Q. 「ラクトアイスは本物のアイスではなく、体に悪い」って本当ですか?
Q. 「『ラクトアイスは本当のアイスではないから、体に悪い』『ラクトアイスは食べてはいけない』と聞いたことがあります。本当でしょうか? 健康にいいアイスクリームの選び方があれば、教えてください」
A. 一般的な量を食べる程度であれば問題ありません。好きな味のものをどうぞ
買ってきた「アイスクリーム」を食べようと、何気なくパッケージを見ると、「ラクトアイス」と書かれていることがあります。そもそもアイスクリームとラクトアイスは違うものなのでしょうか?まずは「アイスクリーム類の定義」をみてみましょう。
実はアイスクリーム類は、乳固形分や乳脂肪分の違いによって「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」の3種類に分類されています。
ラクトアイスは乳固形分や乳脂肪分が少ないのですが、クリーミーでおいしい味わいのものもありますね。その理由は「植物性油脂」を使用していることがあるからです。
おそらく、「ラクトアイスは植物性油脂を使用しているから、トランス脂肪酸が含まれているのだろう。体に悪そうだ」と考える人がいるのではないかと思います。
しかし、一言で植物性油脂といっても、さまざまな種類があり、なかには体に必要な脂肪酸を多く含むものもあります。
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そう考えると、アイスクリームやラクトアイスを選ぶ際に、植物性油脂のトランス脂肪酸だけを気にしても、結局のところ、大きな違いはないといえます。
いずれにしても、一般的な量を食べる程度であれば問題ありません。
日本のアイスクリーム類は、食品衛生法にもとづく「乳及び乳製品の成分規格に関する省令」と「食品、添加物等の規格基準」という法律で厳密に管理された商品だけが販売されています。
濃厚でクリーミーな味のアイスクリーム、濃厚さを抑えてさっぱりした乳製品の味が魅力のアイスミルク、さっぱりあっさりした甘さが魅力のラクトアイス、いずれの製品にもそれぞれのおいしさがあります。
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■参考
・すぐにわかるトランス脂肪酸(農林水産省)
・乳及び乳製品の成分規格に関する省令(PDF)(厚生労働書)
平井 千里プロフィール
メタボ研究を行いエビデンスに則ったダイエットを教える管理栄養士。小田原短期大学 食物栄養学科 准教授。女子栄養大学大学院(博士課程)修了。前職の病院での栄養科責任者、栄養相談業務の経験を活かし、現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養の基礎を発信している。(文:平井 千里(管理栄養士))