来年が“黄金世代”の可能性? 2歳戦好調の種牡馬「キタサンブラック」

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2024年06月25日 08:00  netkeiba

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新馬戦で勝利したキタサンブラック産駒クロワデュノール(撮影:下野雄規)
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬

【フォーティナイナー】

 米2歳牡馬チャンピオン。引退までに4つの米G1を含めて重賞を7勝しました。ケンタッキーダービーはクビ差2着でしたが、大外枠の不利を克服してのものだけに価値があります。競走成績の優秀さはもちろんですが、わずか1年半の競走生活で19戦を消化した頑健さもセールスポイントです。そうした体質面の強さが関係しているのかどうか、35歳まで生きた長寿馬でもありました。

 大種牡馬ミスタープロスペクターの息子で、アメリカで6年、日本で12年供用され、パワー型のスピードを武器に、日本ではマイネルセレクト、ユートピア、クーリンガーなど多くの活躍馬が誕生しました。

 サイアーラインは、米チャンピオンサイアーのディストーテッドヒューマー、日本に輸入されたエンドスウィープを通じて発展したものの、最近は他の主要なミスタープロスペクター系のラインに比べると勢いが鈍っている印象です。

 今年の宝塚記念は、1着ブローザホーンと4着プラダリアにフォーティナイナーの血が含まれていました。パワーの源泉です。

◆血統に関する疑問にズバリ回答!

「今年のキタサンブラックの2歳は当たり年ですか?」

 6月9日の東京新馬戦(芝1800m)をクロワデュノールが出色の好内容で勝ち上がり、6月22日の東京新馬戦(芝1400m)ではサトノカルナバルが7馬身差で圧勝しました。

 先週終了時点のJRA2歳戦は、キズナ、ナダル、モーリスが3勝を挙げ、2勝のキタサンブラック、リオンディーズ、バゴ、キングマンはそれを追っています。

 キタサンブラックの初年度、2年目の血統登録頭数は83、81頭でしたが、3年目の現3歳は54頭と少なく、世代別のJRA種牡馬ランキングでは23位と低迷しています。4年目の現2歳は70頭と回復傾向にあるものの、1、2年目には及びません。初年度産駒が走り始める前に種付けをした最後の世代ですから、繁殖牝馬の質・量とも十分とはいえないレベルです。そんな状況でこれだけの馬が出てくるのですから今後が楽しみです。POGで人気となったダノンシーマ(母インクルードベティ)などまだまだ大物候補が控えています。

 ちなみに、来年デビューするひとつ下の世代は、血統登録頭数が133頭と一気に増えるので、黄金世代となる可能性が高いでしょう。

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