年金生活者支援給付金制度って何ですか? 令和6年度はいくらもらえますか?

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2024年07月01日 21:20  All About

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年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。今回は「年金生活者支援給付金制度」について、専門家が説明します。
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に回答します。

今回は「年金生活者支援給付金制度」について説明します。

Q:年金生活者支援給付金制度って何ですか? 令和6年度はいくらもらえますか?

「年金生活者支援給付金制度とは何ですか? お金に困っていたらもらえるんでしょうか? 令和6年度はいくらもらえますか?」(70代)

A:公的年金等の収入額が、一定基準よりも少ない人に支給されます。老齢年金生活者支援給付金の額は、月額5310円(令和6年度)を基準に、保険料納付済期間等に応じて算出されます

年金生活者支援給付金は、公的年金等の収入額が一定基準よりも少ない人の年金に上乗せされて支給されるものです。消費税の増税分が活用されています。

年金生活者支援給付金は、老齢生活者支援給付金(収入により「補足的老齢年金生活者支援給付金」)、障害年金生活者支援給付金、遺族年金生活者支援給付金の3種類があります。

老齢生活者支援給付金(収入により「補足的老齢年金生活者支援給付金」)は、老齢基礎年金を受け取っている方が対象となりますが、所得制限があり、次の要件をすべて満たしている必要があります。

(1)65歳以上の老齢基礎年金の受給者
(2)同一世帯の全員が市町村民税非課税
(3)前年の公的年金等の収入金額(障害年金・遺族年金等は含みません)とその他の所得との合計額が77万8900円以下

なお、(3)の要件に関して、前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が77万8900円を超え87万8900円以下の場合は、一定割合を乗じた「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

補足的老齢年金生活者支援給付金は、老齢年金生活者支援給付金の要件をあと少しで満たせずに支給されなかった人と、老齢年金生活者支援給付金の支給を受けた人との間で、所得の逆転が生じないようにするためのものです。

支給される老齢生活者支援給付金は、次の【1】と【2】の合計額となります。給付額は毎年度改定があり、令和6年度は以下の計算式で算出します。

【1】保険料納付済期間の受給額(月額)=5310円×保険料納付済期間/480カ月
【2】保険料免除期間の受給額(月額)=1万1333円×保険料免除期間/480カ月

例えば、納付済月数が60カ月、全額免除月数が240カ月の場合を上記計算式で算出すると、老齢生活者支援給付金の支給額は月額6331円となります。

【1】5310円×60カ月/480月≒664円
【2】1万1333円×240カ月/480月≒5667円
<合計>【1】664円+【2】5667円=6331円(月額)

給付金を受け取るには、年金生活者支援給付金請求書の提出が必要です。初めて老齢基礎年金を請求する人には、老齢基礎年金の請求書に給付金請求書が同封されます。

すでに基礎年金を受給しており、新たに受給要件を満たすことになった方へは、簡易な請求書(はがき型)が、9月ごろから順次発送されます。届いた人はもらう権利がありますので、請求しましょう。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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