夫と「夕飯はどうしようか」「何食べたい?」と話していると、そんな穏やかな空気を壊すかのように、玄関のドアが乱暴に開けられる音がしました。玄関に行ってみると娘のカオリが立っています。なにやらとても怒っています。
カオリは今、妊娠6ヶ月。つい最近安定期に入って安心していたというのに転んだなんて……。
私は慌てて用意をして、カオリを病院に連れて行きました。ハラハラしてしまいましたが、お医者さんの「問題ないですね」にひと安心。会計が済んで車内に戻ると、私は安堵のため息をつきました。帰りの車内でカオリに話を聞くも、なかなか要領を得ません。家に着くと、ユウイチ君が家のまえに立っていました。
「ユウイチのせいで転んだ!」と怒りの表情でわが家に飛び込んできたカオリ。
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それなのに家に帰ったら心配した顔のユウイチ君がいて、これまたびっくり。どうやらカオリの身を案じてわが家まで来てくれたようです。
相変わらず激昂するカオリと、申し訳なさそうなユウイチ君。
私はカオリの親でありながらも、改めて「本当にユウイチ君が手をあげたの?」と疑いたくなってしまいました。
【第2話】へ続く。
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