【バレー】パリ五輪で金メダル獲得に挑む男子12人決定 ブラン監督が丁寧に説明した選考理由は…

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2024年06月25日 04:45  日刊スポーツ

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フィリップ・ブラン監督(2023年10月8日撮影)

パリ五輪で、ミュンヘン大会以来52年ぶりの金メダル獲得に挑む12人の男たちが決まった。


バレーボール男子日本代表のフィリップ・ブラン監督(64)が24日、オンラインで会見し、五輪代表選手12人とリザーブ選手1人を発表。主将で絶対エースの石川祐希(28)を筆頭に、高橋藍(22)西田有志(24)らが名を連ねた。この日までに終了したネーションズリーグ(VNL)予選ラウンド(R)の結果から、世界ランキングは史上最高の2位に浮上。五輪で上位国との対戦がない第1ポットに入ることが確定した1次リーグ抽選会は26日(日本時間27日)にポーランド・ウッジで行われる。最強の12人が、花の都パリで頂きに登る。


   ◇  ◇  ◇


VNL予選R最終週を戦ったフィリピン・マニラからのオンライン会見。ブラン監督は、まず「全員が重要な選手で、五輪でも活躍できる。(VNLメンバー)14人を連れて行くことが理想だがルール上、仕方ない」と、選手へのリスペクトを示した。そしてセッターから順に、リザーブまで13人の名前を読み上げた。今年3月に発表された代表登録メンバー32人から絞り込んだ精鋭たち。発表を終えると一呼吸置き、選考理由を丁寧に説明した。


◆アウトサイドヒッター 石川、高橋藍の両軸とともに若手の大塚、甲斐が選ばれ、富田はリザーブに回った。主軸2人を「どのように補完していくか」を基に考えての判断だった。甲斐はブロックやサーブの成長とともに「勝つために五輪に行く。子供はいらない」と仲間との関係強化を促していたことを明かし「それに応えてくれた」と評価。もう1人は「富田と長い間決められずにいたが、最終的にオフェンス面で秀でた大塚を選んだ」とした。


◆リベロ 山本、小川智大という「世界一のリベロが2人いる。感情的にとても厳しいものがあった」と明かしたほどのポジション。機会を均等に与えたVNLでのプレーから、山本を選んだ。技術、精神面ともに「小さな差」としたが、海外勢の強烈なスパイクに対応できるレシーブ力と戦術理解の力から決断した。


◆リザーブ OH富田を選んだのは、MB陣3人の安定感に加えて甲斐の存在もあった。「甲斐は大学でMBも経験していて(万が一の場合も)対応できる」。また膝の故障歴がある高橋健の「再発させないためにあらゆる努力をしなさいと言ってきて、それに応えている」点も判断材料となった。


選んだ12人の侍と挑むパリ。指揮官はあえて「最大の目標は、選手全員が良いフィジカルコンディションで臨めること」と五輪に向けた備えに焦点を置き、言った。「我々は歴史をつくる」。ミュンヘン大会での金以来、52年ぶりのメダル獲得という新たなページを刻む戦い。石川はこの日、「金メダルを取ることが最大の目標」とメンバーの思いを代弁するかのように、明確にメダルの色を見定めた。パリ五輪まで残り約1カ月。12人の男たちが、頂きに立つべく花の都に乗り込む。【竹本穂乃加】


◆パリ五輪展望 メダル争いは混戦。ポーランド、イタリア、米国、スロベニア、ブラジル、そして日本がその軸となる。昨年3位となったVNL、パリ切符を獲得したW杯バレーからも着実に進化。ブラン監督のもと、粘り強い守備と多彩な攻撃で表彰台、そして金メダルも狙えるポジションにいる。

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