【バレー】「拾えば何とかなる」男子日本、驚異の粘りで予選1位スロベニアに3−0で大会初の決勝

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2024年06月30日 21:06  日刊スポーツ

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日本対スロベニア スパイクを打つ石川祐希(C)FIVB

<バレーボール・ネーションズリーグ(VNL):日本3−0スロベニア>◇男子ファイナルラウンド(R)◇準決勝◇29日(日本時間30日)◇ポーランド・ウッジ



世界ランキング2位の日本が、大会史上初の決勝進出を決めた。準決勝で予選Rを首位突破した同3位のスロベニアと対戦。粘りの守備で流れを呼び込み、3−0のストレートで勝利した。主要国際大会46年ぶりの表彰台入りとなる銅メダルを獲得した前回大会に続き、2年連続のメダルが確定。77年W杯以来47年ぶりの銀メダル以上を決めた。パリ五輪の前哨戦で新たな歴史を刻み、ミュンヘン大会以来52年ぶりの五輪金メダルに挑む本番へ突き進む。


   ◇   ◇   ◇


日本がまた、歴史に新たな1ページを刻んだ。2戦続けて1セットも落とさずに決勝進出。77年W杯以来47年ぶりの銀メダル以上を確定させた。ブロック2本を含む両チーム最多21得点で導いた石川主将は「歴史をつくっていると全員自負している」と胸を張った。


どこに打たれても、絶対にボールを落とさない−。驚異のつなぎで、予選R首位突破の強敵の心をへし折った。セットカウントを先取して迎えた第2セット(S)。終盤にビハインドを背負った場面で、日の丸の粘りが本領を発揮した。石川が、大塚が、山本が、身を投げ出してボールをつなぐ。52秒間の白熱ラリーに持ち込むと、最後は石川が強打で終結。この1点から一気に流れを引き寄せると、セットポイントから西田がサービスエースを決めて連取に成功した。


第3Sも、局面で集中力を切らさない。終盤に5連続失点で追い詰められながらも、3度のセットポイントを石川の多彩なアタックでしのいだ。ジュースに次ぐジュースの熱戦でも根負けせず、マッチポイントでじれた相手のスパイクがアウト。気持ちで押し切り、ストレート勝ちへ結び付け、「しっかりと我慢できた」と振り返った。


目指してきた「誰が出ても強いチーム」の完成は目前に迫る。石川と両軸を担う高橋藍が左足首の負傷でリザーブメンバーに回る中、代わってスタメンで出場する大塚が献身的なプレーでチームを支えた。サーブを打った時のみ後衛になり、普段はレシーブの機会が限られるMBの小野寺や高橋健も、相手の強打に冷静に対処。基本的に守備に入らないOPの西田も、しっかりと1本目をつないだ。誰に飛んでも、必ずセッターへ返す。その意識がチーム内で徹底されており、石川は「途中から入った選手が守備で流れを作ってくれた」。L山本は「拾えば何とかなる。競った場面でも自分たちを信じてチーム全体で戦えた勝利」と、一体感にうなずいた。


ブラン監督が「五輪に向けた準備」と位置付ける前哨戦で、前回大会の銅に続き「大会史上初」を更新。石川は「パリにつながる」と説いた。史上最強の日本。花の都で、歴史の針を進める準備はできている。【勝部晃多】


○…左のエース西田が、サーブで接戦を打ち破った。第1セット、第2セットともにセットポイントで順番が回ってくると、「エースを狙いにいった」。強烈なサーブを決め、セットカウント連取に導いた。「調子や打ち方を見て準備してきた」と、石川に次ぐチーム2位の18得点。「(準々決勝の)カナダ戦があまりよくなかったので、結果がついてきたことはよかった」と手応えを口にしていた。


◆77年W杯VTR 大会初の日本開催で、69年の東ドイツ大会に続き、2大会連続の銀メダルを獲得した。予選リーグでは米国とブラジルを、準決勝リーグでは中国と韓国を下し、決勝リーグに進出。日本、ソ連、キューバ、ポーランドの4カ国で行われた決勝リーグでは、キューバをストレートで下した。花輪晴彦がサーブ賞、猫田勝敏がトス賞、田中幹保がベスト6賞を受賞。

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