ロータスは新型電気自動車(EV)「エメヤ」(EMEYA)を日本で公開した。価格は1,634.6万円から、納車開始は2024年第4四半期の予定だ。全長5m超の4ドアGTで電気自動車と聞くと、なんとなくロータスのイメージからかけ離れた1台のように思えるが、いったいどんなクルマなのか。実物を見てきた。
ロータス「エメヤ」ってどんなクルマ?
エメヤは「ロータス初のエレクトリックGT(グランドツアラー)」であるというのが同社の説明。ドアが左右に計4枚あるボディの全長は5,139mm、全幅は2,005mm、車両重量は最も重いグレードで2,500kgというかなり大きなクルマだ。発表会で話を聞いたロータスの販売担当によると、同社の76年に及ぶ歴史の中で4ドアかつセダンタイプのクルマは「なくはないが、かなり少ない」とのことだった。
エメヤは乗員がゆったりと座れて荷物もけっこう積める(トランク容量509L)GTでありながら、とんでもない動力性能を兼ね備えている。フラッグシップモデルであるエメヤRの最高出力(馬力)は驚異の918PS、最大トルクは985Nm。停止状態から100km/hまでの加速(ゼロヒャク加速)は2.78秒で、「世界で最も速いEVのひとつ」なのだという。
EVとして気になる航続距離(WLTPモード)は最大で610km。バッテリー容量は102kWhとかなり大きい。すごいのは充電に関する能力で、出力400kWの急速充電器を使えば残量10%の状態から80%までわずか14分で回復させられる。これならガソリンを入れるのとそこまで大きな差がなくて便利だ。ただ、日本に400kWの急速充電器は今のところ存在しない。
ロータスファンでも安心の仕上がり?
ロータスといえば軽くて小さな「ライトウェイトスポーツカー」のイメージが強いので、エメヤがファンにどう受け取られるのかはちょっと心配なのだが、前出の担当者によれば「ロータスのクルマ作りは継承しているし、乗れば『なんだ、やっぱりロータスじゃん』と感じてもらえるはず」とのこと。EVでありながら軽量化にはこだわっているし、ハンドリングや足回りのセッティングなどもロータスらしい仕上がりになっているそうだ。
2ドア2人乗りのロータスとは違って、エメヤであれば「家族でロータスが楽しめる」ところも魅力だという。聞けば、2人乗りのロータスを持っていた人が、家族が増えるなどライフステージが変わるタイミングで高級ミニバンに乗り替えるといったケースも散見されたそうなのだが、エメヤやSUVタイプのEV「エレトレ」であれば、確かに大勢で乗れるしファミリーカーとして使えるのかもしれない。
同氏によれば、「この内容のEVを1,600万円台から買えるのは、かなりお得なのでは」とのこと。正式な受注は始まったばかりなので、気になる人はコンタクトを取ってみてはいかがだろうか。(藤田真吾)