前回からの続き。私(レイコ)は夫と中学1年生と小学3年生の姉妹の4人暮らしです。ママ友のランチ会で、マキコさんが「帰省が面倒くさい!」と嘆いていました。確かに帰省に縛られる長期休みも辛いのかもしれません。一方で、途中まで一緒に帰ったユキナさんは、夫婦で地元出身のため「帰省」という概念がなく、帰省する場所があるマキコさんが羨ましいと言っていました。隣の芝生は青く見える……そんな2人を見て、私は自分のことを想うのでした。
ランチ会の帰りに買ってきた和菓子を仏壇にお供えしました。
私の両親は2人ともすでに他界しているのです。
長女が幼い頃は、自分の両親が他界していることをママ友に話したこともありました。しかし、なんとなく気まずい思いを相手にさせてしまった経験から、両親のことは人に話さなくなりました。
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私たちに両親がいないということは、子どもたちに祖父母がいないということになります。
「みんなのお家にはおじいちゃんやおばあちゃんがいるのに、どうしてウチはいないの?」
そう娘に聞かれたこともありました。
両親が他界していることをママ友に話すのは、なかなか勇気のいるものでした。
変に気を使われても申し訳ないし、その場が気まずくなるのも嫌でした。
だから隠しているわけではないけれど、積極的に話そうとは思いません。
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概念がないからこそ悩まなくていいから楽な分、子どもたちに祖父母のぬくもりを与えてあげることができなかったことに、罪悪感を持ってしまうのでした。
【第6話】へ続く。
原案・編集部 脚本・渡辺多絵 作画・よしはな 編集・石井弥沙