ハミルトンの移籍はF1引退に向けた“豪華な幕引き”という憶測にフェラーリ会長が反論「8度目のタイトルを望んでいる」

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2024年08月15日 07:00  AUTOSPORT web

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2024年F1第14戦ベルギーGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)
 フェラーリはルイス・ハミルトンにとってF1での最後のチームになる可能性が高いが、ジョン・エルカーン会長は、来シーズンのハミルトンのフェラーリ移籍が引退の前兆であるという見方を否定した。

 今年の12月にアブダビで、ハミルトンはメルセデスとの13年間の素晴らしい旅に感動的な終止符を打ち、輝かしいキャリアにおける大胆で新しい章に乗り出すことになる。多くの人々にとってハミルトンのフェラーリ移籍は、7度の世界チャンピオンとグランプリレースで最も成功したチームが最高の組み合わせを作るようなものだ。

 一部の人々は、これは彼の輝かしいキャリアを終わらせるための計算されたステップであり、彼にふさわしい豪華な幕引きへの優雅な移行だと見ている。しかしエルカーンは、ハミルトンがフェラーリに移籍するのは共通する勝利への野望にもどづいてのことであり、彼はF1引退後の人生のことなど考えていないと断言している。

 ハミルトンとの契約は難しいものだったかと問われたエルカーンは、「ある物事はあっという間に起こる。これは彼とフェラーリがお互いを見つけた瞬間だった」と『Corriere dello Sport』紙に答えた。

「彼は8度目のタイトル獲得を望んでいるし、フェラーリも勝利を望んでいる。そしてルイスが加わることで彼らはさらに強くなる。彼は引退を楽しむためにフェラーリに来るわけではない。周りに勝ちたいと願う、意欲のある人々がいることが重要だ」

 ハミルトンは、来年フェラーリで現役生活を始める時には40歳になっている。最近の2度の勝利が証明したように、彼の経験とレース技術は比類のないものだが、モータースポーツの頂点で過ごした長い時間が、より若く、よりハングリー精神のあるライバルたちと対峙する上で弱点となるのではないかと考える人もいる。

 しかしエルカーンは、ハミルトンの年齢が比較的高いことを、一貫性の貴重な証だと見ている。

「F1では現在、レッドブル、フェラーリ、マクラーレン、メルセデスの4チームが非常に接近しており、真の競争が繰り広げられている」

「常に自分たちの可能性を最大限に発揮することが重要だ。ハミルトンや(フェルナンド・)アロンソが証明したように、経験豊富なドライバーの方が一貫性があるし、一貫性は重要だ」

 エルカーンはまた、アスリートたちがキャリアを延長するという現代の傾向にも注目した。

「彼らは献身と犠牲によって、年齢による肉体的限界を克服している」とエルカーンは述べ、ノバク・ジョコビッチ、ロジャー・フェデラー、リオネル・メッシ、クリスティアーノ・ロナウドといった他のスポーツ界のスター選手たちを引き合いに出した。

「寿命が延び、アスリートのキャリアも長くなっているという歴史的段階に我々がいるのも事実だ」

 経験豊富で決意に満ちたハミルトンが、イタリアの名門チームでレースに臨むという展望は大きな興奮を生み出しており、エルカーンのコメントは、2025年シーズンへの期待をさらに高めている。
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