いま40代の私たちが10〜20代の頃、デニムパンツは脚のシルエットがわかるスキニーやフレアのシルエットが定番でした。ビクトリア・ベッカムやパリス・ヒルトンに憧れて、股上の浅いローライズデニムを私もはいていました。懐かしい!
もしかして、その頃にしみついた「細身のデニムパンツのほうがスタイルが良く見える」という思い込みから抜け出せずにいませんか?
◆たったひとつの法則は「太いジーンズにしよう!」
長めのトップスで下腹やお尻を隠して、細身のデニムをはいている大人をよく見かけます。このバランス、ちょっと古いです。今のトレンドは脚のシルエットが出ないデニムパンツ。急いで太いデニムに買い替えて!新定番はワイドデニムです。
ワイドデニムと聞くと「背が低いから苦手」という人がいます。背が低い人にこそ試してほしいのがハイウエストのワイドデニム。トップスをコンパクトにまとめれば、カラダの3分の2くらいが脚に見えちゃいます。
◆ハイウエストでセンタープレス入りがおすすめ
そして、ハイウエストのワイドデニムの中でも、大人におすすめしたいのがセンタープレスの入ったタイプ。縦ラインを強調してくれる効果もあって、テーラードジャケット、Tシャツ、パールのアクセ、フラットパンプスのような、きれいめなデニムスタイルにもハマります。
例えば、PLST(プラステ)のハイライズワイドジーンズ(税込13000円)。センタープレスは特殊な加工がしてあるので消えることはないのですが、洗濯すると線の凹凸が緩むので、アイロンでプレスし直すのがおすすめ(もちろん面倒ならアイロンしなくてもOK)。
PLSTは日本のブランドなので、日本人の体型に合わせてサイズ設定されています。身長151cmの私はXSサイズ、ぎりぎりフラットシューズではける丈感です。丈直しなしではけると嬉しいですよね。
◆下腹をぎゅっと着圧するウエストシェイプ
「ワイドデニムって太って見えそう…」という人には、すっきり履けると話題のウエストシェイプデニムを試してみてもらいたい。ウエストの内側に付いた太幅のゴムが、気になる下腹をぎゅっと着圧します。
そして、ワイドデニムの素晴らしいところはお尻が垂れていてもバレないこと。トップスは身幅ゆったりで腰骨くらいの丈のものを選べば、トップスをインする必要がなく、腰位置が高く見えて、バランス良く着られると思います。
ROPÉ PICNIC(ロペピクニック)新作のフレアデニム(税込6589円)は、ワイドなフレアシルエットが今っぽい1本です。ほんのり膝の辺りが細くなっているので、ずどーんと見えないのが◎。ロペピクニックも日本のブランドですので、丈直しなしで履ける可能性大です。
◆GUでも大ヒット、樽型のバレルレッグが最旬
さいごにおすすめしたいのは、ワイドの中でもバレルレッグと呼ばれる最旬シルエットのデニムです。バレルとは樽という意味。真ん中あたりはぽわん、裾がキュッと細くなるシルエットはデニムに限らずトップスもスカートもワンピースも、世界的トレンドになる予感。
今季のGU(ジーユー)も、「ぽわんキュッ」のバレルレッグ推し(GU バレルレッグジーンズ、税込2990円)。私は、この泥で洗ったようなヴィンテージ加工を見たときにモーレツな懐かしさに襲われたのですが、Z世代α世代にはこれが新鮮だそうで、人気上昇中です。
ちなみに、GUのメインターゲットは若年層。老若男女をターゲットにするUNIQLO(ユニクロ)に比べて、パンツ類の作りが小さいので、お買物の際にはご注意を。UNIQLOでMがぴったりならGUのLを選ぶイメージです。丈は少し長めの設定ですが(若年層は脚が長い…?)バレルレッグはシルエットが命なので丈直しはおすすめできません。もし引きずりそうなら厚底のシューズを合わせてみてください。短めのトップスと相性抜群!ベルトでギュっとウエストを絞ってはくのもおすすめです。
◆テキトーにロールアップすると短足に見える
なぜこんなに「丈直し」を連呼するかというと、おしゃれでデニムをロールアップしている人と、丈直しするのが面倒でデニムをロールアップしている人は全く別モノだから。ぐずぐずに余ったデニムの裾をテキトーにロールアップしている人を見ると「お願いだから丈直ししてくれ…」と思ってしまいます。あれ、本当に脚が短く見えるんですよね。
皆様におかれましては、「新定番は太いデニム」「ぐずぐずのまま穿かない」この2つだけ覚えて帰ってください。ぺこり。
<文/大日方理子>
【大日方理子】
(おびなた・りこ)スタイリスト。1979年生まれ、お茶の水女子大学卒。『Ray』などの女性誌やテレビでスタイリストを務める。きれいめからカジュアルまで、今の気分を取り入れたスタイリングが得意。骨格診断アドバイザー。猫背改善で身長149cm→151cmに。中学生の女の子がいる1児の母でもある。公式HP