2歳娘を置き去りにした父親。警察官が自宅に到着すると、顔を両手で覆い泣いていた(『New York Post 「Police bodycam footage shows Arizona dad who left daughter 「日本自動車連盟(JAF)」の調査では、外気温が35度の場合、車のエンジンを停止した30分後に車内の気温は45度に達してしまうことが分かっている。その危険性を警告しているものの、車内に子供やペットを置き去りにする者は後を絶たない。アメリカでは、2歳の女児が父親によって炎天下の車内に3時間も放置され、亡くなってしまった。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えている。
【この記事の動画を見る】
米アリゾナ州ピナル郡マラナ在住のクリストファー・ショルテス(Christopher Scholtes、37)は、現地時間7月9日に娘のパーカーちゃん(Parker、2)を車内に残したままにして死なせたことで逮捕された。クリストファーの主張によると、当日は外出先から車で自宅に戻り、ガレージに物が置かれていたため車を外の私道に駐車したという。
同乗していたパーカーちゃんはチャイルドシートに座って眠っており、そのまま寝かせておきたかったクリストファーは、エアコンをつけた状態でパーカーちゃんを車に残して自宅に戻った。その後、クリストファーの妻エリカさん(Erika、35)が午後4時頃に帰宅し、エアコンが切れた車内でぐったりしているパーカーちゃんを発見した。
エリカさんは警察官と救急隊が駆けつけるまで心肺蘇生を施したが、パーカーちゃんは搬送先の病院で死亡が確認され、クリストファーは同月12日に自宅にやってきた警察官によって逮捕された。最近になって公開された警察官のボディカメラの映像には、泣き崩れるクリストファーが警察官に身柄を拘束される様子が映っている。
当初、警察の調べに対して「午後2時半頃に帰宅した」と主張したクリストファーだったが、近所に設置された監視カメラの映像によって午後0時53分頃に帰宅していたことが判明した。当時のマラナの気温は43.9度を記録し、そんな中でクリストファーはパーカーちゃんを車に3時間も放置していた。
さらにその間、クリストファーは「PlayStation(プレイステーション)」でゲームに夢中になっていたことが明らかとなった。彼は車内のエアコンが30分後に自動的に切れることを知っていたにもかかわらず、ゲームをして食事の後片付けをしているうちにパーカーちゃんを車内に残してきたことを忘れてしまったのだ。
エリカさんはパーカーちゃんを病院に搬送する途中で、クリストファーに向けて「子供たちを車内に残さないでって言ったでしょ! 何回言ったと思うの!」とテキストメッセージを送っていた。これにクリストファーが「すまない。なんで僕らの家族がこんなことになったんだ? 僕が殺してしまった。これが現実なわけがない」と返していたことが分かっている。
告訴状では、パーカーちゃんの姉2人が「パパは私たちをよく車の中に残していた」と警察に話したことが記されている。また、クリストファーと元妻との間に生まれた現在16歳の娘は、地元のテレビ局『KVOA』の取材に応じ、「父は食べ物もくれず、頻繁に私を車の中に何時間も放置して、児童保護サービスに保護されることもありました。これまで悲劇が起こらなかったことに、むしろ驚きました」と語った。
クリストファーは第一級殺人罪で起訴されたが、今月8日に行われた裁判で無罪を主張した。また以前の裁判で、エリカさんが裁判官に対して「一緒に娘を埋葬したい」とクリストファーを釈放するように求めていた。これにより、クリストファーは保釈金を払って釈放され、現在は家族と一緒に過ごしている。
画像は『New York Post 「Police bodycam footage shows Arizona dad who left daughter, 2, to die in hot car angry and distraught with responders」』より
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)