お得な旅行の秘訣は“ポイント”にあり。ポイ活歴5年、元旅行会社社員が明かす「安く旅行するコツ」

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2024年06月23日 09:01  日刊SPA!

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※写真はイメージです(Photo by AdobeStock)
 物価高騰や円安など、日常生活にかかる費用が増加している。そろそろ夏休みにどこへ行こうか検討し始める頃かもしれないが、お金がかかる世の中で旅行を躊躇してしまう人もいるのではないだろうか。
 しかし日々の工夫次第で、お得に旅行ができる。わが家は、宿泊費や交通費のほとんどを「ポイント」でまかなっている。今回は、元旅行会社社員であり、ポイ活歴5年の筆者(新田ミキ)が、お得に家族旅行ができるコツを紹介する。

◆大切なのは「貯めるべきポイント」を決めること

 旅費がどの程度かかるかは、宿泊費と交通費に左右される。多少の調整は可能だが、なくすことはできない。この費用をどうやって抑えるかが重要だ。

 基本として、旅行の予約は早ければ早いほどお得になる。しかしそれでも夏休みやお正月などの繁忙期は料金が高い。そこで活躍するのが“ポイント”だ。

 旅費をポイントでまかなうのは、そう難しくない。日用品や食料品など、日常の買い物でポイントを貯めればいいからだ。

 ただし重要なのは、「旅行サイトを運営しているグループのポイントを貯める」こと。例えば、楽天トラベルなら楽天ポイント、じゃらんnetならPontaポイントやdポイント、Yahoo!トラベルならPayPayポイント。旅行サイトによって支払いに使えるポイントが異なるため、使いたいサイトがある場合は、使えるポイントをチェックして貯めるのがいい。

 また、ポイントを交換できる提携先も確認しておくと便利だ。貯まったポイントをJALやANAのマイルに交換できたり、別の旅行会社の支払いに使えたりする。旅行サイトによっては交通手段を含んだパッケージ商品もあるが、予約が取れない可能性もある。そんな時でも、交通機関の支払いに使えるポイントに交換できれば、思わぬ出費も減らせる。

◆ポイントは「経済圏」で賢く貯める

 ポイントを効率よく貯めるには「経済圏」を決めると効率がいい。「経済圏」とは、銀行や携帯電話、ECサイトなど同じグループで提供されるサービスを活用すること。どのサービスを使っても同一のポイントが貯まる仕組みだ。複数のサービスを利用することでポイント付与率が高くなったり、ポイントがプレゼントされたりとさまざまなメリットがある。

 経済圏には、楽天経済圏やPayPay経済圏、ドコモ経済圏やau経済圏などがある。PayPay経済圏はソフトバンクグループだ。

 例えば、楽天ポイントが貯まる「楽天経済圏」は、楽天カードや楽天市場、楽天モバイル、楽天銀行、楽天証券、楽天ひかり、楽天でんきなど、サービスは多岐にわたる。生活で使用するサービスを楽天グループに統一することで、効率よくポイントを貯められる。

 こうしてたまったポイントを使い、同じ経済圏にある「楽天トラベル」で予約して支払えば、現金もクレジットカードも使わずに済むというわけだ。

◆交通費もポイントでまかなう場合は計画的に

 旅行といっても、近県に1泊するものから飛行機を使った長距離まで幅広い。新幹線や飛行機などを使えば旅費が高くなるため、必然的に必要なポイントも多くなる。計画的にポイントを貯める工夫が必要だ。

 しかし、目標数のポイントが貯まるまで数年間も待っていたり、ポイントを貯めるために無駄な消費をしたりするのは避けたいところ。2度ほどポイントだけで飛行機を使った旅行に行ったわが家は、貯まるであろうポイント数を加味して、行き先や日程を決める“逆算方式”の計画を立てていた。

