会員制という贅沢 第3回 知る人ぞ知る、会員制の日本酒ブランド「F1625」とは

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2024年06月22日 11:50  マイナビニュース

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余裕のある人生に、会員制という贅沢を。この連載では、会員しか体験することのできないスポットやサービス、アイテムを紹介していく。今回ピックアップしたのは、極めて少ない本数しか醸造できないゆえ、清酒業界では珍しく会員制を敷いているという日本酒ブランド「F1625」。


○アート作品としての日本酒



寛永二年(1625年)創業の老舗酒造、石川県金沢市の「福光屋」を原点とし、2021年に誕生したブランド「F1625」。同ブランドの日本酒は、最高の品質を維持するために徹底して素材を厳選し、手間暇をかけた製造工程にこだわっている。



マスプロダクトでは叶えられない、理想の造りや贅沢さを追求するため、極めて少ない本数しか醸造できないとのこと。その貴重な1本を本当に愛してくれる人に届けたい……そんな思いで会員制を敷いているのだとか。



「イヤーカスタマイズという言葉でお伝えしていますが、清酒業界では慣例的な前年の造りをベースにする醸造スタイルを一切行いません。過去の実績や味わいをベースに、製法や精米歩合を決めず、常にその年の最高の味を追求しています。そういう意味ではF1625の日本酒はアート作品であると考えています。」(同ブランドオーナー)


会員になると参加できるイベントも、まさにこの日本酒を"芸術品"として味わうにふさわしい充実した内容となっている。



例えばペアリングディナーイベントは、予約困難な高レベルのレストランなど、ブランドの世界観に共感したシェフや店とともに開催。F1625のすべのお酒を存分に楽しめるほか、1日限りのアッサンブラージュや秘蔵酒も提供される。


日本酒のイベントとしては珍しく、アーティストとのサロン交流やアートギャラリーでの試飲会など、芸術分野での交流も盛んに行われている。

いずれも日本酒の新しい体験から、豊かで質の高い世界を広げようとするF1625の取り組みでもある。



「F1625の日本酒は、究極の品質を目指して、徹底して素材を厳選し、心血を注いで造りに没頭し、搾り方に至るまでとてつもない手間暇をかけて造る、まさに芸術作品のようなお酒です。世界を舞台に活躍するアーティストやクリエイターと共に、作品や空間、時間をクリエイトする取り組みは、F1625として継続する挑戦の一つでもあります。」(同ブランドオーナー)


現在、会員数は300名ほどで、その属性は経営者、個人事業主、コンサルティング、医療系、PR関係、デザイン系などさまざま。



会費は設けておらず、会員になると、メールマガジンにて新商品情報やイベントの案内が届く仕組みとなっている。

○災禍のなかで奇跡的に生まれた最新ヴィンテージ「いのたち2024」



そんな「F1625」からリリースされた最新ヴィンテージ「いのたち2024」は、初々しく非常にフレッシュな甘い香り、透明感のある軽い旨味、鼻腔を満たす余韻が印象的な一本だ。


特性の異なる酵母を掛け合わせることで、香りの複雑性と厚みを引き出すことに成功。優れた酒米が入手できたことから、ほどよいコメの主張を感じさせる立体的な旨味を生命線に、軽い酸のニュアンスやストラクチャーが生きる仕込みを実施し、みずみずしく、飲み応えのあるリッチな味わいに仕上げたという。



「2023年12月下旬から仕込みを始め、1月1日の能登半島地震では酛(もと/酒母)の状態でした。酒母タンクが地震の揺れで大きく傾き、あと2cmずれていたら倒伏していましたが奇跡的に難を免れ、酒質に影響がなかったことが造り手の大きな喜びとなりました。このお酒が宿す生命力、飲み手の前で一瞬だけ花が咲くような鮮烈な印象を楽しんでいただきたいと思います。」(同ブランドオーナー)



造り手のこだわりはさることながら、その特別な背景も味わいの一つと言えるだろう。



会員になるには、すでに会員となっている人や、取り扱いのあるレストランからの紹介が必要。ぜひ機会が巡ってきたら、特別なメンバーシップに名を連ねてみてはいかがだろうか。(横山茉紀)
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