アイデア出しが苦手という人は、新しいアイデアを生み出せるのは「才能」がある人だけと思っているかもしれない。そうではなく、「公式」を知っていれば、新しいアイデアは生み出すことができるのだ。アイデア出しはある程度ではあるが「パターン化」できる。
◾️素早くアイデアを出すにはコツがある
『速案——誰よりも速くアイデアを生む15の公式(西島知宏著、フォレスト出版刊)では、クリエイティブ・ディレクターの西島知宏氏が、15の公式を使い、誰よりも速くアイデアを生む発想法を紹介する。
誰よりも速くアイデアを生む公式とは、どんなものがあるのか。その一つが「常識変換法」だ。いきなり「新しいアイデアを考えろ」「アイデアをたくさん出せ」と言われると困惑してしまうところを「課題となっているものの常識を書き出し、それを非常識へと変換するプロセス」を経ることでアイデアを生み出すのが常識変換法だ。
たとえば、「新しい立ち食い蕎麦屋のアイデア」について発想する場合、立ち食い蕎麦屋の常識である「気軽に入れる」「安い」「早い」を書き出し、それらを非常識に変える。「気軽に入れる→会員制」「安い→1杯2000円」「早い→出てくるまで30分かかる」と、何のよりどころもなく考えても出てこないアイデアが、常識変換法を使うだけで、簡単に、かつ速く生み出すことができる。
また、アイデアを発想するうえで有効な方法の一つに「極端に振りきる」というものがある。この発想の振りきりを簡単に作り出せるのが「No.1作成法」だ。アイデアが必要なものである課題に「世界一大きい」「世界一小さい」「世界一短い」「世界一早い」「世界一遅い」など、「No.1キーワード」をつけるだけだ。苦戦している温泉宿にたくさんの人が訪れるアイデアを「No.1作成法」で発想するなら、「温泉」か「温泉宿」にNo.1キーワードをつけて意味を調整すればいい。「世界一大きい温泉まんじゅう」「世界一小さい温泉」「世界一熱い温泉」というようにNo.1キーワードをつけていく。さらに、この3つをすべて実施して「世界一が3つある温泉宿」というフレーズでPRすることもできる。「世界一+形容詞」「世界一+形容動詞」をいろいろと試すだけでたくさんのアイデアを発想することができるのだ。
新しいアイデアが思い浮かばないとき、本書で紹介されている公式に当てはめて考えてみてはどうだろう。アイデア出しに苦労することも減るはずだ。
(T・N/新刊JP編集部)