人間関係でのストレス、通勤での満員電車、SNS、老後やお金の不安やなど、日々の生活の中で閉塞感や疲労感を感じている人は多いだろう。このような疲れを抱えている人の中には、「好奇心が強いにもかかわらず怖がり」「没頭しやすいけど長続きしない」「ずぼらなのに細かい」など、相反する性格特性をもつ人がいる。このような人はかくれ繊細さん(HSS型HSP)の可能性があるという。
■「かくれ繊細さん」に特有の疲れとは?
『かくれ繊細さんのめんどくさい疲れを手放す本』(時田ひさ子著、清流出版刊)では、かくれ繊細さん専門のカウンセラーとしてのべ約2万時間、複雑な性格特性をもつ方々の生きづらさを解消するサポートをしてきたHSS型HSP専門心理カウンセラー、合同会社HSP/HSS LABO代表の時田ひさ子氏が、かくれ繊細さんに合った疲れのとり方を紹介する。
かくれ繊細さんが疲れる原因の一つは、「頼めないこと」にある。そして、誰かに頼むと今度は、自分の頼み方が悪かったのではないか、本当は頼まなければよかったんじゃないか、と脳内でぐるぐるとリピートし続けてしまう。
かくれ繊細さんは、何か頼もうと話しかけた瞬間の相手の表情の筋肉の動きと眼球の小さな動きから、「それ面倒な仕事じゃないの?」「忙しいのにこのタイミングで頼む?」といった相手の真意かもしれない感情を読み取る。このようなネガティブな内容が脳内イメージに現れるので、頼めなくなってしまうのだという。
つまり、頼めるかどうかは、本人の力量や度胸のよさではなく、脳裏によぎる予測場面が原因ということだ。かくれ繊細さんは頼むか頼まないかについて逡巡した上で、自分でやるという覚悟を決める間に、1回恐怖にさらされるので、その瞬間にかなり消耗してしまう。それが疲れる原因となってしまう。
では、かくれ繊細さんが誰かに頼む必要が出た際はどうしたらいいのか。そんなときは「頼まれるのは大変かもしれないけど」や「お疲れのところ、申し訳ないんだけど」といった枕詞を使うと頼みやすくなる。相手がきっとこう思うだろう、ということを先回りして一言だけ付け加えることで、頼むハードルが下がるのだ。
もしかしたら自分もかくれ繊細さんかもしれないと思った場合、一般的な方法ではなかなか疲れを解消しづらいと時田氏は述べる。日々の疲れを解消するためにも本書を参考にしてみてはどうだろう。
(T・N/新刊JP編集部)