EURO2024・グループD第3節が25日に行われ、フランス代表とポーランド代表が対戦した。
オーストリア代表との初戦を制したフランス代表は、前節のオランダ代表戦をスコアレスドローで終えたことにより無敗を維持。今節は引き分け以上でグループステージ突破が決まる重要な一戦となっている。“レ・ブルー”を率いるディディエ・デシャン監督は、FWキリアン・エンバペを先発に起用。第1節の終盤に鼻骨を骨折した同選手は、オランダ代表戦をベンチから見守ったものの、早くもこの試合で復帰を迎えることになった。対するポーランド代表は、すでに2敗を喫したことでグループステージ敗退が確定。今大会初勝利を収めて意地を見せつけたいところだ。
試合は、11分にフランス代表が決定機を作り出す。華麗なパスワークでポーランド代表を翻弄し、左サイドから中盤を経由して右サイドのウスマン・デンベレに展開。ファーストタッチでDFを縦に突破し、ボックス内まで運びながらゴール前にグランダーのクロスを蹴り入れる。飛び込んできたブラッドリー・バルコラには合わなかったものの、大外から駆け上がってきたテオ・エルナンデスが反応。左足でシュートを放つが、GKウカシュ・スコルプスキに防がれたボールは左ポストに直撃した。
勢いに乗るフランス代表は、19分に自陣でボールを奪った流れからカウンターを仕掛ける。バルコラがカットしたこぼれ球をエンゴロ・カンテが回収し、そのまま長い距離をドリブルで持ち運ぶ。ペナルティエリア手前で右サイドをスプリントしてきたデンベレに繋ぐと、角度の少ない位置から右足でシュート。だが、抜群のタイミングで飛び出してきたGKスコルプスキに体でブロックされ、大きなチャンスを逃してしまった。
34分には、ポーランド代表がビッグチャンスを迎える。左サイドのライン際でボールを受けたニコラ・ザレフスキがワンタッチで縦に流すと、内側のスペースを駆け上がってきたピオトル・ジエリンスキがダイレクトでクロスを供給。ゴール前でフリーになっていたロベルト・レヴァンドフスキがヘディングで合わせたものの、叩きつけたボールは枠の左に外れた。
前半終了間際の42分と45分には、エンバペが持ち前のスピードを生かして連続で決定機を迎えたものの、ポーランド代表のGKスコルプスキが立て続けにビッグセーブを披露。スコアレスのまま勝負はハーフタイムに突入した。
すると、55分にアドリアン・ラビオが右サイドに張っていたデンベレへとパス。ハーフライン付近からドリブルで運び、ボックス角に近づいたタイミングでスピードをアップする。縦に突破を試みたデンベレに対し、対応したヤクブ・キヴィオルが痛恨のPKを献上。これをエンバペが確実に決め切り、ついにフランス代表が先制に成功した。
しかし、一方のポーランド代表も74分にカロル・シフィデルスキがボックス内でダヨ・ウパメカノと交錯。一度はプレーが続行されたものの、VARの介入によりPKが与えられた。キッカーを務めるのはレヴァンドフスキ。タイミングを外して放ったシュートはGKに弾かれたが、キックの直前にマイク・メニャンが飛び出していたと判断され、PKはやり直しに。2度目のキックを落ち着いて沈め、ポーランド代表が同点に追いついた。
以降も互いにゴールへと迫り続けたが、最後まで得点は生まれず試合は終了。フランス代表は引き分けに終わったことで首位浮上を逃し、オーストリア代表に次ぐ2位でグループステージ突破を決めた。
【スコア】
フランス代表 1−1 ポーランド代表
【得点者】
1−0 56分 キリアン・エンバペ(PK/フランス代表)
1−1 79分 ロベルト・レヴァンドフスキ(PK/ポーランド代表)
【スターティングメンバー】
フランス代表(4−3−3)
GK:メニャン
DF:クンデ、ウパメカノ、サリバ、T・エルナンデス
MF:カンテ(61分 グリーズマン)、チュアメニ(81分 フォファナ)、ラビオ(61分 カマヴィンガ)
FW:デンベレ(86分 コロ・ムアニ)、エンバペ、バルコラ(61分 ジルー)
ポーランド代表(3−5−2)
GK:スコルプスキ
DF:ベドナレク、ダヴィドヴィチ、キヴィオル
MF:フランコフスキ、シマンスキ(68分 シフィデルスキ)、モデル、ジエリンスキ、ザレフスキ(68分 スコラシュ)
FW:ウルバンスキ、レヴァンドフスキ