<男子日本代表広報リポート 第7回>
バレーボール男子日本代表の岸翔太郎広報がお届けする「男子日本代表広報リポート」の第7回。男子代表は、ネーションズリーグ(VNL)予選ラウンド(R)を9勝3敗で終え、27日(日本時間28日)からポーランド・ウッジで行われるファイナルRに臨みます。今回は、ファイナルR進出を決めた予選R最終週フィリピン大会中の選手たちの様子を紹介します。
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初戦を翌日に控えた17日、試合会場での練習を終えた石川祐希選手は力強く言いました。
「雰囲気も良いですし、福岡大会より時間がたっているので完成度もあがっていると思います。(今大会には)ランキングが近い相手やオリンピックでも当たる可能性の相手もいるので、特徴をつかむ大会にしたい」
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小野寺太志選手も「僕らもファイナルRがかかっているし、すごく大事な試合になる。フィリピンには日本のファンも多いので力に変えて頑張りたい」と腕をぶしました。
そして迎えたカナダ戦。試合前に、深津旭弘選手がなにやら作業していました。作っていたのは塩水。水に塩を入れて試合に臨むのがルーティーンなのだそうです。
チーム最年長36歳の深津選手。自分の役割について「流れを変えるというのは求められてると思うし、その力を持っていると思う。技術面でも精神面でも貢献したい」と、熱く語ってくれました。
試合はフルセットの末、悔しい敗戦。パリ五輪出場を決めている国に、勢いで押される形となりました。
山本智大選手は「カナダはオリンピックを決めていて勢いがあった。去年よりもサーブとスパイクがレベルアップしていたのでそこでやられました」。高橋健太郎選手は「相手にサーブで攻められて、ブロックも甘かった。ブロックを抜かれたあとのフロアディフェンスも相手の方が1枚も2枚も上にいっていた。こういう試合は今後もあるので、自分たちのバレーを信じて次の試合に臨みたい」と、前を向きました。
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2日間の休養日を挟み、21日からは3連戦が始まりました。
まずはオランダ戦です。
会場はまるで日本かと見まがうほどのファンが詰めかけました。前日に高橋藍選手がコンディション不良を訴えて一時チームを離れるアクシデントもありましたが、会場の後押しもありフルセットで勝利。
試合後には、コート上で前日20日に27歳の誕生日を迎えた富田将馬選手をお祝いしました。
そして、この勝利でファイナルR進出が決定。この日チーム最多16得点の西田有志選手は「負けたあとだったので難しい試合だった。サーブは良かったけど、スパイクはもう少し出来るかなと思います。会場がまるでホームでした」。フィリピン大会初スタメンの小川智大選手は「3セット目あたりからバタバタしたが、勝てて良かった。ランキングが下の相手で落とすわけにはいかなかったので、価値ある1勝だと思います。サーブレシーブをもう少しディープな場所で受けた方が良かったというのは反省です」と振り返りました。
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3連戦の2戦目。相手はオリンピック開催国のフランスでした。
先に2セットを先取されるも、フルセットで大逆転勝利。途中出場で流れを変えた宮浦健人選手は、「今日のような試合を勝ちきれたのは大きい。オリンピックにも生きてくると思う。途中出場で思い切りやるというのを心がけて入った。サーブも最初、コントロールしたものだったが徐々に思い切り打てて、エースもあったので良かった」と胸を張りました。
そして迎えた最終戦の相手は、米国。昨年の五輪予選W杯バレーでフルセット負けを喫した強敵です。
序盤から主導権を握ると、会場から「ニッポンコール」が起こるなどファン後押しもあり、20年ぶりのストレート勝ち。これまで出場機会が限られていたメンバーを起用する中で、リベンジを果たしました!
ラリー・エバデダン選手は「アタックが自分史上最高の決定率で良かったですし、自信になりました」。深津選手は「会場も満員でやりがいがある試合でした。最初は硬さもありましたがみんなに助けられました。この予選では課題も見えたので、オリンピックまでに成長したいと思います」と、それぞれが充実感を口にしていました。
この試合の終了後、選手、スタッフが集まり、パリ五輪の内定選手12人がフィリップ・ブラン監督から発表されました。選ばれた選手も、選ばれなかった選手も、全員の力があったからこそ、ここまで来られたことは言うまでもありません。
五輪の前哨戦となるVNLファイナルRも、まもなく始まります。去年の銅メダルを超える成績を期待しましょう! そして女子日本代表の皆さん。VNL銀メダルおめでとうございます!
◆岸翔太郎(きし・しょうたろう)1990年(平2)5月19日、埼玉県志木市生まれ。小学校からバスケットボールをはじめ、中学時には全国大会優勝。高校、大学と強豪校でバスケを続け、その後テレビの企画制作会社へ。現在は日本バレーボール協会広報部撮影班として、男子日本代表チームに帯同し、チームの日々の練習や宿舎での様子などを撮影中。
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