ひび割れた便座は要注意…10年以上使用した「温水洗浄便座」で火災が多発中

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2024年08月15日 11:10  web女性自身

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「温水洗浄便座の普及と定着に伴い、近年は故障を放置し続けたことによる事故が目立っています。無理して使い続けて火災などの事故が起きたケースもあるんです」



こう話すのは、製品評価技術基盤機構(NITE)製品安全部門広報担当の岡田有毅さん。同機構は、温水洗浄便座による事故について、注意喚起をおこなっている。



NITEによれば、温水洗浄便座の事故は、2023年までの10年間で69件も報告されている。



「製造から10年以上経過した製品による事故が約8割を占めていますので『長く使っている便座に起きやすい事故』ともいえるでしょう」



いくつかの報告されたケースをみてみよう。



【ケース1】



2016年6月、使用年数「15年9カ月」の温水洗浄便座から発煙した。便座の中にある内蔵ヒーターに電力を送っている便座コードが切れてしまい、半断線の状態で発熱、発煙したと考えられる。



「最近の便座は、コード内蔵型も多くありますが、これも中でコードが折り曲げられますから、半断線する可能性はあるので注意が必要です」(岡田さん)



【ケース2】



2022年2月、便座から発煙・火災が発生。洗浄ノズルが出たまま戻らない故障状態で、修理をせずに使い続けていた。



「洗浄ノズルを動かすモーターの基板上で、異常発熱したと考えられます。基板上で焦げが広がってトラッキング(非導電部に付着した異物などで電気の通り道ができ、異常発熱する)現象が発生し、ショートしたと思われます」



【ケース3】



2019年3月、80代の女性の報告。異臭がしたため確認してみると、便座が焼損し、周辺を汚損する火災が発生していた。



「事故の2〜3年前から便座が温まらない、洗浄水が温まらない、自動開閉できないなど不具合が発生していたようです」





■便座に強酸性の洗剤を使って腐食が進み発火



【ケース4】



2017年2月、店舗での誤った手入れによる事故。清掃時に強酸性の洗剤を使っており、便座の中まで洗剤が浸透して腐食が進んでいた。やがてヒーター線が断線し火災。



「この便座の取扱説明書には、お手入れの際には『薄めた台所用洗剤(中性)を使用し、トイレ用洗剤、住宅用洗剤等は使用しない』などと記載されていました」



手入れの注意点は「まずは取説をよく読むこと」と岡田さん。



「内容をよく読み、中性洗剤は薄めて布に吹き付け、布で吹く。直接便座に吹きかけないでください」



では、温水洗浄便座の異常や故障のチェックポイントとは?



(1)焦げたにおいなど異臭がする。
(2)便座や洗浄水が温まらない、異常に熱い。
(3)便座のゴム足が外れていたり、がたつきがある。
(4)便座のひび割れ、操作部シールにめくれやひび割れがある。
(5)電源プラグ、コード、便座コードに発熱、焦げ、変色、破損がある。
(6)水漏れが生じている。



「これらの場合、使用を中止していただきたいと思います。中止する際は、まず電源プラグを抜き、次に止水栓を閉めてください」



温水洗浄便座は電化製品であり「経年劣化すると意識してください」と岡田さん。自宅のトイレを点検してみよう。

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