“AV新法”施行で「女優のギャラ事情」に激震。元セクシー女優が「専業女優が激減したワケ」を暴露

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2024年06月22日 16:01  日刊SPA!

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元セクシー女優で現在はフリーライターの「たかなし亜妖」
 元セクシー女優でフリーライターの「たかなし亜妖」がお届けする連載コラム。2016年に「ほかにやることがなかったから」という理由でセクシー女優デビュー。女優生活2年半が経過したところで引退を決意し、現在は同人作品やセクシービデオの脚本など、あらゆる方面で活躍中。
◆専業セクシー女優が減った2つの理由

 セクシー女優のギャラが減ったとか、今は業界自体がしょっぱいやらの話はこのコラムで散々暴露した。他媒体でも似たような話題が取り上げられているため、「セクシー業界、厳しい問題」は周知の事実となりつつあるだろう。

 以前、「女優の副業事情」についての記事を書いたが、今回はこの問題をもう少し深掘りするために「専業女優が減った理由」についてお話ししていこうか。

 まずはギャラ事情について正直言うと、私がデビューした2016年頃から女優1本で食べられない人が増えていた。月に1本もオファーがなく、ようやく仕事にありつけても家賃分になるか、ならないか程度の給料しかもらえないのもザラ。当時から、既に業界は苦しい状況だったのだ。

 そんな状況が加速するなか、やってきた新型コロナとAV新法。この2つにより業界人はさらに締め付けられ、火の粉は女優へと降りかかる。

◆セクシー女優の厳しいギャラ問題

 AV新法の施行により、女優たちによる仕事の奪い合いが勃発していることは以前の記事でも紹介したが、問題は売れっ子でさえ低いギャラでオファーを引き受けるようになったこと。トップ女優のギャラが低くなることで、当然ながら下の子に仕事が回らなくなる。

 メーカーとしては、有名な女優を安く使えて売り上げも期待できるからラッキーでしかない。しかし、事務所と演者からすると痛手で、一度低いギャラを承諾すればその後の交渉が難しい。他に従来の金額でOKしてくれる人が見つかれば、「じゃあそっちに頼むからいいです」となってしまうのだから。

 すべての事務所が売れっ子に安ギャラで働かせる……なんてことはないが、一部では当たり前になっているのが事実。おカネの問題でオファーが偏り、全体的な平均額も下がれば専業で食べていけないのはもう目に見えている。

◆AV新法と新型コロナで現場数が激減

 新型コロナウィルスとAV新法の件が重なったのも、セクシー女優が専業でやりづらくなった原因のひとつ。新型コロナについては不可抗力だから仕方がないものの、新法は完全に現場の声が届いていないままルールが制定されてしまったため、現役の人たちからすると大きなメリットがない。

 昔のように作品を乱発できず、急なオファーも無理。これでは女優たちにうまく仕事が回らず、メーカーも売り上げが期待できないから、先ほど説明したように「売れっ子を安ギャラで〜」なんて話に辿り着いてしまうのだ。

◆女優だけでは生活できない人の稼ぎ方

 さまざまな原因が重なって稼ぎづらくなった結果、女優1本で生きるのは困難を極めている。世間一般からすると、セクシー女優は高収入だと思われるかもしれないけど意外とそうでもない。生きるうえでは稼がなければならないため、1本では厳しい女性は「副業」をする。

 一口に副業といっても、女優業を並行する人の8割が夜職を選ぶのが一般的。どんな業種かは人それぞれだが、撮影の件を考慮する必要が出てくれば、制約の多い職場はほぼ無理だ。

 多数の人が専業で稼ぎたい気持ちはあれど、なかなか希望通りにはいかないのがツラいところ。トップでさえ裏で副業をする状況なのだから、今は女優1本の人なんて想像以上に少ないのかもしれない。

◆「肩書きを活かせる夜職」をメインに稼ぐ女性たち

 また、知名度や承認欲求よりも「まずはお金!」というタイプの女性は、最初から女優専業で生きようと思っていない。もしくは途中で「あ、これダメだわ」という現実に気づき、1本でどうにかすることをやめた人々は、“セクシー女優という肩書きを活かせる夜職”を中心に動く。

 いつオファーがくるかわからない状態を待ち続けるより、お店で働いた方が効率は良い。勤務先が大人のお店(時に風呂屋だったりデリバリーサービスだったり)の場合は病気等のリスクと隣り合わせだが、肩書きがあると客がつきやすいし、何より嬉しい日給制だ。即日即金、日給10万円以上を目指せる環境に加え、夜職は撮影現場ほど長く働かなくていい。数々のメリットに気づき、収入を優先するのなら、女優業をサブ程度に考えるのはある意味頭が良いと言えようか。

◆専業女優が減ることによる弊害

 昔から夜職メイン+サブで女優業という女性たちは一定数いる。今になって始まったことではないが、令和の時代は無駄を省いた効率重視だからこそ「肩書きを活かせる夜職組」が増えているらしい。いくつも仕事を掛け持つのは面倒くさいし、すべて体力勝負の仕事となれば体調面での心配が大きい。

 けれども昔のように、思った通りの稼ぎを得られないのであれば、みんな他の方面へ流れていく。一つの仕事への執着が薄れるのも、仕方がない話だろう。

 とはいえ専業女優が減ると、セクシー女優としてのし上がりたい熱血マンが少なくなる。結局スターの道を歩むのはやる気があるタイプ。可能性がなくなって“夢を見られない世界”と思われれば、いずれは業界が縮小してしまうかもしれない。今一度裏方たちは体制を見直し、少しでも状況がマシになるような策を練るべきだと私は思う。

文/たかなし亜妖

―[元セクシー女優のよもやま話]―

【たかなし亜妖】
元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。

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