現場跡地に献花台初設置=地元2町会「怖さ今も」―松本サリン30年・長野

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2024年06月27日 07:32  時事通信社

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時事通信社

松本サリン事件後、初めて町会が設置した献花台に花を供える女性=26日午前、長野県松本市
 オウム真理教による松本サリン事件で、亡くなった1人が住んでいた長野県松本市の明治生命寮跡地の公園に、地元の田町、新田町の2町会が26日、献花台を設置した。町会による献花台設置は事件後初めて。

 田町町会によると、昨年も公園に花束が置かれていたことから設置を決めた。同町会長の吉見隆男さん(71)は「今までは何もしてこなかったが、30年の節目で提案があり、設置することにした」と話す。

 近くに住んでいた第1通報者で被害者の河野義行さん(74)が当初容疑者扱いされたこともあり、町会内には事件のことを話題にしにくい雰囲気が残る。吉見さんは「事件があったのは分かっているけれど、口にはしない」と声を落とした。

 「ガス漏れがあったみたい」。新田町町会長の犬飼博さん(71)は発生後、消防車やガス会社の車が集まった現場を見に行った。「自分には健康被害はなかったが、怖さは今も残る」と話した。

 教団が猛毒のサリンを発生させた駐車場は今も残る一方、周辺には新しい住宅も立ち並ぶ。犬飼さんは「追悼の気持ちがある人に献花してもらいたい」と語った。献花台は28日夕方まで設置される。

 献花台の前には26日午前、設置を提案した後藤芳孝さん(76)が訪れ、「町会内にも事件を知らない人が多くなっている。『忘れてはいけない』という思いで慰霊したい」と話した。自宅で育てたスイートピーなどを供えた男性(79)は、「いくら年月がたっても忘れたことはない。二度と起こさないために知ることが大切だ」と語った。 

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  • 改めて河野さんの手記を読みました。被害者が加害者に仕立て上げられる怖さや辛さ悲しさを感じました。オウムのような組織は2度と作らせてはいけない。
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