連絡や仕事、買い物に移動、何をするにも必要なスマホ。それをもし海外旅行で失くしたら――。まさかの実体験を基にした漫画『ヨルダンで失くしたスマホを追跡したら出会った人がことごとく親切だった話』が興味深い。
(参考:漫画『ヨルダンで失くしたスマホを追跡した話』を読む)
作者はヨハヌンさん(@yohayohajam)。約1年ほど前から旅日記を漫画としてアップし続け、現在は南米に渡っている彼に本作の制作や旅の目的などを聞いた。(小池直也)
――本作の反響はいかがですか?
ヨハヌン:ヨルダンの方やムスリムの方がどんな方々かイメージしづらい部分もあったのか、親切な方々に驚かれた読者が多い印象です。自分自身もスマホが返ってこない可能性が高いと腹をくくっていましたが、本当に驚きと感動の出来事でした。
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――本作の着想や制作のきっかけについて教えてください。
ヨハヌン:海外旅行の絵日記を日々アップしているので、スマホをタクシーに忘れた衝撃とヨルダンの方々の親切さは絶対に描きたいなと思ったんです。
――なぜ世界を旅&絵日記でレポートされているのでしょう?
ヨハヌン:日本にいた頃もコミックエッセイを描いていました。それからAmazonにおいて個人でも電子出版ができるとXで知り、せっかくなら旅行の自分へのお土産として絵日記のまとめ本を作ろうと。
現在アジア、ヨーロッパ、南米のまとめ本を配信しています。少しながら旅の資金にも繋がるので、それを糧に日々描いている感じです。
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――コロナ禍や円安の影響もあってか、日本人の国外旅行は低迷しています。海外旅行の魅力やメリットをどう感じていますか。
ヨハヌン:海外旅行の魅力はやはり人。感覚が日本人と全く違う部分もあれば、大事な部分は一緒だったり、色んな人がいて本当に楽しいですね。宿や店先でちょっとした会話が多いので、日本にいた頃よりも確実に人と会話が発生しますし、距離感が近いのが個人的に魅力です。あとは「人生に行き詰まってどうしようもなくなったら、またここに来よう」と思える場所を見つけた時に、心の余裕が生まれることもメリット。
――今までで一番思い出に残っている国とその理由を教えてください。
ヨハヌン:タイですね。コロナ禍が明けてようやく念願の海外旅行に出れたのですが、人もご飯も気候も自分に合っていて楽しかったです。「ヨーロッパやエジプトも行くぞ」と決意を固めたのもタイの旅行があったからでした。
――作画についてはいかがでしょう?
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ヨハヌン:課題は山積みなのです……。でも気付いたら自分の作画も含めて可愛らしいタッチになったので、自分以外の人をもっともっと魅力的に描けるようにしたいなと思ってます。
――今後本作をどう描いていきたいですか。
ヨハヌン:現在の南米旅行が終わったら今度は東南アジアで時間をかけて生活するようにじっくり移動しようと思っています。東南アジアは日本からも行きやすいので、「東南アジアで生活したらどんな感じか?」を解像度高く描けたらいいなと思います。
――憧れ、影響を受けた作品や作家はいますか?
ヨハヌン:臼井儀人さんの『クレヨンしんちゃん』と衛藤ヒロユキさんの『魔法陣グルグル』。一生読んでいきたい大好きな漫画です。
――作家としての展望、なりたい作家像を教えてください。
ヨハヌン:いつかは旅行も終わるので、この旅行で得たものや感じたものを活かした漫画が描ければなと考えています。あとはコツコツひとりで作業するだけでなく、人と関わりを持ちながら作業するような作家になれたら幸せな気がしていますね。
(小池直也)
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