「老後貧乏」にならないために、50代から始める「ダウンサイジング」のポイント

1

2024年06月27日 21:20  All About

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

All About

「老後貧乏」にならないためには、50代のうちから、老後をイメージして徐々に生活費を減らすことに意識を向けましょう。今回は、生活費の中でもぜいたくになりがちな費目でのダウンサイジングのポイントをご紹介します。
老後貧乏とは、高齢になってから、まとまった老後資金がない、年金が少ないなどで生活費がまかなえない状態をいいます。そうならないための方法の1つに「現役時代の金銭感覚を老後に持ち込まない」ことが挙げられます。というのも、いったん上がってしまった生活水準を下げるのは至難の業だからです。

ある日を境に急激な節約生活を始めるよりも、50代のうちから、老後をイメージして徐々に生活費を減らすことに意識を向けましょう。今回は、生活費の中でもぜいたくになりがちな費目でのダウンサイジングのポイントをご紹介します。

ポイント1:住宅費

現役時代と定年後では年収が大きく変わります。そのため家計費の中で最も割合が大きい「住居費」をダウンサイジングするのは大切です。

持ち家の方であれば「住宅ローンの見直し」、賃貸にお住まいの方であれば「立地や広さの見直し」が有効です。

持ち家の方で、現状、変動金利で住宅ローンを契約している人は、これから変動金利が上がったらどうするかを考えておきましょう。

変動金利から固定金利へ借り換えをする、繰り上げ返済を行う、住宅自体を売却するなど選択肢はさまざまあります。見直しを行う時は、残っている住宅ローン額、返済期間、今後の収入の見込みなどを踏まえ総合的に判断しましょう。

賃貸住宅にお住まいの方で、子供たちがそろそろ独立するという方は、広すぎる物件に住み続ける必要はありません。ダウンサイジングをして、適度な大きさの賃貸物件に引っ越すことで、家賃や光熱費が削減できます。

独身の方であれば、シェアハウスの活用も一つの手です。「共同生活は苦手なんだけど……」と思うかもしれませんが、会社をやめた後、孤独を感じる人は少なくありません。適度に人々とつながる生活も新鮮なのではないでしょうか。家賃や光熱費も分担できますから、経済的な負担も軽減されるはずです。

ポイント2:食費

老後になっても外食が多かったり、既製品、加工食品の割合が多かったりすると食費がかさみます。50代のうちに、シンプルで健康的な食事を自炊する、まとめ買いして冷凍保存する、などを習慣化しましょう。

自炊を習慣化することで、食費を大幅に削減できます。また、特売日やセールを利用してまとめ買いをし、冷凍保存を活用することで、食品ロスを減らし、計画的に食材を使うことができます。さらに、旬の野菜や魚、豆類などを取り入れたシンプルな献立であれば、手間もかからず、健康維持にもつながるでしょう。

ポイント3:車両費

自動車を持っていると、ローンの返済のほか、駐車場代、自動車保険料、自動車税、車検代、メンテナンス費用、ガソリン代といった維持費がかかります。

使用頻度が少ないにもかかわらず、複数台所有していているのであれば、無駄なコストが発生し続けることになります。50代のうちから1台に絞るようにしましょう。

その際、老後を見据えて新車に買い換えておこうと考える人もいるでしょう。おすすめとしては、軽自動車かコンパクトカーの新車はどうでしょう。安全装置が標準装備されており、低燃費なうえ「エコカー減税」の対象になることもあります。

さらに安全面では、暖色系の膨張色である「赤・黄・オレンジ」がおすすめ。実際の距離よりも車が近くに見えるので、相手側の危険予知が早くなります。しかし、派手な色は嫌というのであれば、ボディが光を反射しやすい「白・グレー」にしましょう。

これからシニア世代になる50代は、「事故を未然に防ぐ機能・色」「維持費の安さ」を基準に車選びをしましょう。

まとめ

老後貧乏を避けるためには、現役時代から生活費を見直し、削減する意識を持つことが重要です。まずは、生活費の中でも割合の大きい住宅費・食費・車両費から、見直しをはじめてみましょう。

文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)

3匹の保護猫と暮らすファイナンシャルプランナー。会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方、心豊かに暮らすための情報を発信しています。
(文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー))

    前日のランキングへ

    ニュース設定