中小企業が「賃上げできない」理由 3位「雇用維持の優先」、2位「景気低迷」、1位は?

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2024年06月24日 06:10  ITmedia ビジネスオンライン

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中小企業の半数以上が賃上げを実施した

 中小企業の経営者973人に聞いた「賃上げに関する実態調査」で、半数以上の企業が賃上げを実施する一方、38.7%の企業が「賃上げ予定がない」と回答した。賃上げをしない理由は「業績低迷」(36.6%)、「景気低迷」(26.8%)、「雇用維持の優先」(26.0%)と続いている。中小企業のDX・GX(グリーントランスフォーメーション)の実態調査を手掛けるフォーバル GDXリサーチ研究所(東京都渋谷区)の調査で分かった。


【画像】中小企業の賃上げに関する実態調査


●中小企業と大企業 賃上げ率の違いは?


 2023年1月以降に「賃上げを実施した」と回答した経営者は52.3%、今後の賃上げの予定について「ある」と回答した経営者は61.3%いた。賃金上昇を見込む中小企業の割合は、2018年以降で最も高い結果に。


 「今後賃上げを行う予定がある」と回答した経営者に「賃上げ率」について尋ねた。最も多かったのは「1〜3%」(38.3%)で、「3〜5%」(34.7%)、「5〜10%」(16.4%)と続いた。日本労働組合総連合会が調査した平均賃上げ率5.25%と比べると、賃上げ率が低い水準の中小企業が多いことが分かった。


 長年のデフレ脱却に向け、大企業を中心に賃上げの動向に注目が集まっている。中小企業の賃上げは人材確保や人材定着のための「防衛的な賃上げ」が多いようだ。中小企業では業績改善ができず、賃上げにつながっていない可能性も見受けられる。賃上げできない中小企業には、足元の経営の安定が必要だと分かる結果となった。


 調査はインターネットで実施した。調査期間は2023年12月11日〜2024年2月18日。


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