中学2年生の娘さんが携帯を紛失し、auで新規契約し新たなスマホを入手したAさん。新しい番号でLINEを登録すると、一晩でバーッと前ユーザーに紐づく知らない人から友だち追加され、悪態をつく文言のLINEが入ってきたそうです。
AさんはそのときのエピソードをXに投稿し話題に。その後についてのお話を聞き、KDDIにも対策を取材しました。
Aさんは、もともとSIMの再発行をするか悩んだそうですが、家電店で「乗り換え」がお得な学割のセールがあったことから新規契約することに。その際、有料の番号選択はせず、ランダムで選んだとのことでした。
「〇ね」と、死を促す言葉にショックを受け、「自分ならブロックしたりして凌げるかもしれないけど子どもの携帯だったので」と、怖くなったAさんは相談するためにショップに駆け込んだそう。
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Aさん自身はもう20年同じ電話番号を使っているため「今平和に長く使っている番号がある人は解約せずに大切に使った方が良いです！」とアドバイスも。今回、店舗側はどんな対応をしてくれたのでしょうか？
「誰かが使っていた番号」と認識して契約を
――契約したばかりでさぞや怖い思いをされたかと。LINEの内容に気づいたのは？
私です。契約した日の深夜にLINEに届いていました。
――それはビックリしますね。
自宅に持ち帰り、娘と改めて今後のスマホの取り扱い方などを話し合い、夜に設定を行うなかで、「ひとまず連絡ツールを」と思いLINEを登録しました。
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登録時に番号を入力した際、本名フルネームの男性名義で「〇〇さんおかえりなさい」的なメッセージが表示され、「ああ、前の持ち主がいる番号なんだな、そうだよねまっさらな新規の番号なんてもうなかなかないよね」と軽く受け止めつつ、「あなたのアカウントですか？」という画面で「いいえ」をタップし、新規アカウント作成をして基本設定までして終わりました。
翌朝、まだ誰にも教えていないはずのLINEに通知があり、不思議に思いながら私が開くと全く知らない男性名の方から「〇ね」と一言メッセージが届いていました。理解が追いつかず震えました。
――それはかなり困惑します。
「人違いですよ」と返信するか悩みましたが、その瞬間はランダムのイタズラなのか前ユーザーさんの知り合いなのかよく分からず、とにかく深夜にそんなメッセージを送る人と会話したくない恐怖心でブロックすることしか出来ませんでした。
――娘さんには？
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起きてきた娘には「新しい携帯、ちょっとトラブルがあったから今日は使えないかも。ちょっと待ってね」と伝えるのが精一杯でした。「えー！」と、しょんぼりした姿を見て悲しくなり、メッセージを投げてきた相手に怒りも湧きました。感情がジェットコースターみたいでした。「娘に携帯を預けていなくて良かった、最初にあれを見たのが娘じゃなくて良かったな」と思いました。
――すぐにブロックされたと。
LINEの設定などを確認したら、前ユーザーさんの電話番号からの登録で、知らない人が20〜30人ほど友だち欄にいました。また怖さが募り、泣きそうになりながら慌てて電話番号からの友だち追加登録機能を切り、登録してきた人たちも全てブロックしました。恐らくですが、交友関係から、前ユーザーは中年男性かな？と感じました。
――その後すぐにショップに駆け込んだのですね。
最寄りのストアに相談に行ったら1件目では「有償番号交換」「本日は予約以外受付できない」「たまにあるんですよ。LINEに関しては（携帯会社は無関係なので）ご自身で設定等でご対応いただくしかないですね」と言われました。
それはそうなので納得はしましたが、大変気持ちが焦っていたので違う店舗にも足を運び、同じことをお尋ねしたら「大変でしたね、ショップにもよりますが当店では無償で番号交換させていただきます」と言われました。ですが、結局こちらも当日枠がなく、もやもやしたまま更に翌日に予約を取って対応していただきました。
――最近店舗も事前予約制ですし、対応にばらつきがあったのですね。怖さと焦りもあり、もどかしかったのではとお察しします。
翌日、窓口で手続きしてくださった店員さんにメッセージ内容を伝えたら「間違い電話が多いなどのトラブルは聞いたことがありますが…それは…初めてです…そんな…お辛いですね」とうろたえた様子でした。
そのような言葉を投げられる遺恨を残して手放された番号をこのまま子どもに持たせるのは恐怖であること、買った直後の出来事であることなどを配慮くださり、無料で下4桁の希望する番号を選ばせていただけることになりました。
――寄り添ってくださる店員さんで良かったです。
1度限りの救済のため、変更後にもし再度似たようなトラブルがあった場合は有料になること、また、契約から日数が経過している場合は対応できない場合があることも教えてくれました。
