怒るフェルスタッペンを擁護するレッドブルF1代表「乱気流の難しさを過小評価していた」とピット戦略以外の反省点も挙げる

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2024年07月23日 18:00  AUTOSPORT web

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2024年F1第13戦ハンガリーGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
 レッドブルF1のクリスチャン・ホーナー代表は、F1第13戦ハンガリーGPの終盤にチームの戦略とマックス・フェルスタッペンの無線での暴言の両方を擁護するという不可能なことを試みたが、このふたつの状況は明らかに両立しないものだった。

 チーフテクニカルオフィサーを務めたエイドリアン・ニューウェイの離脱もあり、レッドブル・レーシングが現在所有している最大の資産がフェルスタッペンであることを理解しているホーナーは、彼を満足させようと試みたが、一方でレース中に行われた戦略的判断を正当化しようとしたため、それが世界チャンピオンを激高させた。

 第1コーナーのインシデントについて、ホーナーはFIAのオフィシャルの対応に不満を抱いており、次のように語った。

「マックスが順位を形成した。我々はレーシングインシデントだと感じた。3人がコーナーに入ってしまったのだ。『彼らにレースをさせよう』という信念の下では問題ないように思われたが、スチュワードが手掛けた途端に、その時点でおそらくペナルティを受けることになるだろうと感じた。だからランド(・ノリス/マクラーレン)にポジションを戻すことを認め、乱気流のなかに入り込むことになった」

 その後の戦略的判断によって、フェルスタッペンは各ピットストップでポジションをひとつずつ下げることになってしまった。ホーナーは次のように説明している。

「ルイス(・ハミルトン/メルセデス)は2セットのハードタイヤを持っていて、非常に早い段階でピットストップを行った。我々もそれくらい早く行うことを検討したが、その時点ではもはや優勝ではなく、3位を目指してレースをしていた」

「2セットのハードタイヤがあるルイスには、レースプランを早めに入れ替える能力があった。そのため、我々はもっと長く走ればオーバーラップのアドバンテージを得られると感じた。実際にハードタイヤのときのマックスは、マクラーレンに比べて競争力があり、強かったことがわかる。だから彼はすぐにルイスを捕らえたが、残念なことに乱気流のなかで足止めされ、ルイスは離れ始めていた。もし彼があの時点でルイスを抜いていたら、レース終盤にマクラーレンの1台に挑戦できていたかもしれない」

「マックスが乱気流に捕っていたとき、ルイスとシャルル(・ルクレール/フェラーリ)がまた早めにピットストップを行った。その後に9周を重ねたが、彼のペースがまた非常に強力だったことがわかる。彼はすぐに彼らを捕らえ、ルクレールを狙い撃ちにした。その後は、ルイスとのレーシングインシデントになったというのが、おそらくそれを表現するのに最も適した方法だと思う」

 結論としてホーナーは「フラストレーションの溜まるレースだった」と認め、「今になってレースを振り返ると、仮定や弁解、そして可能性の話がある。しかし、おそらく我々が過小評価していたのは、乱気流の難しさと、我々に最もダメージを与えたレースのあのセクションだったと思う」と述べた。

 各判断について説明するなかで、ホーナーはフェルスタッペンが無線でかんしゃくを起こしたことについて、理解できることだと語った。

「マックスはイライラしていたが、それは理解できることだ。彼はエンジニアと非常に率直な口調でコミュニケーションを取っているし、このことは彼らふたりの間で話し合われるだろう」

「誰もがもっとパフォーマンスを見出す必要があることを理解しており、そのために懸命に仕事をしている。必要な話し合いは何であれ、非公開の場で行うだろう」

 また、フェルスタッペンのレースエンジニアを務めるジャンピエロ・ランビアーゼの“幼稚な”非難についてのホーナーは説明したが、それははるかに説得力に欠けていた。

「その時点でGP(ランビアーゼの愛称)はマックスのことを言っていたのではなく、無線でペナルティについて文句を言っている他の人について話していたと思う。だから、その時点でGPはマックスのことを指していなかったと考えている。他の人たちは明らかにペナルティを求めている。なぜなら、もちろんスチュワードも無線を聞いているからだ」

「彼らは8年間一緒にやっている。今日のレースでもっとうまくやれたかもしれないことはあるが、それはチームとして話し合うことだ」
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