか。かつて大洋ホエールズ(現横浜DeNAベイスターズ)で活躍し、現在は野球解説者やYouTubeでも活動する高木豊氏が、外国人選手(野手/投手)の評価をチームごとに4段階【◎、〇、△、×】で評価した。

(※)成績は6月16日時点。一軍での出場がない選手、出場試合数が少ない選手に対してのコメントは省略(成績のみ掲載)しているが、評価の対象。育成選手は評価の対象外。中日のダヤン・ビシエドは今季から日本人枠の扱いだが、評価の対象とした。

◆広島【野手×/投手△】

「先発の(トーマス・)ハッチはオープン戦で低めを意識したピッチングを見た時、『ある程度試合を作れるんじゃないか』と思いましたが、苦しんでいますね。特筆するようなボールが何もないんです。なので、コントロールが相当よくないと抑えるのは難しいですよ。

(テイラー・)ハーンはまだ試合数が少ないですが、球が速いですし、スライダーも含めて制球がいい。チェンジアップなどもあるみたいですし、かなり期待していいと思います。このクラスの左ピッチャーが終盤に控えているのは、相手にとって脅威です」

<評価対象となった助っ人の成績>

(New/野)レイノルズ 2試合 打率.000 0本塁打 1打点 出塁率.167 OPS.167

(New/野)シャイナー 2試合 打率.200 0本塁打 0打点 出塁率.200 OPS.600

(New/投)ハッチ 4試合 0勝3敗 防御率6.00 QS率25.0

(New/投)ハーン 6試合 0勝0敗 1ホールド1セーブ 防御率0.00

(投)コルニエル 3試合 0勝0敗 0ホールド0セーブ 防御率3.00

◆阪神【野手△/投手◎】

「(シェルドン・)ノイジーは序盤に苦しみ、その後はいい働きを見せる時もあって調子が上向きなのかなと思ったのですが、さほど上がりませんでしたね。タイプ的にはホームランを量産するバッターではありませんが、つなぐ意識や、右に打つ意識が高いですし、守備も悪くはない。使っていて安心感はありますよね。今後ノイジーの力が必要な時も来るでしょうから、状態を上げていってほしいです。

 投げるほうでは、(ハビー・)ゲラはセットアッパーもクローザーもこなせます。コントロールがバラつくこともあまりないですし、今はファームにいますけど、概ね期待どおりじゃないでしょうか。3敗していますが、試しながら投げていた部分もあるはず。日本の野球のレベルがある程度わかってきたと思いますし、これから気温が上がっていくと、もう少し球が速くなるような気がします。

 先発の(ジェレミー・)ビーズリーはまだ登板数が少ないですが、いいピッチングを続けていますし、今後も先発ローテーションの柱のひとりとして期待できます。青柳晃洋の状態があまりよくないですし、ビーズリーにかかる期待は大きいです」

<評価対象となった助っ人の成績>

(野)ノイジー 45試合 打率.238 1本塁打 8打点 出塁率.312 OPS.614

(野)ミエセス 14試合 打率.111 0本塁打 0打点 出塁率.158  OPS.269

(投)ビーズリー 5試合 3勝1敗 防御率1.78 QS率60.0

(New/投)ゲラ 26試合 0勝3敗 12ホールド8セーブ 防御率2.84

◆巨人【野手〇/投手〇】

「(エリエ・)ヘルナンデスは、打線を一気に活気づかせました。短期間で日本のピッチャーの球にアジャストしていますし、真っすぐにも変化球にも対応できる。身体能力の高さも感じますし、彼が打線の上位にいることは相手にとって脅威でしょうね。

 投げるほうですが、(フォスター・)グリフィンは昨年からの成長をあまり感じません。8失点したヤクルト戦でもそうでしたが、相変わらず一本調子になって打たれています。バッターに向かっていく姿勢はいいのですが、試合を壊されると困りますね。(カイル・)ケラーは阪神にいた最初の頃よりもラクな場面で投げさせてもらっています。球に力はあるのですが、全体的に甘い球が多く、僅差の試合では使いにくい印象です。

