【漫画】もし“性欲を消すカメラ”が存在したら? 人の本質を写し出す漫画『幻滅カメラ』がエグい

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2024年06月26日 08:10  リアルサウンド

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『幻滅カメラ』より (C)鳥トマト/KADOKAWA

 恋は盲目。熱中している時は相手の悪い部分もよく見えてしまうのが人である。そんな恋愛フィルタや性欲を消す装置を題材にした漫画『幻滅カメラ』は、露悪的なユーモアが特徴の注目作だ。


(参考:漫画『幻滅カメラ』を読む


 作者の鳥トマトさん(@tori_the_tomato)は本作の執筆時に、同時並行で短編集『アッコちゃんは世界一』の編集、『俺のリスク』原作ネーム、さらには楽曲配信にまで取り組む鬼才。その多様なアイデアはどこから湧いてくるのか、本人に話を聞いた。(小池直也)


――Xで試し読みを投稿されていましたが、反響はいかがでしたか?


鳥トマト(以下、鳥):露悪的な本作と同時に、泣ける漫画『アッコちゃんは世界一』の試し読みもXで多く読んでいただけて嬉しかったです。後者は「フェミニズムの旗手」的な感想が多かったんですよ。個人的にはフェミニズムだけをやりたいわけではなく、シンプルに色々な考えを漫画で表現したいと思っていました。


――「性欲を消すカメラ」の着想は?


鳥:もともと自分自身に性欲があまりないんですね。だから普通の人は恋愛すると、相手の全部がよく見えることに最近やっと気付いたんです(笑)。好きなアイドルとかにも「こんなに可愛いんだから心もきれいに違いない」と考えている人が多いじゃないですか。


 逆に僕は見た目と内面を分けて考えるタイプ。そんな自分を理解してもらう方法を考えて、浮かんだのが性欲を消すカメラでした。これがあれば思考にどれだけフィルタがあったか、クリアになるんじゃないかなと。


――カメラである必然性はありました? 例えば薬でもよかったのでは。


鳥:僕にとってカメラマンは不思議な存在なんです。僕は絵で描くことが好きなので絵で描くこと自体に楽しみがあるんですけど、カメラマンは何を楽しみに撮るのかと不思議で。それを考えた結果「彼らは人間が好きなんだ」と思い至りました。だからカメラマンを主人公にしたら、きっと人と関わろうとする物語が描けると直感したんです。


――ご自身の絵柄はどのようにして形成されていったのでしょう。


鳥:美大や専門学校などで学んだことは一度もありません。それに自分の絵が上手いとも思ってないです。でも漫画って写実的に描くだけではダメだなと感じるんですよ。『ちびまる子ちゃん』だってリアルな絵ではないけど面白いじゃないですか。


 「点が3つあれば顔だと認識できる」と言われます。それは現実と人間が実際に認知することとの乖離を意味していると思うんですね。僕は人間が“見ている”ものに近い絵を描きたいんです。その方が読んでいてストレスがないはずなので。


――物語作りで意識していることは?


鳥:「ちょっといい話で泣かせよう」などの下心は読者にバレます。そういうテクニックで描ける漫画家さんもいると思いますが、僕には無理でした。なので自分が真実だと感じるストーリーを作ることは意識しています。


あとは漫画って作者の人間性が表れるので、自分自身が面白い人間でいる必要がありますね。最近、音楽配信もやっている理由もそう。面白い自分を日々見つけられるように頑張りたいです。


――影響を受けた漫画家がいたら教えてください。


鳥:手塚治虫先生は好きですね。彼の作品が学校の図書館に置いてあったんですよ。学校で合法的に読める漫画はそれしかなかったのもあり、全部読みました。特にデフォルメされつつ、グロい描写を描けるのはすごい。僕もあんな絵を描けるようになりたいです。


――今後の展望などがあればお願いします。


鳥:「徒然草」で有名な兼好法師は当初、随筆ではなく和歌で有名になりたかったそうです。だから何が人に刺さるかは誰にもわかりません。自分がいいと思ったことにチャレンジし続けて、自分に合った表現方法が見つかれば。


 秋くらいにまた新しい連載も始まる予定なので、そちらもチェックしてもらえたら嬉しいです。あと描いてほしい漫画があれば、ぜひXで教えてください。常にエゴサーチしているので(笑)。


(小池直也)


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