ベストバイは7,700円「晴雨兼用傘」モノ選びのプロが“本当に勧める2本”と“買わない1本”

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2024年06月24日 16:31  日刊SPA!

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日傘としても使える「晴雨兼用傘」を比較します
『月刊MONOQLO』編集長の建部博と申します。
「誰なんだお前は」という声もあろうかと思いますので、まずはMONOQLOがどんな雑誌かご説明します。2009年創刊のいわゆるモノ雑誌なのですが、最大の特徴は「メーカーやサービスに忖度することなく、それらの良い点・悪い点を正直に読者に伝える」こと。

他社のモノ雑誌やWEBメディアの中には、ろくに製品に触らずに、メーカーのリリースをもとに「この製品おすすめなんです!」なんて無責任な記事を量産するところもあります。消費者にとってそれはあまりに無責任……(読み手はそれがリリース記事なのか、実際の評価なのか、読み解きづらいですもんね)。

本記事ではそんな雑誌を作っている私が、消費者の買い物や暮らしにおける正しい選択の一助として、正直なレビューを紹介していきます。今回のテーマは『買って良い・ダメな晴雨兼用傘』です。今年は酷暑との予測もなされていますので、是非ともご参考ください。

◆こんなテストを行いました

「晴雨兼用傘ってなに?」と思う方もいるでしょう。読んで字のごとくなのですが、日傘として使えるだけでなく、突然の雨にも対応できる傘のことです。

昨今では男性の日傘姿もよく目にするようになりました。本誌MONOQLOでも毎年テストしているテーマで、読者人気も上々。たしかに折りたたみ式の晴雨兼用傘なら、カバンに入れておけばいかなるときも使えるので、つい買ってみようと思いますもんね。

我々は今回のテストを通じて、優秀な晴雨兼用傘の定義を「傘自体のつくりが精巧で、紫外線を一定量カットし、撥水・防水・水ハネに強い」と設定しました。

有名メーカー品を中心に20品集めてテストした結果、おすすめできる2本、残念ながらおすすめできない1本を発見。さっそくご紹介してまいります。

【製品のつくり】傘のプロとともに、骨のつくりや縫製を評価
【使用感】プロと複数のモニターが実使用。たたみやすさや持ちやすさをはじめとした使い勝手を総合的に評価
【撥水力・防水性・水ハネ】「人工気象室」内で雨を降らせ、一定時間傘をさしたのちに「生地の水のはじき具合」「肩や足の濡れ具合」「生地裏の濡れ具合」を評価
【UV】UVラベルを傘に貼り、一定時間、晴天時の屋外で傘をさした後に紫外線カット率を測定、評価

◆買ってイイ!【ムーンバット urawaza】

文句なしにおすすめ認定できたのが、ムーンバット「urawaza」(7,700円)。

最大の要因は、そのたたみやすさです。生地の裏側に貼られた樹脂シートの働きにより、たたむ際に生地にシワがよりにくく、キレイにまとまって折りたたみやすい。一度試してみるとそのストレスフリー具合に驚くと思います。

また、収納袋は長めのスリット入りのため、スピーディーかつスムーズに袋に収納できます。上述した樹脂シートの影響でたたんだ状態だとやや太めなのが玉に瑕ですが、とにかく考えられた使い勝手の良さには目を見張るものがあります。

傘をさしていても肩や背中、足が濡れやすかったら元も子もありません。今回のテストでは相対的に水ハネはしにくい傘だと判明しました。

さらには雨だけでなく紫外線にも強く、カット率は9割超え。まさに今買うべき、最強の晴雨兼用折りたたみ傘といえます。

【MONOQLO評価】
つくり:花丸
使用感:花丸
撥水力:○
防水性:◎
水ハネ:◎
UV:花丸

◆買ってイイ!【Wpc. IZA Type:Automatic & Safe】

ムーンバットと並んで心の底からおすすめできるのが、Wpc.の「IZA Type:Automatic & Safe」(4,180円)です。上の評価をみていただければわかるとおり、違いは水ハネが少しだけムーンバットに劣るという点。

逆に撥水力はムーンバットを上回っています。テストでは、生地にかかった雨粒が、まるで弾力のある玉のようにころころと弾かれていきました。傘をとじて少し振るだけで、わずかに残った水滴はさっぱりなくなります。手を濡らすことなく快適にたためて、使い勝手も良好です。

紫外線カット率は約87%と、これも非常に優秀な成績。おまけに生地はシワになりにくく、収納袋にはサイドファスナー付き。折りたたんでしまうのも楽です。

ムーンバットとどちらを選ぶかは甲乙つけがたいですが、価格で選ぶもよし、またどちらの商品もカラバリが存在するのでそこでジャッジするのもよいでしょう。

いずれにしても、これまでの傘2本は初めて日傘を使うという人にもおすすめできる逸品といえます。

【MONOQLO評価】
つくり:花丸
使用感:花丸
撥水力:花丸
防水性:◎
水ハネ:○
UV:◎

◆買うのはちょい待ち【丸十コーポレーション OUTDOOR PRODUCTS 晴雨兼用折傘】

丸十コーポレーション「OUTDOOR PRODUCTS 晴雨兼用折傘(58cm)」(2,530円)は、傘を開いた時の直径が約106cmと大きく、水ハネのテストでは高評価。

ただし撥水力や防水性については残念ながらふるわず。肩や足に水が明らかにはねてしまいました。

実勢価格は2,530円と、上位二つと比べると非常に安いです。OUTDOORブランドを好きな方にはその点でアリと言えますが、MONOQLOの評価は残念ながら「あと2000円程度プラスして、Wpc.を選ぶほうがよい」となりました。

【MONOQLO評価】
つくり:○
使用感:△
撥水力:△
防水性:△
水ハネ:◎
UV:花丸

=====

以上、本誌のガチテストで導き出した、晴雨兼用傘の正直評価でした。

それではまた次回!

<文/建部 博>

【建部 博】
『月間MONOQLO』編集長。年間3000以上もの製品やサービスを自分たちで比較・テストし、本当に買って良いモノや使っていいサービス、そして「正直、あまりおすすめできない」モノも紹介している。本誌や兄弟誌の記事をまとめたWEBサイト「360LiFE」も運営。

このニュースに関するつぶやき

  • 最近の折たたみ傘の折目、機械でギューーっと巻いてるんやろね、普通に巻こうとするとなかなか上手くいかない。昔のは今でも簡単に巻けるから、結局新しいの買わない。
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