現行の10円玉が「97万円」「37万円」と続々大化け! “高額落札常連10円玉”の正体とは?

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2024年06月26日 21:50  All About

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2024年6月に開催された、銀座コインオークション『第118回 入札誌「銀座」』およびレトロコインオークションから、10円玉の落札結果を取り上げます。同じ年号の10円玉で、37万円や97万円で購入する人が現れたのです。
普段使う10円玉が「97万円」や「37万円」になった。そんなことがあるわけないと思われるかもしれません。

しかしながら、どちらも2024年6月に開催されたオークションで落札された金額であり、そしてどちらも昭和61年の10円玉なのです。なぜこのような高額となったのでしょうか。

実はこれらの10円玉は、“高額落札常連”の10円玉なのです。高額になる理由は、「昭和61年後期」の10円玉で、完全未使用または未使用レベルであるということ。

2022年7月のオークションでは、PCGS(MS65RD)という評価で手数料を含んで22万2000円でした。しかしながら、今回はその金額のさらに上をいく結果となっています。

昭和61年後期の10円玉は希少。「97万円」に化ける!

昭和61年の10円玉には前期と後期の2種類があります。このうち、後期は極めて珍しく、昭和62年の収集家用に特殊加工された10円玉と同じデザインになっています。

2024年6月8日に開催された銀座コインオークション『第118回 入札誌「銀座」』では、昭和61年後期10円玉のPCGS鑑定による「MS64RD」評価のものが出品され、手数料込みで37万2800円(落札価格は32万円)となりました。

64は未使用レベル、RDは95%以上元の赤色のままであることを意味します。

2022年7月に落札されたものは65RDのため、これよりも1ランク上のものになりますが、今回は1ランク下のものであるにもかかわらず、大きく価格上昇して落札されています。

オークション結果は欲しい人がいれば自ずと上昇するものです。やはり昭和61年後期の未使用レベルはマニアにとっては欲しくてたまらないものなのだと思います。

その後、6月15日にはレトロコインオークションが開催され、こちらでは完全未使用レベルの昭和61年後期10円玉「MS66RD」評価のものが出品され、手数料込みで97万6800円(落札価格は88万円)となりました。

ここまでくると一般の方には異常な世界に映るかもしれません。1ランク上になると一気に価格が上がるのがこの世界。特に枚数が少ないものは跳ね上がるのです。

PCGSの鑑定を見る限り、これより上位のものは3枚しかありません。仮に67RDのものが出現したらいったいどんな価格が付くのでしょうか?

現代の珍品コインは価格上昇傾向あり。希少なコインの特徴は?

このように、現代貨幣の中にもお宝は眠っており、希少性の高いコインは値上がり傾向にあります。

こうした完全未使用〜未使用レベルの10円玉は、50枚単位でまとまっているロールであれば可能性があります。

なかなか完全未使用は難しいかもしれませんが、既に出回っている10円玉の昭和61年を探せば後期の10円玉が見つかる可能性はあることでしょう。

昭和61年後期の10円玉の大きな特徴は、以下3点。

・裏面の絵柄、平等院鳳凰堂の翼廊(左右にある建物)の屋根の先端が前期は鈍角に対して後期は鋭角であること
・屋根の先端が前期は切れ目があるのに対して後期は鋭角で切れ目がないこと
・中央階段の縁が前期は縦線で分離されているのに対して後期はひとつなぎであること

使用感のあるものでも数万円程度に化ける可能性があります。気になる人は、探してみてはいかがでしょうか。

<参考>
・第118回入札誌「銀座」Lot番号:447 10円青銅貨 昭和61年 後期PCGS(MS64RD)(銀座コインオークション)
・レトロコインオークションVol.11 LOT143 日本 現行貨幣 10円青銅貨 昭和61年後期  MS66RD(4/8319)

伊藤 亮太プロフィール

慶應義塾大学大学院商学研究科修了。一般社団法人資産運用総合研究所代表理事。ファイナンシャルプランナーとして、家計・保険等の相談、執筆、講演、大学講師を主軸に活動。大学院時代の専門は社会保障で、経済・金融に関する解説も得意。コイン収集マニアの一面も。
(文:伊藤 亮太(株式・ファイナンシャルプランナーガイド))

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