マダニ対策としてアウトドアで話題の虫除け…今、増えているトコジラミにも役立つ!? 虫対策を製薬会社に聞いた

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2024年06月26日 08:00  まいどなニュース

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草むらなどに潜んでいるマダニに刺されると、このように刺された部位に赤みが出ることや発熱する場合もあるそう ※画像はイメージです(stock.adobe.com/androsov858)

「マダニに咬まれてしまった…発熱しないことを祈るしかない」

【写真】吸血後のマダニ

「虫に刺されたあと高熱を出してダウン。周囲の『もしかしてマダニでは?すぐ病院へ!』というアドバイスから受診すると、やはりマダニが原因だった。本当にマダニに刺されて発熱するのね……」

「マダニに噛まれました!キャンプから帰って右大腿部にイボのようなものを発見!イボだと思って放置していた。今朝になって無くなってた。その時初めて『マダニだ!』と気づき寝床付近を検索、いました。野営でなくキャンプ場でもいます。病院行ったら、2・3週間は発熱等に要注意とのこと!!」

海に山へとアウトドアレジャーが楽しい季節が到来ですが、最近SNSではこのような投稿を見かけるようになりました。ここ近年、ニュースやSNSへの投稿で、その存在が話題となったマダニ。野山はもちろん、キャンプ、草むしりなどでも刺されることがあるそう。刺されると「日本紅斑熱」や「ライム病」、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」などの感染症にかかる危険性もあり、注意しなくてはなりません。

そして、最近注目されたSNSへの投稿。

「マダニ対策で山に行くときは必携だった高ディートの虫よけが、トコジラミ対策で大都会のど真ん中で使われてる!」

話題のマダニ対策に有効と言われている虫よけ剤が、なんと世界的に発生し、恐れられているトコジラミの対策にも効果があるといいます。こちらは刺されれば強烈なかゆみに襲われ、自宅に持ち帰れば業者に駆除してもらう必要があるほど厄介な害虫。昨年(2023年)から何度も注意喚起されています。

虫よけ剤が本当にトコジラミにも効果があるのか? 使用方法はもちろん、気になる虫さされ対策についてアース製薬のご担当者にお話を伺いました。

有効成分ディートが高濃度配合

ーー先日、X(旧Twitter)上で『医薬品 サラテクトミスト リッチリッチ30』が、マダニはもちろんトコジラミ対策としても使えると話題となりましたが、本当でしょうか? 

「はい、本当です。ただし、サラテクトシリーズの医薬品か防除用医薬部外品である製品(肌用)は、どれもトコジラミを忌避します。

『医薬品 サラテクトミスト リッチリッチ30』は、有効成分のディートを最高濃度30%配合(※1)。蚊、ブユ(ブヨ)といったどこにでもいる虫はもちろん、ご指摘のマダニやトコジラミ以外にも、アブ、ノミ、イエダニ、サシバエを忌避するだけではなく、ツツガムシの対策もできます」

(※1)2018年11月時点、発売中の『サラテクト』シリーズで比較

最悪、死に至ることも!恐ろしい虫さされ

ーーツツガムシってあまり聞きませんが、厄介な虫なんですか?

「ツツガムシとはダニの一種で、約0.2mmとほとんど肉眼では見えない大きさです。北海道や沖縄など一部の地域を除いて全国、野山や河川などに生息しています。このツツガムシに刺されると、『ツツガムシ病』を発症することも。ツツガムシが幼虫の時期である春から初夏、秋から冬にかけてが注意時期です。

『つつが虫病リケッチア』という病原体を保有するツツガムシに刺されることで感染するのがツツガムシ病で、罹患すると食欲不振や発熱など風邪のような症状が出ます。また、刺し口が腫れ、発疹が顔や胴体に現れるので、症状が出た場合は、早期に医師の診察を受けてください。

重症になると肺炎や脳炎症状を引き起こし、最悪の場合は死にいたることがあるので、マダニと同様に気をつけてもらいたいですね。ちなみに実は『サラテクト』もいろいろな種類がありますが、ツツガムシへの忌避効果があるのは『医薬品 サラテクトミスト リッチリッチ30』です。ツツガムシに対しては、使用方法が通常と異なるため、正しく使用し、山や川でのレジャーを楽しんでください」

ーー「有効成分ディート配合」というのがポイントのようですが、ディートって何でしょうか?

