まもなく新紙幣発行。新一万円札の顔、渋沢栄一のふるさと埼玉県深谷市では、カウントダウンイベントが行われました。一方、券売機を使用する飲食店は新紙幣を迎える準備に追われていました。(7月2日「news23」午後11時すぎの放送より)
【写真を見る】20年ぶり新紙幣発行 渋沢栄一の地元で“カウントダウン” 「誰が得するのか」対応に追われる飲食店からは嘆きの声【news23】
渋沢栄一の地元で“カウントダウン” まもなく新紙幣発行へ2日夜、新一万円札の顔、渋沢栄一のふるさと埼玉県深谷市では…
喜入友浩キャスター
「新一万札の発行に向けたカウントダウンイベントが行われています。大人から子どもまで集まって、お祭りムードとなっています」
市民が待ちに待った新紙幣の発行。深谷はこの盛り上がりです!
深谷市民
「子どもたちにとっても地元のヒーローですから。一万円札になるってなかなかないと思うんですけど、子どもたちの中で将来一万円札になってくれる子がいたらな」
周りの子ども
「なりたい!なりたいなりたい!」
喜入キャスター
「(渋沢栄一が)紙幣になると知ったとき、どんな気持ちだった?」
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男の子
「やっぱすごい人だな〜。(渋沢栄一は)優しくて、パリに行って、パリ万博に行った。一万円札になったことで他の地域の人や、外国の人も来てくれると嬉しいです。早く使ってみたい!」
3日から発行される一万円札、五千円札、千円札には偽造防止のための、「3Dホログラム技術」が用いられています。
2日、街では20年ぶりの新紙幣を迎える準備が着々と進んでいました。
東京・大田区にある「つけ麺 燕武」では、店主が仕込み作業をする傍らで、新紙幣に対応できるよう券売機の更新作業が行われていました。
日本自動販売システム機械工業会によると、新紙幣に対応する飲食店の券売機はまだ5割程度にとどまっています。
業者への更新依頼も集中していて、この店では3週間ほど前に業者へ依頼し、ギリギリで作業をしてもらえたといいます。
つけ麺 燕武 原彰宏 店主
「明日なので間に合ってよかったなと。明日、新札を持ってくる人がいるかどうかはわからないけど、お金を入れたときにちゃんと対応するかなという不安はあります」
駆け込みで更新作業を済ませた店がある一方で、東京・葛飾区のラーメン店「豪麺MARUKO」では…
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豪麺MARUKO 西谷寛店長
「券売機を交換しなきゃいけない。別で対応みたいな感じですね」
使っている券売機が古いため、新紙幣に対応する券売機を新たに購入する必要があるといいます。その金額は…
豪麺MARUKO 西谷寛店長
「ピンキリですけど、50万〜100万超えじゃないですか?1か月の売り上げに対して40%引かれます。そこから人件費を引いて残るのって大したことないんですよ。(100万円)取り返すには結構時間かかる」
この店ではしばらくの間、客が持ってきた新紙幣は店が用意した旧紙幣と交換し、券売機で食券を買ってもらうように対応していくそうです。
豪麺MARUKO 西谷寛店長
「誰が得するんですか、新紙幣にして。損する人の方が多い んじゃないですか」
一方で、新たな詐欺被害にも注意が必要です。
長野県松本市では、警察が注意を呼びかけました。
松本警察署 生活安全第一課 市川幸誠課長
「既に全国では新紙幣に便乗した詐欺被害が発生している」
警視庁によると、都内では2024年3月から6月までの間に金融機関の職員を装った人物が80代から90代の高齢者4人に、「古いお札は使えないので、新紙幣に交換する必要があります」などとうその電話をかけて、その後、自宅を訪ねてきたといいます。
4人は合わせておよそ1500万円をだまし取られたということです。
警察は各地で注意を呼びかけています。
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喜入キャスター:
渋沢栄一記念館ではカウントダウンイベントが行われていて、ちょうどトークショーの真っ最中ですが、日付が変わる瞬間を前に盛り上がっています。子どもから大人まであらゆる世代が、日付が変わる瞬間を今か今かと待っています。
地元の方は子どもの頃から、渋沢栄一記念館にある資料室を訪れて渋沢栄一について学んでいるということで、どの子どもに話を聞いても渋沢栄一について詳しくて、身近な存在が新紙幣の顔になるということを感じています。
「早く新しい一万円札が欲しい!」と保護者にお願いしているのが印象的でした。
東京大学准教授 斎藤幸平さん:
新紙幣を導入すると、タンス預金が動いて経済効果もあるという話がありますが、裏金で溜め込んでる自民党の人たちが、「どうしよう」と迷っているかもしれないと思いながら見ていました。
ラーメン店は景気も悪いし、インフレの中で人件費なども圧迫しているのに、さらに余計なコストがかかってしまうというのは大変ですね。
飲食店によっては「完全にキャッシュレスに切り替えてしまおう」と決断をするところも出てくると思います。キャッシュレスへの動きが、新紙幣で加速する可能性があると思います。
20年に1度くらいの頻度で新紙幣を出していますが、今、中国でも「デジタル人民元」が始まっていますし、もしかしたら20年後には誰もお金を現物で使わなくなっているかもしれません。
今回が最後の新紙幣になる可能性もありますし、深谷市の人たちがあれだけ盛り上がっているのも感慨深いものがありますね。もしかしたら歴史的最後の瞬間かもしれません。
小川キャスター:
渋沢さんも最後の人になるのでしょうか。
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<プロフィール>
斎藤幸平さん
東京大学准教授 専門は経済思想 社会思想
著書『人新世の「資本論」』が50万部突破