俳優の大泉洋が脚本家・宮藤官九郎氏と初タッグを組む、テレビ朝日開局65周年記念ドラマプレミアム『終りに見た街』(9月21日放送 後9:00)のキャストが解禁された。
【写真】『ふてほど』ラストにサプライズ! 人気アーティストが登場&パフォーマンス 本作は、テレビドラマ脚本家の第一人者である山田太一氏の同名小説が原作。戦争体験者の一人として厳しい体験を次世代に伝えることをテーマに、同局で1982年と2005年の2度にわたり、山田氏自らの脚本でドラマ化された。
このたび終戦80年を目前に、19年の時を経て3度目のドラマ化が実現。1982年放送時には細川俊之さんが、2005年には中井貴一が主演を務めてきたが、本作では大泉を主演に迎える。そして同じ脚本家として山田氏を尊敬し、ファンであることを公言してきた宮藤氏が脚本を執筆。戦時下に置かれた家族を描くホームドラマを、令和版にリブートする。
今回出演が発表されたのは、吉田羊、奥智哉、當真あみ、今泉雄土哉、勝地涼、三田佳子、堤真一、神木隆之介、田辺誠一、塚本高史、西田敏行、橋爪功の12人。
令和の時代に東京郊外で何不自由なくありふれた日常を送るテレビ脚本家・田宮太一(大泉)の一家がある日突然、昭和19年6月にタイムスリップし、太平洋戦争まっただ中の時代を懸命に生きる姿を描く本作。太一の妻・田宮ひかり役は、『ラストマン-全盲の捜査官-』(2023年)で大泉と共演し、宮藤が脚本を手掛けた『不適切にもほどがある!』(24年)にも出演した吉田が演じる。
家庭では太一が威厳のかけらもなく家族からウザがられる一方、家事や介護に忙しいながらも、パートの仕事にやりがいを感じて頑張るしっかり者のひかりは、戦時下でも、時に太一を叱責しながらも寄り添い、家族が生き延びるために懸命に支える。吉田が「守るべき家族や子どもたちがいて、愛する存在を守るという思いで自ら変わっていくことを選択していく。そういう強さを持っている人」と語るひかりを、丁寧かつ力強く演じる。
太一たち一家と時同じくして過去の世界に迷い込んだ太一の父の戦友の甥・小島敏夫を演じるのは堤。太一が愚痴っぽく、いちいち悩んだり考えたり立ち止まっている一方、陽気で人当たりが良く、目の前のことを受け入れて前向きに動く敏夫は、昭和19年の世界にもすぐに馴染み、太一とは正反対ながらも、戦時下で生きる中で太一の良き支えとなり仲間になる。堤は敏夫の「あまりに昭和19年を受け入れすぎている」ことにやや衝撃を受けたようだが、「『もしかしたらこれは全部“田宮太一の夢”なんじゃないか?』と思えるような時もあるんですよね。そういう意味で敏夫は、太一が作り出した『自分(=太一)にできない、この世界に適応する象徴』みたいな形で出ているのかな」ということも考えながら演じたという。
父・敏夫と一緒にタイムスリップした息子・小島新也役を奥、思春期まっただ中の、太一とひかりの娘・田宮信子役を當真、そして太一とひかりの息子・田宮稔を今泉が演じる。
そして三田は、太一の母親・田宮清子を演じる。唯一の戦争体験者である清子は、認知症が出始めているが、タイムスリップした先の昭和19年では清子の記憶が太一たちの頼りに。ただ状況を理解しているのかしていないのか、時に恋をする(!?)など、戦時下でひとりのほほんとした空気をまとう。
一方、現代において太一が仕事で世話になっているプロデューサー・寺本真臣役には勝地。本作ではペラッペラに薄っぺらく、軽すぎるノリなのに、物語のキーパーソンでもある(!?)寺本を全力で熱演する。
さらに、令和の時代にひかりのパート先であるドッグウェア専門店のオーナー・五十嵐役に神木、太一が脚本を手掛けたドラマ『刑事七、八人』の出演者である先輩俳優役に田辺、後輩俳優役に塚本、太一と敏夫が食糧難の中でほどこしを乞う農夫役に西田、タイムスリップした直後の太一に激しく詰め寄る昭和の老人役に橋爪という超豪華キャスト陣が特別出演する。