(アルベルト・)バルドナードは、大勢や中川皓太がいないリリーフ陣を支えてくれています。中川が離脱後は8回を任せ、大勢が離脱後は9回もこなしてくれてチームは大助かりです。高身長で球に角度があるし、コントロールも比較的に安定しています。また、ストライクからボールになる球で勝負もでき、落ち着いていますね。ある程度三振も取れるので、抑えの投手の条件を満たしていると思います」

<評価対象となった助っ人の成績>

(New/野)ヘルナンデス 18試合 打率.342 3本塁打 10打点 出塁率.400 OPS.893

(野)ウレーニャ 7試合 打率.000 0本塁打 0打点 出塁率.125 OPS.125

(投)グリフィン 5試合 2勝2敗 防御率3.86 QS率40.0

(投)メンデス 1試合 0勝1敗 防御率9.00 QS率0.0

(投)バルドナード 28試合 1勝2敗 12ホールド7セーブ 防御率2.39

(投)ケラー 18試合 0勝0敗 3ホールド0セーブ 防御率1.59

◆DeNA【野手◯/投手△】

「(タイラー・)オースティンは故障(右太もも裏の肉離れ)で約1カ月離脱していましたよね。実力はあるのですが、それ以上にチームに迷惑をかけてしまっている印象です。レギュラーが離脱することが、どれだけチームに迷惑をかけるか。ケガは『ハッスルプレーの結果だから仕方がない』などと言われたりしますが、ハッスルプレーをしてもケガしない体を作ってくれ、と思うんです。

 ただ、戦列に復帰してからは2試合連続で本塁打を打つなどよく打っています。ここから離脱することなく、シーズントータルでどれぐらい打てるかが見どころです。

 先発の(アンドレ・)ジャクソンは、最初の登板を見た時は『すごくいいな』と思いましたが、コントロールが悪い。最近は試合を作っていますが、1試合のなかで1イニングだけ乱れるケースが多く、それがどのタイミングで出てくるのかが読めません。真っすぐも速いですし、変化球もいいのですが、まとまらない。日本のバッターはそれほど振りにこないので、制球が安定しないと厳しいでしょうね。

 また、(アンソニー・)ケイはしっかり試合を作れますね。だけど、ちょっとイライラしてしまうところがある。ストライクとボールに対してすごく敏感で、微妙なジャッジの時に気持ちが揺らいで打たれてしまったり......。もう少し冷静になれれば、ピッチングがより安定してくるはずです。リリーフでは、(ローワン・)ウィックは小さく曲がるカットボールが効いています。コントロールもそこそこ安定してきましたね」

<評価対象となった助っ人の成績> 

(野)オースティン 37試合 打率.314 7本塁打 20打点 出塁率.373 OPS.973

(New/投)ジャクソン 10試合 3勝5敗 防御率4.27 QS率40.0

(New/投)ケイ 10試合 4勝4敗 防御率2.82  QS率70.0

(New/投)ウィック 8試合 1勝0敗 2ホールド1セーブ 防御率3.68

(投)ウェンデルケン 4試合 1勝0敗 3ホールド0セーブ 防御率2.25

(投)ディアス 1試合 0勝0敗 0ホールド0セーブ 防御率0.00

◆ヤクルト【野手◎/投手△】

「(ホセ・)オスナは勝負強いですし、攻守ともにしっかりした野球をやってくれます。打点も稼いでいますし、打線を牽引していますね。前年までと、いい意味でまったく変わりません。また、(ドミンゴ・)サンタナは文句のつけようがありません。村上宗隆が不調でも、山田哲人が離脱してもこのふたりがカバーしますし、チームは本当に助かっていると思います。性格が真面目で故障もしませんし、自分の与えられた仕事をしっかりやってくれています。

 リリーフの(ホセ・)エスパーダは、ピンチの場面でナックルカーブで三振を取っていたので『使えそうだな』と思ったのですが、コントロールがよくないです。先発の層が薄いヤクルトにとって中継ぎは心臓部分なのですが、防御率5点台だと投げてみないとわからないのでちょっと厳しいですね。

