バイクにもロータリーエンジン搭載モデルがあった!?

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2024年06月20日 11:11  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース

「ロータリーエンジン」といえばマツダが「飽くなき挑戦」で量産車への搭載を実現した「自動車用のエンジン」というイメージがありますが、実は、バイクにもロータリー搭載モデルがありました! 独特な形状のエンジンはもちろん、メーター廻りのデザインもフシギな1台なのですが、さて、このバイクの正体は?


ヒント:作ったのはマツダ…ではありません



タンクのエンブレムはロータリーでおなじみのマツダ……ではなく、「HAYABUSA」や「Vストローム」などのバイクを販売しているスズキです。



――正解は次のページで!



○問題をおさらい!


正解はこちら!

○【答え】スズキ「RE-5」



正解はスズキ「RE-5」でした!



「RE-5」はロータリーエンジンの特許を持っていた西ドイツのNSU・バンケル社とライセンス契約を結んだスズキが開発し、1974年に市販を開始したバイクです。水冷・単1ローターエンジンの排気量は497ccですが、当時の750ccに匹敵する62馬力のパワーを発揮しました。残念ながら国内では形式認定が取れなかったため、北米や欧州向けの輸出専用車となりましたが、生産台数は6,000台近くになると言われています。

RE-5はエンジン以外にも、「茶筒」と称されるメーターハウジングやテールライトの意匠が注目されました。実は、RE-5のデザインはイタリアを代表するデザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロの手によるもので、イグニッションキーONでメーターハウジング上部のカバーが開くというカラクリまで付いています。しかし、あまりにも奇抜すぎたためか、後期型では一般的な形状のメーターに変更されました。



ロータリーの話に戻りますが、当時は小型でパワフル、低振動でスムーズに回る次世代エンジンとして注目されていたため、実はライバルメーカーのホンダ、ヤマハ、カワサキも試作車を作っています。しかし、市販化までこぎつけたのはスズキだけでした。



ほかのメーカーが市販化を断念したのは、高い発熱量や信頼性など、ロータリーエンジンをバイクに搭載する上での課題をクリアすることが難しいこと、さらに、燃費の悪さやオイル消費などが原因だったと言われています。また、1973年秋のオイルショックも重なったため、RE-5もわずか2年ほどで絶版となってしまいました。



こうして見るとRE-5は悲運のモデルに思えるかもしれませんが、高熱のローターを冷却するため、水冷方式に加えてエンジンオイルも積極的に利用するというアイデアは、後にスズキを象徴する独自技術となる「油冷システム」に発展し、「GSX-R」シリーズで大成功をおさめています。



それでは、次回をお楽しみに!



津原リョウ 二輪・四輪、IT、家電などの商品企画や広告・デザイン全般に従事するクリエイター。エンジンOHからON/OFFサーキット走行、長距離キャンプツーリングまでバイク遊びは一通り経験し、1950年代のBMWから最新スポーツまで数多く試乗。印象的だったバイクは「MVアグスタ F4」と「Kawasaki KX500」。 この著者の記事一覧はこちら(津原リョウ)
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