パイロット向けAR技術を搭載。頭の動きで制御できる“医療用デバイス”、外科手術に初投入

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2024年06月20日 18:00  Techable

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Beyeonics Surgicalは2012年に事業を開始した、医療システムを開発・製造するアメリカ拠点の医療機器メーカー。

同社が提供するBeyeonics マーベリックシステムは、航空業界のAR技術を採用した、脊椎・頭蓋手術用のデバイス。FDAの“クラスI機器”に登録されており、アメリカで使用可能だ。

今年5月、同システムは外科手術に初めて導入され、術中に外科医の視覚と操作性を向上させることに成功した。
パイロット向けのAR技術でワークフローをスムーズにBeyeonics マーベリックシステムは、外科医が手を使わず頭のジェスチャーで制御し、手術室内で外科チームの作業を中断することなくスムーズなワークフローを実現する。

この機器はヘッドセットを基軸とするインターフェースで、元来F-35戦闘機のパイロットのために開発されたもの。最先端のAR可視化システムを使用しており、ロボットアームに取り付けられた光学カメラから3フィートの作業距離で術部を拡大表示する。

この技術は、低侵襲アプローチ(患者の身体への負担が低い治療)をサポートするよう設計されている。脊椎・脳の正確な画像を提供し、スーパーコンピュータを介してすべての手術データを統合。外科医が簡単かつ安全にアクセスできる単一の強化モニタービューに必要な情報をまとめる。

手術中は、外科医の頭の動きをリアルタイムで追跡するため、ロボットアームは直感的で自然な視野調整を実現できる。これにより、術部の鮮明な視野が確保される。

Beyeonics SurgicalのCEO兼共同創設者であるRon Schneider氏は、「パイロットは長い間、ユーザーの精神的・肉体的負担を軽減する先進的なARディスプレイの恩恵を受けてきた。我々はこの技術の利点を外科手術に転用したのだ」と述べた。
数々の外科手術で使用され、成功を収めるBeyeonics マーベリックシステムはこれまで脳や脊髄に関する手術の支援に利用され、実際に以下の分野で成功を納めた。

・ACDF
・椎体切除術
・開頭術
・減圧術
・椎体間固定術
・椎弓切除術
・腫瘍切除術

Ron Schneider氏は、「神経外科医・整形外科医は視覚能力の向上とリアルタイムでの増強データ処理能力の恩恵を受けられる。脳や脊椎の手術で遭遇する複雑な解剖学に対する理解がさらに深まるだろう」と期待感をあらわにした。

参考・引用元:
Beyeonics Surgical
PR Newswire

(文・せな)

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