トヨタ、コンウェイの復帰を正式発表。WECサンパウロで再合流へ「可夢偉たちの王者獲得に貢献したい」

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2024年07月08日 12:20  AUTOSPORT web

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骨折から回復したマイク・コンウェイが再合流する7号車トヨタGR010ハイブリッド(TOYOTA GAZOO Racing)
 WEC世界耐久選手権の最高峰ハイパーカークラスに参戦しているTOYOTA GAZOO Racingは、7月12〜14日に南米ブラジルのインテルラゴス・サーキット(正式名称:アウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ)で開催される、2024年シーズン第5戦『サンパウロ6時間』でシーズン2勝目を狙う。

 2014年以来、10年ぶりの開催となるWECブラジル・ラウンド。その舞台となるインテルラゴスは、2012年にトヨタが現行シリーズ初勝利を挙げた場所であり、2年後の2014年にはマニュファクチャラーズチャンピオンを決めるなど、思い出深い地となっている。

 その南米ラウンドを前に6月15〜16日にフランス、ル・マンで行われた『第92回ル・マン24時間レース』で7号車が総合2位、8号車が同5位と2台のトヨタGR010ハイブリッドが入賞したトヨタは現在、マニュファクチャラー選手権においてポイントリーダーのポルシェに対し12ポイント差のランキング3位につける。

 また、ドライバー選手権では7号車を駆る小林可夢偉とニック・デ・フリースが、ランキング首位と17ポイント差の3位の好位置に。彼らは前戦のル・マンでホセ-マリア・ロペスとマシンをシェアしたが、サンパウロではル・マン前に自転車の事故で肋骨と鎖骨を負傷し、24時間レースを欠場したマイク・コンウェイがラインアップに復帰することが決まった。

 一方、ル・マンではもっとも多くの周回をトップで走行するも、終盤の終盤の接触によりスピンを喫し、優勝争いから脱落。最終的に5位に終わった8号車は、引き続きセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のトリオでの参戦に。平川にとっては今週末のレースがインテルラゴス初走行となる。

 F1でもおなじみのインテルラゴスは1周4.309km、反時計回りのサーキットだ。1940年に開設された伝統的な同サーキットでは、1950年代からブラジル1000マイルレースという耐久レースが開催され、1970年代には国際的なレースカレンダーの一員として定着。2007年には現在のWECシリーズの前身であるル・マンシリーズの一戦も開催されていた。

 そんなインテルラゴスで10年ぶりの開催となる2024年WEC第5戦のレースウィークは、7月12日(金)に各90分間のフリープラクティスが2回行われ、翌日13日(土)に3回目の練習走行と予選およびハイパーポールを実施。決勝日の14日(日)は11時30分(日本時間23時30分)に6時間レースのスタートが切られる予定だ。

■「遠くから見守るのは辛かった」「新たな挑戦にわくわく」/TGRドライバーコメント

●小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー)

「ル・マンからまだあまり日が経っていませんが、我々はレースが終わってすぐに、次の戦いへと目標を切り替えました。このサンパウロからシーズンは後半戦に入り、今はチャンピオン争いに全力を注いでいます。ル・マンで2位に入ったことでドライバーズランキングでのポジションこそ上がりましたが、まだライバル勢との差を縮めるためには大きな課題があります」

「GR010ハイブリッドでインテルラゴスを走るのは初めてなのでどうなるかわかりませんが、きっと激しい戦いになるでしょう。ブラジルのファンの皆さまが熱狂的なことはよく覚えていますし、特別な雰囲気で迎えてくれると思います。今から楽しみです」

●マイク・コンウェイ(7号車ドライバー)

「レースの現場に復帰できて嬉しいし、早くまた走りたい。ル・マンを遠くから見守るのは辛かったが、僕自身の中では可夢偉、ニック、ホセとともに波乱のレースを戦っていた。ただ、その一員としてその場に一緒に居られなかったのは本当に悔しい思いだった」

「ホセに任せておけば大丈夫だということはわかっていたし、実際彼は素晴らしい仕事をした。今はただ、またレースが戦えることが楽しみだ。上位で争って、可夢偉とニックのチャンピオン獲得に貢献したいと思っている」

●ニック・デ・フリース(7号車ドライバー)

「インテルラゴスでレースをするのは初めてだが、ブラジルでレースをしたことはあり、現地のファンの熱狂ぶりは知っている。彼らには長いモータースポーツの歴史があり、ドライバーとしてその中に加われるのは嬉しいよ」

「インテルラゴスは一周が短く、かなり難しいコースなので、GR010ハイブリッドで走るとどうなるか楽しみだ。またエキサイティングな上位争いを繰り広げられることを楽しみにしているし、表彰台に立てればと思っている」

●セバスチャン・ブエミ(8号車ドライバー)

「インテルラゴスでレースをするのは久しぶりだが、当時もチームとしていいパフォーマンスを見せていたし、良い思い出のあるサーキットだ。GR010ハイブリッドで走るのは初めてとなるが、このコースで速く走るためには何が必要なのかは分かっている」

「いつもどおり今回も非常に接近した、激しい戦いになるのは間違いないので、レースウイークの最初からスタートダッシュを決めて完璧な週末にする必要がある。全力を尽くし、結果を待つだけだ」

●ブレンドン・ハートレー(8号車ドライバー)

「ル・マンからあまり間を空けずにまたレースができるのは嬉しい。ル・マンで優勝争いに加われて楽しかったけれど、あのようなかたちで勝利を逃した悔しさもあり、それだけに数週間でまた戦いを再開できるのは良いことだ」

「今回もまた非常に厳しい接近戦になるだろうが、充分に休養もとれたし、準備万端だ。WECでのサンパウロ戦は10年ぶりとなる、ファンの皆は大歓迎してくれるだろう。また素晴らしいレースを見せることができると確信している」

●平川亮(8号車ドライバー)

「サンパウロは私にとって初めて訪れる街ですし、初めて走るサーキットなので、新たな挑戦にわくわくしています。シミュレーターではこのサーキットを走っていて、ある程度予測はできていますが、実際に走ってみて分かることもあると思います」

「インテルラゴスは多くの伝説を持つ、モータースポーツの世界ではとても有名なサーキットで、ブラジルのファンの皆さまからの応援は信じられないほどだと聞きます。カレンダーに加わることを知って以来、このサーキットを実際に走れるのを心待ちにしてきました。早く走りたいです」
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