――番号変更後は特に問題なく？
はい、穏やかに使えています。番号変更後、新しい番号でLINE登録したら今度は女性名義の前ユーザー名が表示されました。「もう本当に新規番号はレアなのかもしれないな」と思いながら祈るように再度設定。
今度は最初に友だち追加設定を切ったので、前ユーザー絡みのトラブルもなく利用できています。あの番号が市場に流れたらまた同じような悲しい思いをする人が…と思うと胸が痛くなります。
――今回の経験から、感想や読者に伝えたいことなどがあれば。
まずは「まっさらな番号はもう無い、きっと誰かが使っていた番号である」と認識して契約しなくてはいけないんだなと感じました。子どもに持たせる場合は、すぐに渡さず、親がしばし様子を見る必要もあるかもしれません。更に、LINEを登録する場合は、「友だち自動追加」「友だちへの追加を許可」を必ずオフにした方が良いです。絶対。
娘には一通り解決してから事情を話ました。「冗談にせよ、本当に恨みがあるにせよ、誰かにそんなメッセージを送ってはいけないよ」とも話しました。稀なケースだったとは思いますが一例としてご留意いただけたらと思います。
電話番号の前ユーザーにまつわるトラブル、どうしたら…？
Aさんの話を受け、こういった電話番号にまつわるトラブルは、どのように対応しているのかKDDI株式会社（東京都千代田区）広報部にお話を聞きました。
「迷惑電話がかかってくる場合など相談は、当社の各種サポート窓口（お客さまセンターや店頭）にて対応させていただいております。その場合、着信拒否の設定や迷惑電話の可能性を通知する『迷惑メッセージ・電話ブロックアプリ』などの対策をお客様の状況に応じてご案内させていただいております」とのこと。
また、携帯電話を解約してからその番号がどのくらいの期間保留されているのかをお尋ねすると、「番号解約後の再利用期間の詳細は非開示とさせていただきますが、電話番号割り当てには間違い電話の防止などを理由に、再利用するまでに一定期間を設けています」と教えてくれました。
新規契約時の電話番号はランダムですが、下4桁を選べる「YOU選番号サービス」の提供もあるとのことです。
◇ ◇
「使い回しのトラブルって寧ろ昔の話だと思ってたんだけど今のほうがやばいんか…？」
「なるほど…確かに今後もらう番号って、以前に誰かが使ってた番号である可能性高くなっていきますよね」
「メインの番号は20年以上、サブも15年以上使ってるから大事にしなきゃ…」
「家の電話でこの手のがありました」
「前使ってた番号で、初日から前の使用者宛に電話かかってきた」
「番号を変えた瞬間から複数の番号の着信が30件。常になってました。多分闇金などに手を出した人だったのかと思いますがやばかったです」
今回のAさんの投稿には、こんなコメントが。Aさんと同様、電話番号の前ユーザーにまつわるトラブルに遭遇した経験がある方もいらっしゃるようです。
1999年に携帯電話の電話番号が11桁となって25年。解約された電話番号はおそらく再利用されていることでしょう。Aさんのエピソードから、携帯電話を新規契約した際に「前ユーザーに紐づく見知らぬ誰かからの連絡がくる」という事態が誰にでも起きる可能性があることに気づきました。
万が一、トラブルに見舞われた場合は早めにキャリアのサポート窓口に相談を。事前に自分で設定し、トラブルを回避できそうであればその方法を知っておくだけでも役立つかもしれません。
■au「YOU選番号サービス」
電話番号の下4桁（070/080/090-XXXX-□□□□の「□」部分）を、好きな番号で選べる。ただし、希望の番号が空いていない場合や、0000、9999など、4桁とも同じ数字の電話番号は受付できない。新規契約：330円、電話番号変更時に「YOU選番号」を使用：無料（電話番号変更手数料3850円に含まれる）
■au「迷惑メッセージ・電話ブロックアプリ」（Android：Android7.0以降／iPhone／iOS15.0以降）
架空請求詐欺などの可能性があるSMS/電話を自動で検知。検出時に警告表示でお知らせするので、安心して電話を利用できる。公共施設や企業などからの着信時に、発信元名称を自動で表示。イエローページにある500万件以上の情報を参照。アドレス帳に登録のない番号でも、着信元がわかるので安心。
■LINE 友だち設定
LINE［ホーム］＞［設定］＞［友だち］をタップ＞［友だち自動追加］［友だちへの追加を許可］をOFFに。端末の連絡先に含まれるLINEユーザーの自動追加や、自分の電話番号を保有しているLINEユーザーが自動で友だちに追加したり、検索することを防げる。
■LINE プライバシー管理
LINE［ホーム］＞［設定］＞［プライバシー管理］をタップ＞［メッセージの受信拒否］をONに。友だち以外からのメッセージの受信を拒否できる。
（まいどなニュース／Lmaga.jpニュース特約・太田 真弓）
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