7月8日に発売された『週刊少年ジャンプ』32号(集英社)にて、小野玄暉による新連載『ひまてん!』がスタートした。久しぶりに始まった“王道ラブコメ”ということで、ラブコメ好きの読者たちのあいだでは早速大きな注目が集まっているようだ。
『ひまてん!』の主人公・家守殿一は、16歳の高校生。勉学に励みつつ、家計を支えるためにアルバイトで家事代行の仕事を行っている“家政夫男子”だ。そんな彼のクラスに美野妃眞理という転校生がやってきたことから、物語が大きく動き始める。
妃眞理は現役女子高生にしてコスメブランド「ヒマリズ」の社長兼モデルを務める“女子のカリスマ”だという。クラスメイトが大騒ぎになるなか、殿一は彼女の世話係を任されることになる。さらに新たな家事代行の依頼で高級マンションに訪れたところ、実はそこは妃眞理が1人暮らししている家だと発覚し、波乱の予感が巻き起こる……。
公式に「女子高生社長×家事代行ラブコメ」と題されている通り、今後は殿一と妃眞理の関係がストーリーの主軸となりそうだ。ただ、その上で中学の時に同じクラスだったらしい叶穂乃花という女子も登場している。明るく活発で“ギャル”的な見た目の妃眞理と、まじめでほのぼのとした黒髪ヒロイン・穂乃花のあいだで、どちらを殿一が選ぶのか……という葛藤も見どころになるのだろう。
作者の小野は卓球マンガ『フルドライブ』を『週刊少年ジャンプ』2017年47号から2018年12号まで連載していた経歴の持ち主で、約6年半ぶりの本誌連載復帰となる。これまでの作品は読み切りも含めてほとんどがスポーツマンガやファンタジーマンガだったが、今回は直球のラブコメディに挑戦するようだ。
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元々高い画力を武器としていて、魅力的なヒロインを生み出してきた漫画家だが、今作ではその才能が存分に発揮される予感。お色気描写がほとんど出てこないこと、掃除と料理が得意な家政夫男子が主人公で、SNSで大人気のインフルエンサーがヒロインという設定など、“今っぽさ”を感じる要素が多いことも特徴的だ。
現在『週刊少年ジャンプ』の恋愛ものといえば、三浦糀の『アオのハコ』が連載されているが、スポーツマンガの要素を取り込みつつ少女マンガ的なテイストで高校生の青春を描いている。それに対して『ひまてん!』は、絵柄もストーリーも男性向けと感じさせるところがあり、『I”s<アイズ>』や『いちご100%』から続く王道のラブコメという印象だ。
最近でいえば、2022年9月から連載された仲間只一による『大東京鬼嫁伝』が“鬼嫁”とのドタバタな日々を描いたラブコメ作品だったが、同作は2023年4月に連載終了を迎えている。そう考えると、1年数カ月ぶりに王道ラブコメ枠が帰ってきたと言えるかもしれない。
また一部の読者からは『ひまてん!』に対して、古味直志の大ヒットラブコメ『ニセコイ』を連想するという声も上がっている。どちらも二大ヒロインの構図で、お色気要素が少ないピュアな内容だったので、たしかに似ているところは多いだろう。
ただし大きな違いもある。『ニセコイ』の桐崎千棘がツンツンした態度の目立つ暴力系ヒロインで、第1話から手が出る展開があったのに対して、『ひまてん!』の妃眞理は多少ツンツンしているものの口が悪い程度。むしろ今流行りの“からかい上手”なヒロインにも見えてくる。
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トレンドの要素をてんこ盛りにした新時代のラブコメは、どれだけのヒット作になるのだろうか。今後の展開が楽しみでならない。
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