「オルビス」が見据える今後のビジョンとは? 小林琢磨代表取締役社長「生活者に貢献するブランドとして、“素肌ウェルネス”を実現していくブランドになる」

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2024年06月26日 19:50  TOKYO FM +

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「オルビス」が見据える今後のビジョンとは? 小林琢磨代表取締役社長「生活者に貢献するブランドとして、“素肌ウェルネス”を実現していくブランドになる」
笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00〜20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。6月22日(土)の放送は、前回に引き続き、オルビス株式会社 代表取締役社長の小林琢磨(こばやし・たくま)さんをゲストに迎え、お届けしました。


(左から)小林琢磨さん、笹川友里



小林さんは、2002年に株式会社ポーラ化粧品本舗(現:株式会社ポーラ)入社。2009年にグループの社内ベンチャーブランドとして立ち上げたディセンシア取締役、2010年に代表取締役社長に就任。2017年にオルビスマーケティング担当取締役に就任し、2018年より現職に就いています。

◆物流センターDX改革に注力

小林さんは、オルビスのリブランディングのため、コーポレートロゴをはじめ約6年間に渡って構造改革を進めてきましたが、物流センターの“DX(デジタルトランスフォーメーション)改革”もその主だった1つだと言います。

「現在、国内にはオルビス東日本流通センター(埼玉県加須市)とオルビス西日本流通センター(兵庫県西宮市)の2つの物流センターが稼働していますが、DXで非常に大きな改革をしたのがメインのオルビス東日本流通センターです。2020年8月に330台の小型AGV(無人搬送ロボット)を導入することで物流センターの7割近くを自動化させていきました」と小林さん。

これまでは出荷作業の工程において、人の力に頼る部分もまだまだ多かったのですが、このシステムの導入によって、作業工程の大部分を自動化させることに成功し、作業の軽減かつ効率化を実現しました。そもそも、2018年頃から同システムの構想を考えていたそうで、「当時から物流クライシス(人手不足などで物流サービスを提供するのが困難になる状況)という問題があって、そこに対して早く手を打っておかなければと思ったんです」と説明。

そして「我々みたいな一連のバリューチェーン(価値連鎖)を持つブランドは、どんなにいい商品、いい広告をつくっても、商品がお客さまに届かなければ何もないのと同じ。ですので“お客さまに届ける物流”の部分をサステナブル(持続可能)にしておくのは、バリューチェーンをサステナブルすることとイコールになります。そこで投資をすることを決めました」と語ります。

また、DXを推進することは、あくまでも手段であって、目的は“お客さまに顧客価値を創出するためにやっていること”とし、「それを社内に理解・浸透させていくことがとても大事です」と力を込めます。

◆オルビスが見据えるビジョン

そんな小林さんは「“お客さまに価値を創出する”ということが、我々のようなビューティー系など、消費財を扱っているメーカーの使命」との思いから、ファンミーティングなどの顧客参加型イベントを実施。そこに小林さん自らがZoomで参加するなど、お客さんと直接話す機会を設けていると言い、「リアルなコミュニケーションにデジタルを介すと、逆に緊張感がなく垣根を越えて話せる部分もあるので、すごくいい取り組みになっていると思います」と胸を張ります。

これに笹川が「“ブランドのファン”を増やしていくことは、かなりコアに取り組まれていることの1つなのですね」と感服すると、小林さんは続けて「経営のリソースの境目って、もうなくなっていると思うんですね。例えば、個人の方がお客さまでもあり、株主でもあり、もしかしたら、何かお仕事を手伝ってもらうかもしれない時代じゃないですか。つまり“ステークホルダー(利害関係者)はすべて経営のリソースである”という考え方にシフトしていかなきゃいけない。なので“社長として”ではなく、ブランド人格として、また僕個人として、よりお客さまと(接点を持つ)ことがすごく重要だと思います」と持論を展開します。

そして最後に、オルビスの今後のビジョンについて伺うと「“生活者に貢献していく”ということは創業のときから一切変わっていません。“素肌ウェルネス”という言い方をしているんですけど、単純に肌だけの話ではなくて、人がその人らしく、自分の気持ちや自己肯定感みたいなものも含めて、その人の“素”でウェルネスを感じられると言いますか。自己肯定感が高くて、人を受容できることが多様性の本質だと考えているので、そこと向き合うために、どういうふうにお客さまのブランド体験を通じて貢献をしていけるか(を考えていきたい)」と言及。

さらに、現在の課題として“グローバル”を挙げ、「ブランドとプロダクトに対しては自信があるので、それをグローバルでお届けしていくことを今後しっかりやっていきたい。特に中国とASEAN(東南アジア諸国連合)は(オルビスと)親和性が非常に高いと思っていますので、まずはそこを中心に、よりシェアを高めていきたいと思っています」と近い将来の海外展開を語りました

次回6月29日(土)の放送は、旭化成株式会社 取締役 副社長執行役員 研究・開発、DX統括の久世和資(くせ・かずし)さんをゲストに迎えてお届けします。旭化成の歴史や多岐に渡る業務内容についてなど貴重な話が聴けるかも!?

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6月22日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年6月30日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00〜20:30
パーソナリティ:笹川友里

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