参戦5年目で初優勝を飾った斎藤愛未(Team M 岡部自動車 D.D.R VITA 7月20日(土)、静岡県の富士スピードウェイにてKYOJO CUP第2戦決勝レースが行われ、参戦5年目となる斎藤愛未(Team M 岡部自動車 D.D.R VITA)が初優勝を飾り、夫の坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)とパルクフェルメで喜び合う姿が見られ、サーキット全体が暖かい祝福ムードに包まれた。2位は下野璃央(Dr. DRY VITA)、3位は翁長実希(Car Beauty Pro RSS VITA)が続いた。
全日本スーパーフォーミュラ選手権と初の併催となったKYOJO CUPは、女性ドライバー限定の"ガチンコ勝負"レース、競争女子とも言われ、今年8年目を迎える。今大会における参加車両台数は史上最多の29台となり、シーズンを重ねるごとにじわじわと注目度が上昇している。
午後1時、曇り空のもと、12周の決勝レースがスタートすると、クリーンスタートながらも、コカコーラコーナーの出口で10番手グリッドからスタートした荻原友美(KNC VITA)がスピン。そのスピンした荻原の車両に16番手の樋渡まい(Car Beauty Pro RSS VITA)が避けきれないかたちで接触し、両車とも無念のリタイアとなった。
この接触により荻原のフロントカウルが大きく損傷するなど、2台のマシンがストップ。2台の車両と、接触によって路面に散らばったパーツ回収のためにセーフティーカー(SC)がコースインし、セーフティーカーランは5周目まで続いた。
セーフティーカーランが開けると、1番手の下野と後を追う翁長の戦いが白熱していく。
6周目に入り、ホームストレートのスリップストリーム合戦で2番手の翁長が下野のアウト側に出るも、ここでは抜けず、そのまま接近戦を演じてTGRコーナーで翁長が下野をオーバーテイクしてトップに躍り出る。一方の下野はこの戦いにより、3番手の斎藤にも迫られるかたちとなった。
接近戦のまま突入した7周目のホームストレートでは、トップの翁長に対してイン側に下野、アウト側に斎藤にがつくスリーワイドとなり、下野がイン側から翁長を抜き去り1番手を奪還。そして、失速した翁長を斎藤がアウト側からオーバーテイクして2番手に浮上し、翁長は3番手に順位を下げることになってしまった。
8周目のホームストレートではまたもやトップ争いが白熱。スリップストリームを使った斎藤がアウト側から下野を抜いてトップに立ち、その後方では3番手を走行する平川真子(RSS VITA)と、4番手の翁長による3番手をかけた争いが繰り広げられ、この争いは9周目までもつれこむこととなる。
9周目、TGRコーナーを目前にしたホームストレートでは、3番手の平川のアウト側に4番手の翁長、イン側に5番手の山本龍(おさきにどうぞ☆VITA)がついたスリーワイドが展開。平川が3番手を死守したが、ダンロップコーナーでイン側についた翁長が平川を抜いて、3番手を奪還した。
10周目、織戸茉彩(MAX ORIDO VITA)がピットに戻ると同時に、保井舞(中央電材エムクラフトVITA)がTGRコーナーのグラベルでストップすると、再びセーフティーカーランに。ファイナルラップとなってもセーフティーカーランが開けることはなく、隊列の先頭を走行していた斎藤がトップでチェッカーフラッグを受け、念願のKYOJO CUP初優勝を飾った。
レース直後、戦いが終わったパルクフェルメの斎藤のもとには夫である坪井翔の姿が。斎藤の勝利にうれし涙を流すと、つられて斎藤も涙を流し、夫婦で念願の初優勝を喜んだ。
2位以下は、斎藤とスリーワイドの戦いを繰り広げた下野、翁長の順位で表彰台に上り、4位に平川、5位に山本が続くトップ5となった。次戦となるKYOJO CUP第3戦決勝レースは、明日7月21日、富士スピードウェイにて開催予定。