『ONE PIECE』に登場するサンジは、麦わらの一味のコックであり、強力な戦闘員でもあります。サンジといえば「女好き」なイメージを思い浮かべる人も多いでしょう。しかし最近ファンの間では、ただの女好きでは終わらないほど「サンジの美女レーダーがすごい」と話題になっています。
印象的なエピソードとして挙げられるのは、「パンクハザード編」にあたる原作680話で、海兵の女性・たしぎが上司であるヴェルゴの裏切りにあい、追い詰められたシーンです。その頃、別の場所で茶ひげの背中に乗って毒ガス兵器から逃げていたサンジですが、「レディがおれを呼んでいる!」とたしぎのもとへ駆けつけ、ヴェルゴに蹴りを喰らわせます。
こうしてサンジは「女の涙が落ちる音がした」というセリフを残し、たしぎの窮地を救ったのです。直前までサンジと一緒にいたウソップは「サンジが血相を変えて飛んでった」と話しており、鋭い見聞色でたしぎの危機を察知していたことがわかります。
また「ワノ国編」の996話・997話にかけては、鬼が島の城内で、ルフィたちと屋上を目指して中2階にいたサンジが3階での「声」に反応し、「美女が助けを求めてる」と単身で駆けつけるシーンがありました。見聞色の覇気を扱えるルフィとジンベエでさえ聞き取れなかった声を、サンジだけが聞き取っていたのです。
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ルフィは聞こえる人が限られる海王類や象主(ズニーシャ)の声が聞こえるほど精度の高い見聞色を持っていますが、女性の気配となれば、サンジはルフィを凌駕するのではないでしょうか。ネット上ではサンジの女性に対する姿勢が「女好きのレベルを超えて救世主にみえる」「女性を大切にする姿勢が彼の騎士道に合っている」と高く評価されています。
また、このような美女レーダーは意外な場所で発揮されていたことが、最新章「エッグヘッド編」で明らかになりました。具体的なエピソードとしては、サンジとビッグ・マムの娘であるプリンの結婚式に招待されていたステューシーが、ベガパンクの仲間として登場したときのことです。
当時、サンジが結婚式で彼女を認識していた様子はありませんでした。しかしサンジは「マムのパーティにいたよね」とステューシーとの再会を喜んだのです。
結婚式の様子は861話から見ることができますが、ステューシーが同じコマ内で書かれていたことはなかったため、サンジが自分の結婚式に集まった観客の1人として遠目にみていたということになります。そもそも結婚式自体がビッグ・マム海賊団の陰謀や、サンジと仲間たちによるビッグ・マムの暗殺計画が練られた上で成り立っていたものですから、美女に気を取られる余裕もないはずです。
しかし、そのような状態でも、サンジはステューシーの存在をきちんと把握していたのです。ネット上では決して美女を見逃さないサンジに対して「自分の結婚式なのにほかの女見てるなんてさすが」「あの状況で顔覚えてるなら美女レーダーの発動は無意識か」など感心の声があがっていました。
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なお見た目や声、心は美しい女性で、性別は男性であるワノ国の侍・菊之丞にもサンジはメロメロになっている様子があり、美女レーダーに性別は関係ないようです。女性の危機にいち早く察知して駆け付けるサンジは、今後も多くの女性を窮地から救い出す活躍を見せてくれるでしょう。
(海川 まこと/漫画収集家)