アルピーヌF1、シーズン後半にも大規模なアップグレードを計画「2025年の基盤になるはず」

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2024年08月20日 13:50  AUTOSPORT web

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2024年F1第14戦ベルギーGP ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
 アルピーヌF1は、サマーブレイク後に導入するフライアウェイレースに向けたさらなる大規模なアップグレードのパッケージが、シーズン序盤の不調から調子を取り戻す助けとなり、2025年に向けて正しい方向に導いてくれることを期待している。

 アルピーヌは今シーズン、ポイントを獲得するまでに6レースかかった。14レースを終えた現在、獲得ポイントはわずか11ポイントで、コンストラクターズ選手権では8位と低迷している。

 しかしフラビオ・ブリアトーレがエグゼクティブアドバイザーとして復帰し、オリバー・オークスがブルーノ・ファミンに代わってチーム代表に就任するなど、エンストンでは最近回復の兆しが見え始めている。サマーブレイク前の最後のレースとなったベルギーGPでは、A524に最新パーツのパッケージを導入し、エステバン・オコンが9位に入賞しポイントを獲得した。

 現在、シーズン最後の長期間にわたるフライアウェイレースに間に合うように、さらに包括的なアップグレードを行う計画が立てられている。これにより、技術レギュレーションがほとんど変わらない来年に向けた基礎と方向性も定まることになる。マクラーレンから新たに加わったテクニカルディレクターのデイビッド・サンチェスは、直近のレースで導入された新しいコンポーネントについて「これは進行中の第一のステップだ」と語った。

 さらにサンチェスは、「我々にはもうひとつのステップがある。これはかなり大規模なもので、来年の基盤となるはずだ。間違いなく、今年のマシンにはさらに作業を行うつもりだ」と述べ、「休み明けの数レース」で行われるだろうと明かした。

「我々は最初からこれに取り組んできた。あとひとつは拡張版で、もう少し時間をかけてさらに進めるものだ」

「一番の問題は、誰もがさらにダウンフォースを見出し、現在のマシンで見られるかもしれないいくつかの異常を設計から排除しようとしていることだ。このパッケージは主にダウンフォースの増加を目的としているが、トップスピードも少し向上させる」

 サンチェスはかつて、フェラーリで長年にわたりデザイナーおよび車両コンセプトの責任者を務めていた。その後はマクラーレンに短期間在籍したが、ウォーキングの体制が変わり、彼の専門知識と経験に見合った役割がなくなったため、双方の合意のもと早期に契約を終了。アルピーヌに加わったのは今年5月になってからのことで、エンストンの技術部門を監督し、パフォーマンス、エンジニアリング、空力全般の責任を負っている。

 今シーズンや来シーズンのチームの計画にサンチェスが大きな影響を与える機会はあまりなかったが、ルールやレギュレーションが大きく変わる2026年に向けて、状況を注意深く見守っているのは明らかだ。

「インフラの観点から言えば、チームはすでに計画をかなり進めていた。それでも我々は、いくつかの項目を他より優先する必要があるかどうかについて、ともに検討を行った」

「現在の状況、我々の計画、そして2026年以降に目を向ければ、我々はよい位置にいるはずだ。今は、この次のマシンにおいてすべてを正しい方向に進め、チーム内の自信をさらに高めていくことが大切だ」

 正式な情報ではないが、アルピーヌは2026年にルノー製パワーユニットの使用を廃止し、代わりにメルセデス製のパワーユニットの使用を始めると、広く考えられている。

 また現時点では、来シーズン以降のドライバーラインアップについても明らかになっていない。ピエール・ガスリーはチームとの契約を延長したが、チームメイトであるエステバン・オコンはシーズン終了後にアルピーヌを離れてハースに移籍するため、空席ができることになる。アルピーヌのリザーブドライバーであるジャック・ドゥーハンがこのシートの最有力候補とみられているが、現在メルセデスのリザーブドライバーを務めるミック・シューマッハーも有力な候補になっていると考えられている。

 ファミンが7月末に代表を辞任し、オークスがオランダGPから指揮を執ることが発表されたが、このことはアルピーヌが再建を目指すなか、今後数カ月間に多くの変化が起きることを意味しているのかもしれない。

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