「これはさすがに……」 キャッシュレス推進の“ピクトグラム”に疑問の声相次ぐ…… 主催者の見解は

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2024年06月20日 07:18  ねとらぼ

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キャッシュレス化推進の「ピクトグラム」に疑問の声(出典:PIXTA)

 キャッシュレス決済対応店舗を示す「ピクトグラム」のコンクールをめぐって、事前の募集要項に記載された「留意点」に合致しない作品が最優秀作品に採用されたのではないかとして、応募者などから疑問の声があがっています。ねとらぼ編集部はコンクールの主催者に見解を聞きました。


【画像】採用された「ピクトグラム」を見る


●採用されたのは英文字ベースの図案


 コンクールは、キャッシュレス決済の普及などを目的に活動する、一般社団法人キャッシュレス推進協議会が実施したもの。キャッシュレス決済が使える店舗を示す図案を、4月17日から5月26日まで募集していました。


 募集したのは「完全キャッシュレス店舗」「キャッシュレス利用可能店舗」の2つの図案を1セットにしたもので、最優秀作品受賞者には、「PayPayギフトカード」や「楽天Edy」など総額25万円分を贈呈するとしていました。


 6月19日、最優秀作品として発表されたのは、完全キャッシュレス店舗が「CASH LESS ONLY」、キャッシュレス利用可能店舗が「CASH LESS OK」と、それぞれ英文字をベースに記したデザインでした。


 協議会は「本図案をキャッシュレス推進協議会公式のピクトグラムとし、今後、広く店舗や地図、案内図等でご利用いただくことで、キャッシュレスの普及をより実感いただくとともに、わかりやすい店舗利用を促してまいります」としています。


●「これピクトグラムでいいの?」


 ただ、今回採用された「ピクトグラム」をめぐっては、複数の点から疑問視する声が出ています。


 コンクールの募集要項を見ると、図案に関する留意点として挙げられたのは10個の項目。その中には「図案に文字や文字と誤認する恐れのある図柄を含まないこと」という文言が含まれていました。


 しかし、今回採用された案は、英文字をベースにしたものであったことから、SNS上では募集要項の留意点との矛盾が生じているのではないかとし、「どういうこと」「これはさすがに……」「むしろ文字しか書いていない」と疑問の声が寄せられました。


 今回のコンクールに応募したという1人は、ねとらぼ編集部の取材に対し「留意点に則って応募したが、不採用だった」「このような結果であり残念」と思いを吐露しています。


 また、ピクトグラムは一般的に、言葉に頼らず一目で分かるような図形のことを指し、国土交通省公式サイトでは「不特定多数の人々が利用する公共交通機関や公共施設、観光施設等において、文字・言語によらず対象物、概念または状態に関する情報を提供する図形」と定義されています。


 こうしたことから、特定の言語を想起させるような今回のデザインについては「ピクトグラムの概念が壊れる」「英語で書いてあるが、これピクトグラムでいいの?」などの指摘があがっていました。


●応募作品のほとんどが「留意点に抵触」


 こうした声を、コンクールの主催者はどう受け止めているのでしょうか。ねとらぼ編集部はキャッシュレス推進協議会事務局の担当者を取材しました。


 担当者は、募集要項に記載した内容はあくまで「『留意点』であり『条件』ではない」としつつ、「今回ご応募いただいた方の作品のほとんどが、当方で設定させていただいた留意点のいずれかに抵触する状況にございました」と説明。


 その上で、「図案に文字や文字と誤認する恐れのある図柄を含まないこと」という留意点は「本来の趣旨としては、なんらかキャッシュレスとは異なるメッセージが含まれることを防ぐことを意図していた」とし、「そのような意味では、もう少し厳格に留意点をお示しできればよかったと考えております」とコメントしました。


●それでも図案を採用した理由は


 また、今回の図案がピクトグラムとして適切なのかという点については、「国土交通省のWebサイトについては当方も事前に確認を行っている」としつつ、「例えば、案内がInformation の『i』を象ったピクトグラムであるように、文字のデザインを利用してはならないものではないと理解しております」と見解を伝えています。そして、今回の図案を採用した理由については、次のように説明しました。


「今回の選定においては、特定のキャッシュレス決済手段のみの利用が可能であるとの誤認防止も重視しており、例えばクレジットカードのみが利用できる店舗である、スマートフォンを用いた決済のみが利用できる店舗であるとの誤認が生じるような図案については不採用といたしました」


「また、インバウンドでの活用も踏まえ、アジアや北米にお住まいの方にも参考情報としてどのパターンがわかりやすいかを確認しておりますが、結果として今回採用の図案が最も理解を得た結果となっており、文字の排除がかえってわかりにくい結果になると理解いたしました。上記を踏まえ、あくまで店舗をご利用いただく方々(インバウンド観光客含む)が、最も理解しやすい形状として採用いたしました」


 担当者は今回のコンクールについて「多様化し、進化するキャッシュレス決済手段を統一的に表現することが難しい内容であったかとは存じます」とし、「このタイミングで広く内外にこのピクトグラム(図)が、完全キャッシュレス店舗もしくはキャッシュレス利用可能店舗を示すものであるとの共通認識を得られるよう、当協議会としても努力してまいりたいと存じます」とコメントしています。


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