 子どもがいる場合は、年齢によって座席の有無や運賃が変わる。ポイントが貯まるのを待っていると、年齢が上がり想定外の費用がかかることも……。交通機関の条件と年齢を照らし合わせながら計画を立てることもポイントだ。

◆ポイントが足りない場合は「ポイントサイト」も併用

 極限まで支払いを減らして旅行したい場合は、日常的に貯まるポイントのほかに「ポイントサイト」を活用するのがおすすめ。ポイントサイトとは、条件をクリアすることによってポイントを得られるサイトのこと。サイト内の広告を見たり広告を通してサービスを利用したりすることでポイントがもらえる仕組みだ。

 ポイントサイトで貯まったポイントは、独自のポイントなのでそのまま使うことはできない。貯まったポイントは、特定のポイントやマイル、現金などに交換する必要がある。

 例えば筆者は、会員数が1,200万人以上いる「モッピー」や、ショッピングサイトとの提携が多い「ハピタス」を利用している。ポイントを貯める方法はさまざまだが、中でもクレジットカードの発行や銀行口座の開設などは、比較的ポイントが高い。一度の利用で、5,000円〜1万5,000円程度のポイントが貯まる。

 ただし注意しておきたいのは、ポイントが付与されるタイミングと交換先だ。ポイントが付与されるまでの期間は、対象のサービスによって異なる。数日で反映するものもあれば、半年ほどかかるものも。ポイントが反映し、さらに目的のポイントへの交換にかかる期間を見据えながら旅行の計画を立てる必要がある。

 またポイントサイトで貯まったポイントを交換する「提携先」にも違いがある。集約しているポイントに交換ができるかどうか、チェックしておくと安心だ。中には電子マネーや現金に交換できるサイトもあるので、現地での食事や買い物に使いたい人は要チェックだ。

◆わが家のポイント旅行(北海道)のケース

 数年前、筆者がポイントだけで北海道旅行に行った際の内訳を紹介する。当時2人の子どもは飛行機の座席が不要で費用がかからなかったため、大人2人分の交通費と宿泊費となる。

<交通費>
 旅行を計画する際に、ポイントサイトで35,000ポイント程度が貯まっていた。家計の見直しや投資のために銀行口座や証券口座の開設、クレジットカードの発行など、ポイントサイトを通しておこなっていたからだ。

 当時、マイルへの変更率は約80%。35,000ポイントが28,000マイルになる計算だ。そこで行き先やシーズンを検討。マイル数が少なく行ける「ローシーズン」の北海道に決定した。現在のANAのマイルを参考にすると、大人1人分の片道が6,000マイルのため、2人分で24,000マイルあれば行ける。

<宿泊>
 楽天ポイントの活用が多かったわが家は、楽天トラベルを活用している。当時楽天モバイルに変更したタイミングだったため、キャンペーンで数万ポイントが付与。日常的に貯まったポイントと合算して宿泊費の支払いに充てた。

 この旅行は、ポイントサイトとの併用によって選択肢が広がった。今後は子どもにも費用がかかるため、工夫してポイントを貯めていきたい。

◆物価高でも家族旅行は諦めない

 旅行を通してさまざまな学習や経験を積むことを「旅育」というほど、旅行は人生に影響を与えるイベントである。生活費が高騰しても、家族の思い出や経験のために旅行を諦めたくないのが本音だろう。

 節約や貯金など手段は多数あるが、ポイントも工夫しだいで旅行の足しになる。

 この夏だけでなく秋の連休や冬休みなど、少し先の家族旅行のために、ポイントの活用法を見直してみてはどうだろうか。

<取材・文/新田ミキ>

【新田ミキ】
フリーライター。1987年、埼玉県生まれ。山梨在住2児の母。子どもが小学生に上がるタイミングで正社員からフリーランスに転身。X(旧Twitter:@mikifreeeee)ではフリーランスママのありのままを発信中。2023年に“小1の壁”をテーマにした電子書籍『小1の壁×在宅ワーク』を出版。

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