ブラックロックの「iシェアーズETF」シリーズにインド株「Nifty50」に連動するETFを追加

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2024年06月21日 16:40  サーチナ

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サーチナ

ブラックロック・ジャパンのウェルス・リタイアメント・ソリューション部のヴァイスプレジデントである渡邉啓輔氏(写真)に、「iシェアーズ Nifty50 インド株ETF」活用のヒントを聞いた。
 ブラックロック・ジャパンが設定・運用する「iシェアーズ Nifty50 インド株ETF」が6月12日に東京証券取引所に上場した。インドを代表する株価指数である「Nifty50」に連動する投資成果をめざすETF(上場投資信託)だ。同社が管理・運用する「iシェアーズ」ETFで東証に上場するのは38本目になる。同社ウェルス・リタイアメント・ソリューション部のヴァイスプレジデントである渡邉啓輔氏(写真)に、「iシェアーズ Nifty50 インド株ETF」活用のヒントを聞いた。
 
 ――「iシェアーズ Nifty50 インド株ETF」(銘柄コード:201A)を新規にラインナップした狙いは?

 iシェアーズETFは、投資家の皆様の中長期の資産形成に資するETFを拡充しています。米国株式のみならず、欧州、日本などの株式、また、先進国株、新興国株などより幅広い国々の株式に投資する手段を提供しています。また、株式ETFには、日本株の「高配当」「最小分散」、米国株の「高配当」「連続増配」もあります。さらに、日本国債や米国債、欧州国債など債券に投資するETFもあります。このように、特徴のあるETFを部品のように使っていただくことにより、投資家の皆様がご自身の投資スタンスに応じて独自のポートフォリオを作って運用していただくことが可能になっています。

 今回、「インド株」をラインナップに加えることで、東証上場シリーズは合計38本のラインナップになりました。世界で最も成長している国の1つであるインドをラインナップに加えることで、シリーズ全体の価値も高くなると考えています。

 ――既存のインド株ETFの中では、信託報酬が2分の1以下の水準である0.385%程度(税込み)という非常に低い水準にありますが、公募投信の中には、同じ株価指数「Nifty50」に連動するインデックスファンドで、信託報酬がより低いものもあります。公募投信と比較してETFに投資するメリットとは?

 信託報酬の低さは「iシェアーズ」シリーズとして意識しているポイントですが、商品企画の段階であったのは、東証上場ETFの中で、投資家の皆様の中長期の資産形成を後押しするために低コストのインド株ETFを提供したいという強い想いでした。その後、公募投信の市場でもインド株インデックスファンドが多数企画されるようになり、その中で信託報酬の低いファンドが現れました。

 ただ、インド株のような新興国の株式市場は、価格変動率(ボラティリティ)も大きくなりがちです。一般に海外資産に投資する公募投信を購入する場合、約定日が翌日以降になるなど、機動的に売買することができません。為替変動の影響を考えると、買いたい・売りたいと思ったタイミングで売買できないことによって思わぬ機会損失になることもあります。例えばインド総選挙の結果が開票された6月4日、Nifty50指数は日中8%以上下落し、過去4年間で最大の下落率となりました。この点、ETFは東京証券取引所に上場していますから、取引時間中に売買することが可能ですし、値段を指定して指値で注文することもできます。この機動的に売買できるという利便性は見逃せない点かと思います。

 また、公募投信の場合、取り扱い販売会社が限られている場合があります。その点、ETFは株式を取り扱う証券会社であれば、どこでもお取り扱いいただけますので、それだけ多くのお客様に購入しやすい商品になっています。

 ――「iシェアーズ Nifty50 インド株ETF」について、他のインデックスとの相関関係などを手掛かりに、組み合わせて投資するメリットが出やすいETF等はありますか? 

 たとえば、「全世界株式(MSCI ACWI)」に連動する投資信託を保有されている方は、インドへの投資比率は1.9%程度になっています。ところが、世界のGDPに占めるインドのGDP比率は2023年の名目GDPで3.4%(米ドル建て)を占めています。世界の株式市場の時価総額の比率でみると、2024年4月末現在でインドは4.0%を占めています。全世界株式インデックスに占める比率の2倍超です。通常のインデックスファンドでの運用では、インド株への投資比率が足りていないので、個別のインド株ETFで足りない分を補うという使い方をしていただけると思います。「iシェアーズ Nifty50 インド株ETF」は投資単位が10口、2000円程度ですから買い足しを手軽に行っていただけると思います。

 また、米国「S&P500」や日本の「TOPIX」など、個別国のインデックスを保有されている方には、地域分散は分散投資の基本のひとつですから、インド株を分散投資先としてご検討いただきたいと思います。「iシェアーズ S&P500 米国株ETF」(銘柄コード:1655)は信託報酬が年0.066%(税込み)と非常に低くなっています。低コストで分散投資ができることは大きなメリットだと思います。

 資産クラスの分散という点では、「iシェアーズ 米国総合債券ETF」(銘柄コード:2256)のベンチマークである米国総合債券指数(円ベース)とNifty50(円建て)は、過去20年で相関がほぼゼロでした。インド株のボラティリティの大きさを緩和するという点でも米国債券指数に連動する「iシェアーズ 米国総合債券ETF」との組み合わせは相性が良いといえます。

さらに、分散投資の観点では、新興国の高い経済成長を狙うインド株ETFに合わせて、先進国の高い配当利回りを組み合わせるという考え方もできます。「iシェアーズ 米国高配当株ETF」(銘柄コード:2013)や「iシェアーズ 米国連続増配株ETF」(銘柄コード:2014)などを組み合わせると、値上がり益であるキャピタルゲインと配当によるインカムゲインの両方を同時に狙うというポートフォリオも可能です。このように、自由に組み合わせて使う資産形成の部品としてETFの活用をご検討いただきたいと思います。

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