
熱っぽく話すサトシくんに、私たちは思わず顔を見合わせてしまいました。きっと根が素直なサトシくんだからこそ、何か感じるものがあったのでしょう。しかし「はいそうですか」と納得するわけにはいきません。

めずらしくサトシくんは譲りません。私は心配になってチラリとヒロユキをみました。しかしヒロユキは黙り込んでいます。仕方なく私は話を続けました。


サトシくんは「しまった」という顔をしたものの、私たちの話も聞かずに飛び出して行ってしまいました。リビングに2人で残された私たちは呆然です。

私は言葉を失いました。あまりに他人行儀なヒロユキの発言に、急に寂しい気持ちになったのです。とはいえ、こればかりは私も引けません。
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突然「高校を辞めて俳優になりたい」と言い出したサトシくん。どうやら先日友だちと観た映画の俳優さんに感銘を受けたようです。
俳優さんはかっこいいうえに華やかにも見えますから、「自分もなりたい」と憧れる気持ちはよくわかります。しかしせっかく高校に受かったのですから、今はまだ勉学に集中してほしいというのが私の本音。
夢を追うのはいいのですが、現実的な部分も理解してから決めてもらいたいのです。サトシくんが少しでもわかってくれるといいのですが……。
【後編】へ続く。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・motte 作画・おんたま 編集・みやび
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