「ディートというのは、忌避効果のある成分の一つで、蚊などの触角に作用する虫よけの有効成分です。1回の使用で長時間効果を保つことから、世界的に最も多く使用されており、日本では約60年以上使用されてきました。ディートを使用した当社の『サラテクト』シリーズは、前述の虫だけでなくヤマビルなど多くの害虫などに忌避効果を発揮することから、普段の虫よけから山登りやキャンプなど様々なシーンで利用していただけます」

ーーマダニやトコジラミ、ツツガムシはこうした虫よけ剤を使いつつ、他にはどういうことをすれば忌避対策になりますか?

「マダニが生息していそうな草むら近くの屋外作業やレジャーでは、⻑袖・⻑ズボンを着⽤、⾸にはスカーフやタオルなどを巻き、肌をなるべく露出しないようにしてください。⾍よけ剤はパッケージの裏⾯に記載されている適⽤害⾍に、マダニやトコジラミ、ツツガムシが記載されているかを確認して使⽤してください。

ちなみにトコジラミは、気温25℃くらいを好み、春から夏にかけて活動のピークを迎えます。赤褐色をした成虫は体長5〜8mm程度で肉眼でも確認できますが、乳白色で1mm程度の視認しにくい幼虫も人を刺すことがあるため注意が必要です」

虫よけ剤は塗り方がポイント。塗りムラは要注意!

ーーこれだけ忌避効果が高いと、子どもに使って良いか少し心配になります。実際カナダではディート成分が入った虫よけの子どもへの使用について、厳しい規制が設けられていると聞きましたが、どうでしょうか?

「日本では、防除用医薬部外品のサラテクトであれば、お子さまは、生後6カ月以上からお使いいただけます。⾍よけ剤を使⽤する際は塗り⽅がポイントです。虫よけ剤を塗布した後に、肌に塗りムラができないようにしっかりと塗り広げてください。塗りムラがあると刺されてしまいますので、塗り方はとても重要です。また虫よけ剤は、スプレータイプ以外ではティッシュタイプやジェルタイプなど、お客様の使用用途に合わせてご準備しております。

防除用医薬部外品の『サラテクト』シリーズ
・12歳以上:使用回数制限なし(適宜使用すること)
・2歳以上12歳未満:1日1〜3回
・生後6カ月以上2歳未満:1日1回
・生後6カ月未満:使用しないこと

『医薬品 サラテクトミスト リッチリッチ30』
・12歳以上:1回の使用で概ね5〜8時間持続
(経過時間や発汗の状況に合わせて適宜、再度使用すること)
・12歳未満:使用しないこと
(本品はディート濃度が高いため、ディート濃度12%以下の製品を使用すること)

ーー虫よけ剤は塗り方が重要なのですね。その他にもおすすめはありますか?

「屋外のマダニを駆除したい場合は、エアゾールタイプの『ヤブ蚊マダニジェット 屋外用』(防除用医薬部外品)を、マダニが潜んでいそうな場所(草むら、庭木周り、地面等)に約1mの距離から1mあたり約1秒噴射してください。また、見かけたマダニに対しては約1秒直接噴射します。

家の中でトコジラミを駆除したい場合は、『ゼロノナイトG ゴキブリ・トコジラミ用』がおすすめです。トコジラミは近年、ほとんどがピレスロイド系の駆除成分に耐性を持っており、駆除が難しいため、新規有効成分テネベナール(一般名:ブロフラニリド)を配合したこの製品をお使いください。1回の処理で、部屋中のトコジラミやゴキブリをまるごと駆除するだけでなく、光や熱に強く、長期間効果が持続(※2)します」

(※2)使用環境により異なります

屋外レジャーが楽しい季節ですが、思い切り楽しむために虫よけ対策も忘れずに。「ちょっと虫に刺されただけ」だとしても、少し異変を感じたらすぐに医療機関で受診を。最近の虫は進化していて、薬剤に耐性があるものもいるらしいので、私たちも情報をアップデートして対策するのが良さそうです。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・東寺 月子)

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