60代一人暮らし、手間なく無理なく“ひとりごはん”はいいこと尽くし!瀬尾幸子さん実践の「がんばらない食べ方」とは

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2024年07月03日 09:10  女子SPA!

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撮影/福尾美雪
楽しく自由においしく食べる。『60代ひとり暮らし。瀬尾幸子さんのがんばらない食べ方』(世界文化社)は、未来を健やかに生きるためのレシピ集です。

◆料理はがんばりすぎなくていい

料理研究家の瀬尾幸子さんは、60代でひとり暮らし。シニアと呼ばれる世代ですが、ひたひたとやってくる“老い”がリアルになる年頃でもあります。

「1日3食として、60歳から80歳の誕生日までは2万1900食。今が、今後を楽しく過ごすためのラストチャンス!」ととらえ、瀬尾さんは「がんばらない食べ方」を考案しました。

「シニアは今が大事」と瀬尾さん。シニアでなくとも、「今」を楽しむことが未来への生きがいへとつながるのは、どの世代にも共通する願いです。

◆とことんまで、がんばらない

瀬尾さん流ひとりごはんの基本は、

1 食べたいものを、おいしく食べる
2 手間をかけず簡単に、がんばらない
3 体にいいものを、まんべんなく

この3か条です。本職の料理研究家の方に言われると、どこかホッとしませんか。

私達は、料理=手作り、食事=家族全員の栄養を考える、等々、自らハードルを上げてがんばってしまうのです。

もちろん、食卓の見栄えや栄養バランスも重要です。でも、食事は「おいしく楽しく」が最優先。ストレスフリーは最高の調味料です。

◆便利なものを惜しみなく活用する

瀬尾さんいわく「出汁(だし)は顆粒だしだっていい」ついでに「みそは種類が多いほうが飽きない」。最近はさまざまな顆粒だしがありますし、素材を粉砕して小分けにしただしパックもあります。便利な市販品でタイパ(タイムパフォーマンス)とエネパ(エネルギーパフォーマンス)の両方を叶えましょう。

みそは種類によって味が異なり、いくつか常備しておくと味のマンネリ化がふせげるそうです。「八丁みそ(豆みそ)は、砂糖を加えれば中華料理でよく使う甜麺醤(テンメンジャン)の代わりになる」とのこと。日持ちもするし、冷凍保存も可能なので、これを機に買ってみるのもいいですね。

近年、オーブントースターの進化が止まりません。「遠赤外線で、高温でカリッとおいしく焼ける優秀な調理器具」と、瀬尾さんも太鼓判。

しかも「魚を焼いたあとでパンを焼いても、魚臭くならなりません」って知っていましたか? ただし、焼けた後に入れっぱなしにすると臭いはつくそうですので、ここだけご注意を。

◆夏を乗り切る、がんばらないレシピ

夏はキッチンに立つだけで汗だくになります。夏バテしない、おいしい、しかも短時間でできるレシピを2品紹介しますね。

・ガスパチョ
※保存の目安は冷蔵庫で3日

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 材料(作りやすい分量)
 トマト   2個(400g)
 セロリ   5cm
 ピーマン   1/2個
 きゅうり   1/2本
 玉ねぎ   1/6かけ
 にんにく   1/2かけ
 食パン(8枚切り・ミミつき)  1枚
 オリーブ油   大さじ2
 酢   大さじ1
 塩   小さじ1/2
 クミンパウダー(あれば)  小さじ1/4
 水   1カップ
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【作り方】
 
材料をミキサーに入れてかく拌する。容器に入れて冷蔵庫で冷たく冷やす。

野菜を刻んであとはミキサーのスイッチを入れるだけ。

個人的に、食パンを投入するのが意外でしたが、食パンのおかげで舌触りもなめらかで食べ応えのあるスープになりました。

本格的な夏なら、キンキンに冷やして飲むのがおすすめ。汗も一気に引きそうです。

冷製パスタや野菜のディップにも応用できるのではないでしょうか。作っておけば、何かと重宝しそうですよ。

・豚肉ピーマン炒め
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 材料(1人分)
 ピーマン   4個
 豚薄切り肉   100g

 A
 塩・こしょう   各少々
 小麦粉   小さじ2

 しょうが(せん切り) 1かけ分(10g)
 ごま油   大さじ1
 しょうゆ   大さじ1弱
 オイスターソース   小さじ1
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【作り方】

ピーマンは縦半分に切ってへたと種を取り、斜めの細切りにする。豚肉も細切りにして、Aをまぶす。

フライパンにごま油を中火で熱し、ピーマンを4分炒める。ピーマンを端によせ、豚肉、しょうがを入れて炒める。

肉の色が変わったら、しょうゆ、オイスターソースを加えて炒め合わせる。

ピーマンと豚肉というごくシンプルな組み合わせですが、ここで瀬尾さんからとっておきの秘訣をおしえてもらいました。

それは「ピーマンは、4分炒めるとべらぼうにおいしくなる」。

はいはい、4分ね。なんて、聞き流してはいけません。「心の4分ではダメですよ」と、瀬尾さんが私達の心を見透かしたように念を押しているのです。

これ、私もさっそくやってみたのです。確かに違います。隠されたピーマン本来の甘みがじわじわにじんできて、箸が止まらなくなりました。

◆四季折々、がんばらないで季節を感じる

本書には、季節ごとの旬を生かしたレシピがいっぱい。夏は身近な夏野菜をふんだんに使った簡単レシピ、冬は芯からあたたまる小鍋レシピなど、見た目は凝っていても実は手間抜きで、おいしさを追求しています。

冷凍保存もOKな懐かしのナポリタンなど、「明日はどうやって自分をおもてなししよう?」ページをめくりながら、そんな思いに駆られます。あなたもきっと、自分のために料理する時間がいとおしくなりますよ。

<文/森美樹 撮影/福尾美雪 イラスト/溝川なつ美>

【森美樹】
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。X:@morimikixxx

このニュースに関するつぶやき

  • いや、これは頑張りすぎだろう・・・頑張らないのなら、レトルトやインスタントだろう。
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