<陸上:日本選手権>◇6月30日◇第4日◇新潟・デンカビッグスワンスタジアム◇女子800メートル決勝
高校生でただ一人800メートル決勝に臨んだ久保凜(東大阪大敬愛高2年)が、田中希ら社会人選手の中でぐんぐん前に出た。前方で機会をうかがい、最後の直線で後続を突き放して2分3秒13でフィニッシュ。「優勝できて率直にうれしい」。ゴール後に憧れの田中希から「おめでとう」と声をかけられると、笑みがあふれた。
想定外の展開にも、冷静にプランを組み立て直した。序盤から前に出る予定が出遅れて3番手。それでも、瞬時に「(前の選手に)ついてラスト250メートルから仕掛ける」と戦略を練り直し、思い通りにレースを進めた。
サッカー日本代表MF久保建英のいとこ。今季はシニアのレースに参戦してグランプリシリーズ3連勝を収め、今大会では同種目で16年の福田祥子以来8年ぶりの高校生女王に輝いた。そんな若きスターは、心に大きな夢を描いている。「800メートルで世界と勝負したい」。優勝を喜びながらも「1分台を出したかった」と向上心を絶やさない16歳は、世界舞台を目指して走り続ける。
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