 先発のサイスニードは11試合に登板してまだ1勝と、打線とのかみ合いが悪いです。自身も、いいイニングがあっても悪いイニングも作ってしまうというか、抑えられそうな雰囲気がありながら相手打線につかまっていくんです。4勝5敗の(ミゲル・)ヤフーレは、横の揺さぶりを中心にかわしていくタイプで、ピッチングを組み立てられるピッチャーですね。そこそこコントロールもいいですし、まとまっています」

<評価対象となった助っ人の成績>

(野)サンタナ 64試合 打率.314 10本塁打 36打点 出塁率.387 OPS.908

(野)オスナ 64試合 打率.249 9本塁打 37打点 出塁率.308 OPS.717

(投)サイスニード 11試合 1勝3敗 防御率4.15 QS率50.0

(投)ロドリゲス 1試合 0勝0敗 防御率4.50 QS率0.0

(New/投)ヤフーレ 11合 4勝5敗 防御率3.07 QS率63.6

(New/投)エスパーダ 24試合 0勝2敗 5ホールド0セーブ 防御率5.00

◆中日【野手〇/投手〇】

「(ダヤン・)ビシエドは今季から外国人枠を外れて日本人枠の扱いになりましたが、開幕当初はなかなかチャンスをもらえませんでした。契約の最終年で危機感があるはずなので、ある程度はやってくれると思っていましたし、日本人枠であれば『代打で入れておけば』と思いましたが......。使われなかった理由は、おそらく勝負強さの面で物足りなさがあったんでしょう。中田翔の離脱で一軍に上がりましたが、いい働きはできませんでしたね(6月9日に出場登録抹消)。

 同じく野手の(オルランド・)カリステは個人的に◎です。『なぜ安定的にレギュラーで使わないのか』と思っているぐらい、僕は彼の能力を評価しています。バッティングがいいので今は外野に入れたりしていますが、サードもショートもできますし、使い続ければどんどんよくなっていくと思うんです。守備の細かいことは改善の余地がありますが、あれだけダイナミックに動ける選手はなかなかいません。

 開幕でショートを任された(クリスチャン・)ロドリゲスは、まだ若いし無理がありました。素質は素晴らしいものを感じますが、キューバから日本に来て1年目であまり馴染めていなかったと思いますし、経験を積ませる段階だったと思うので、うまくいかなくて当然かなと。ただ、今季から育成選手として加入し、開幕前に支配下を勝ち取っただけでもすごいことだと思います。

 また、(アレックス・)ディカーソンは開幕スタメンでしたが、すぐに腰痛で離脱。交流戦の少し前に戦列に復帰しましたが、離脱期間が長かったことはマイナスです。確実性はあまりないですが、長打力や選球眼に優れているので下位に置くと面白いかもしれません。

 投げるほうですが、(ウンベルト・)メヒアは先発としてやってくれないと困る投手のひとりですし、もうちょっとやれると思うんです。真っすぐがそこそこ速くてコントロールがよく、スライダーとカーブ、スプリット系を投げるオーソドックスなタイプ。状態がいい時は力で押すこともできるし、変化球でタイミングを外すこともできます。

 守護神の(ライデル・)マルティネスに関しては、首脳陣も全幅の信頼を寄せていますね。リードしたまま彼まで繋いだらもう試合は終わったようなものですし、例年どおりに文句のつけようがありません」

<評価対象となった助っ人の成績>

(New/野)ディカーソン 20試合 打率.196 3本塁打 4打点 出塁率.318  OPS.675

(New/野)ロドリゲス 8試合 打率.136 0本塁打 0打点 出塁率.136 OPS.273

(野)カリステ 56試合 打率.305 5本塁打 17打点 出塁率.337 OPS.766

(野)ビシエド 15試合 打率.209 1本塁打 2打点 出塁率.261 OPS.563

(投)メヒア 9試合 3勝4敗 防御率4.50 QS率44.4

(投)マルティネス 30試合 0勝2敗 5ホールド20セーブ 防御率0.93

(投)フェリス 2試合 0勝0敗 0ホールド0セーブ 防御率5.40

(パ・リーグ編:交流戦で初優勝した楽天ら評価が高かったのは?>>)

【プロフィール】
高木豊(たかぎ・ゆたか)

1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・ 横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。

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