歳を重ねるごとに、「肌や髪質などに老化を感じる」という人は少なくないでしょう。
実は、「魚」はヘルシーでありながらエイジングケアが期待できるものが多く、ぜひ40・50代女性に食べていただきたい食材です。
管理栄養士の筆者が、エイジングケアがのぞめる8月が旬の魚について、ご紹介します。
■老化の進行を抑えるために、意識すべき栄養素とは
体内では、酸素を利用してエネルギーを生み出しているのですが、その際に「活性酸素」が発生します。
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活性酸素は細胞を傷つけ、老化を進めるといわれており、年齢とともに増えるのだそう。
通常、体内の抗酸化力によって活性酸素は無毒化されるのですが、抗酸化の働きは加齢で低下していくため、食事から抗酸化物質を取り入れることが大切です。
また、血流が悪くなると、細胞に十分な酸素・栄養素が行き渡らず、新陳代謝が低下するため、細胞の老化を加速させるおそれがあります。
そのため、老化の進行を抑えるためには、以下のものを意識して取り入れるのがポイントです。
・老化の原因となる活性酸素を除去する「抗酸化作用」があるもの
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・血流を改善する作用があるもの
・代謝を活発にする作用があるもの
■8月が旬!エイジングケアが期待できる魚3つ
老化の進行を抑える働きが期待できる、おすすめの魚についてご紹介していきましょう。
(1)イワシ
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イワシには、必須脂肪酸である「EPA(エイコサペンタエン酸)」や「DHA(ドコサヘキサエン酸)」が豊富に含まれています。
EPAやDHAには血液をサラサラにする働きがあるため、細胞の代謝を促して老化を遅らせる作用が期待できます。
EPAやDHAは加熱に弱い性質をもつため、加熱しない刺し身や、栄養素を余すことなく摂取できるスープにして食べるのがおすすめです。
また、EPAやDHAには脂肪の燃焼を促進する作用もあり、痩せにくくなってくる40・50代女性に嬉しい魚だといえます。
(2)アマダイ
アマダイは、魚類の中でも脂質が少なくタンパク質が豊富な食材であり、女性に不足しやすいタンパク質をヘルシーに摂取することができます。
「ビタミンB1」や「ビタミンB2」も多く、ビタミンB1は糖質の代謝に関与しているため、ダイエットに役立ちます。
ビタミンB2はタンパク質の合成に関与しており、皮膚や髪、爪などの代謝を活発にすることから、いつまでも若々しい体を維持できます。
ビタミンB群は水溶性ですので、煮魚や炊き込みご飯、味噌汁などにして食べると効率的ですよ。
(3)鮎
鮎には「ビタミンE」や「カルシウム」「マグネシウム」などの栄養素が多く含まれています。
ビタミンEは抗酸化作用をもち、細胞の老化を予防したり血行を促したりする働きがあるため、老化予防に役立ちます。
また、鮎の内臓には「EPA」「DHA」「ビタミンA」が豊富に含まれているのも特徴の一つです。
ビタミンAは、皮膚・粘膜の細胞の代謝に関与していることから、ターンオーバーが正常に行われ、皮膚・粘膜の老化を防ぐ働きが期待できます。
粘膜の健康が保たれると、細菌やウイルスが体内に侵入しにくくなるため、免疫力UPにも役立ちますよ。
鮎といえば塩焼きのイメージが強いですが、炊き込みご飯や酒蒸しにしても美味しく、栄養素を効果的に摂取できるため、ぜひ試してみてください。
魚は下処理に手間がかかりますが、切り身を購入したり丸ごと一匹調理したりすれば、手軽に魚料理を楽しめます。旬の食材は、旬の季節に最も栄養価が高くなりますので、ぜひご紹介した魚をスーパーで見かけた際には、お手にとってみてくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)