もっと自分の言葉でわかりやすく伝えたい、コミュニケーション力や伝える力を伸ばしたい。普段のコミュニケーションの中でそう感じている人は、「読む・聞く、まとめる、言葉にする」の4つのスキルを学ぶことで、言語化力を高めることができる。
■現代の仕事はすべて「読む・聞く、まとめる、言葉にする」でできている
『読む・聞く、まとめる、言葉にする』(松尾美里著、フォレスト出版刊)では、書籍要約サービス「flier(フライヤー)」の 編集者・ライターである松尾美里氏が、 読む・話を聞くといったインプットのコツ、 情報を上手に整理しまとめるコツ、文章や会話による「言葉にする」コツを紹介する。
「読む・聞く、まとめる、言葉にする」という流れを意識して実践することの効果は5つ。
「聞く力と読む力が身につく」
「対話がうまくなり、信頼関係が築きやすくなる」
「思考の整理力が身につく」
「本質を掴む力が身につく」
「言語力が高まる」
の5つである。現代のあらゆる仕事は、この「読む・聞く、まとめる、言葉にする」でできていると松尾氏は述べる。
まとめて言語化するスキルを学ぶ前に、大事な隠れたステップがある。それは、まとめて伝える際、「伝える相手」と「伝える目的」を決めることだ。なぜなら「誰に何をどのように伝えるか」によって、アウトプットの方向性、まとめる基準、インプットの質が変わってくるからだ。アウトプットする紙やドキュメントの一番上など、目に入りやすいところに「伝える相手・目的」を過剰書きで書いておくといい。
良い言語化を目指す際は、「誰に伝えるのか」「どの媒体を使うのか」「どういう結果がほしいのか」を明確にすることが重要となる。
また、言語化力を高めるのは、「書く習慣」をもつこと。自分の言葉をアウトプットする習慣こそが、言語化力を高める近道になる。言語化することは、体験や経験を頭の中で整理し、まとめて言葉にするという作業そのものだからだ。
そして、何かを書く際は、誰かが見てくれるという前提で書くこと。誰かに見られているという前提があると、どのように書けば伝わりやすくなるか、考えるようになるからだ。読んだこと、聞いたこと、体験したことなどの自分のインプットをまとめて言葉にして書いてみることを習慣にすることが重要なのだ。
「読む」「聞く」というインプットから、書く、メモる・まとめる整理法、そしてアウトプットとしての言語化する方法を本書から学ぶことは、普段のコミュニケーションから仕事にいたるまで、さまざまな場面で役に立つはずだ。
(T・N/新刊JP編集部)